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Naoko Kotaniguchi Official Blog

私のお釈迦さま

2018.08.17 13:15

送り火でご先祖さまをお送りしたあと、まるで置き土産のように、この世は涼しく快適な風に満たされました…涼しい!快適!!ご先祖さまありがとう…(涙)

もう、35度を下回る日なんて二度と来ないと思っていた、あの日の私に教えてあげたい。明けない夜がないように、終わらない猛暑はないと。だからへにゃへにゃしないで頑張れ、…と、言いたいけど、言わない。あの時は、もう、仕方がなかった。もう本当に暑かった。久しぶりに私たちの青い地球が戻ってきた気がする。あぁ、ほんとに涼しい。ねぇほんとに涼しい。あぁほんとに涼しい(感動がおさまらない)。



*****



松下悦子さんの、素敵なリサイタルがいよいよ1週間後に近づいてきました。

このチラシ、とても好きです。

お釈迦さまの優しい手から、つつつ…と、一本の蜘蛛の糸が降りています。そこへ、



ものがたりを歌えていいなぁ、歌ってやっぱりいいなぁ。


そして!お気づきでしょうか!

今回はオール女子です!

そして、全員「子」のつく名前…。

もう今は古くてこんな名前のティーンズは居ませんね。でも、あと20年たてば、チラシに読めない難しい名前が多く並ぶ日が…いえ、小谷口、なんてへんな苗字の私に言われる筋合いはないですね笑。

そんなこんなで、オール女子・チーム悦子です。

悦子さんと、知子さんは、とても朗らかで、サッパリと、楽しくて面白くて、ドンと器の大きな女性で、ご一緒させていただいていてスッと背筋が伸びるような、スゥッと心が軽くなるような、とてもステキな両お姉さんです。うーんうーん難しい!と苦しみながら、ワハハと大笑いしてばかりのリハーサルと、女性の音楽家として、音楽家の女性として、人生の後半にさしかかった女性として、お聞きしたいことが後から後から溢れるけど全然お話しし足りないリハーサル後の楽しい時間など、苦しい八月を明るく照らしていただいています。



酷暑の中でリハーサルを重ね、一昨日、作曲者である木下牧子さんが来洛くださり、演奏を聴いていただいてアドバイスを受けたり質問をさせていただいたりしました。素敵な作品をたくさん書かれている木下牧子さんご本人にお会いできるということで、私は感激しきりで、演奏を聴いていただいて、ご指導いただけて、夜のお食事までご一緒させていただいたのですがこのへんはドキドキしすぎてあまり覚えていません笑。


そして、今日は演出の唐谷さんに立ちあっていただき、…これは器楽の人間にとっては本当に貴重な体験だったのですが(オペラなどでも演出家の方はいらっしゃいますが、オケの人間は直接は関係しないんですよね)、作品全体を大きくそしてきめ細かく読み込まれた方が俯瞰して私たちを見て(聴いて)くださり、音と言葉の密な繋がりとか、ほんの一瞬の間の取り方とか、声色のちょっとした明るさ暗さや上げ下げ、休符の感じ方など、小さなことの一つ一つを積み重ねるたびに、目の前に鮮やかにものがたりの場面が浮かぶようになり、あっと声を上げてしまったり、突然合点がいって思わず膝を打ったり、ゾゾゾと鳥肌が立ったり、極楽にフワァとなったり、とにかく最高に楽しく気づきがいっぱいの時間を過ごさせていただきました。

3人で初めてホールの音響で音出しできたことも大きくて、あぁなるほどと、それだけで解決できたことも納得できたことも、そしてますます作品の魅力に気づかされたこともありました。


悦子さんの声と語りがとにかく大好きです。そして、知子さんの変幻自在なピアノも本当に感激的。

皆さんご存知の名作「蜘蛛の糸」、芥川龍之介が書いたほとんど全編がそのまま語られたり歌われたりします。それを支える木下牧子さんの音楽は、全部で以下の13曲から成っています。


1.序

2.蓮の花

3.蓮池の下

4.カンダタ

5.銀色の糸

6.遥か下へ

7.血の池

8.銀色の糸

9.この糸に縋り付いて

10.上へ

11.この分でのぼって行けば

12.上へ Ⅱ

13.極楽再び


第7曲『血の池』が、本っっ当に、怖い!笑。最初しばらく私は休みなのですが、悦子さんが語り、知子さんが血の池を描写されているのを横で聴いているだけで、血の池の血潮が身体にまとわりつくような、そこへ虚ろにぷかぷかと浮いては沈む罪人になったような気持ちになります…しーん…。そして針山がギラリと光り、クラリネットは呻き悶え救いを求める罪人の声!(イメージです)。おぇー怖い!笑

でも、朝露のきらめきや、蓮池の馥郁とした風情、蜘蛛の糸が、お釈迦様の手からするすると降りてくる様子などは、本当にえもいわれぬ美しさ(知子さん素晴らしい)で、木下牧子さんの音世界にひれ伏すばかり。


当日は、増田寿子さんの作画による映像も投影されるそうで、一部だけ少し見せていただきましたがとっても素敵でした!

とっても贅沢な公演です(すごいお金かかってるはず…震)、ご興味もっていただけるようでしたら是非ぜひ!夏休みの読書感想文がまだのお友だちも良かったら!帰ったらすぐ書けますよ笑!そして前半の悦子さんと知子さんの歌曲ワールドも楽しみです。バーバーと、マーラーと、シュトラウスも歌われるそうですよ、なんて素敵!


京響定期の前日ですが、ぜひ併せてお越しください^^; お待ちしています☆



※8/18追記

そして今日!木下牧子さんよりFinger cymbalsを送っていただいたのが届きました!

…そうです、わたくし、いつぞやのbass drum(大だいこ)持ち替えに引き続き、有料公演で副科打楽器アドベンチャー第2弾です笑。第2曲と第12曲かな?クラリネット奏者に[Finger cymbals持ち替え]があります。今まで悦子さんにお借りしていた楽器だとあまり大きな音が出なくて、一応送るわ、と言っていただいて、そしたら、確かに!!


すごい大きい音が出ました…◎

(家で叩くのを躊躇するくらい。お盆も過ぎたし。笑)


最終的にこの楽器になるかは、次のリハーサルで決まると思いますが、ちょっと定期リハーサルの合間に中山こうちゃんにレッスンしてもらって頑張ります!