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マヤ

ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission 8-⑦

2018.08.17 22:55

「本名?いい名前だね」




「ありがとう」




「あ…」




「どうかした?」




「…いきなりグラっときた…ちょっと飲み過ぎたかな?」




手で顔を覆った。




熱いものがこみ上げてきた。




「…話した方が楽だったら、聞くよ」




「え?俺の失恋話のこと?」




「ああ…」




「…そんなんじゃないんだ、俺たちはそんなんじゃ…」




「俺たち?ひょっとして相手は男か?」




「そうだよ、だから失恋なんかじゃない」



悲しくなんてないのに、涙が出てきた…




「恋じゃないけど…失った感はあるね」




今日の俺、変だな…




初対面の男に本音を語り始めている。




「涙が出るほど、思ってたように見えるけど?」




「なぜそう言えるの?」




「…泣いてるから」




男の言う通りだ…




おれ、なんで泣いてんの?




こんな悲しい思いはもう嫌だ…




臣…勝手にしろ。




もう俺は干渉なんてしない。




お互いに同じくらいに大切に思っていて、




なんでも語り合える存在だって信じてた俺が馬鹿なんだ。




お前がやりたいように生きるなら、




俺も好きにさせてもらう。




これで…楽になる。




今は顔も見たくない…




俺は涙を拭って、追加の酒を一気に飲み干した。




「マスター!おかわり…」




横にいる男はいまどんな顔で俺を見てるだろう?




隣に顔を向けた瞬間に再びグラっときた。





男の美しい影が歪んで見えた。






to be continued…