ヒップホップ隆盛の時代
世代的にはオルタナティブロック所謂ニルヴァーナやスマパン、またイギリスだとストーンローゼズやプライマルスクリームなどにハマっていた自分にとって、ヒップホップはあまり馴染みがない。唯一、聞いていたのは、ビースティボーイズぐらいなものだろうか。
ここ最近のアメリカでは、圧倒的にヒップホップの勢いがチャートを支配している。カナダのDRAKEが次々とチャート記録を打ち立て、その前年にはケンドリックラマーがグラミー賞のパフォーマンスで衝撃を与えていた。
最近のヒップホップのトラックはとても官能的でかつ、音数も少ない。おそらく根っこの部分のソウルの要素を前面に押し出しているのではないかと思う。ソウルミュージックは突き詰めると、ベースとリズムの音楽であり、この基本構成にリリックを乗せることで、聞く人にとっては、とてもクールに聞こえる。
現在の日本のチャートと海外のチャートには大きな開きがある。今年のフジロックはケンドリックラマーがヘッドライナーを務めたが、フジロックに行く洋楽好き、またヒップホップ好きな人以外で一体どれだけの認知度があるのだろうか。
さらに彼らは音楽の流通ルートを大きく変えてきている。基本はSpotifyなどの配信サービスからのリリース。もはやアルバムという概念も変わりつつあり、物販というルートは消えつつあるのが現状だ。
よくよく考えると大学時代は、レコード屋をブラブラするという時間の使い方が、かなり一般的にあった。大学の友人に会うと、とりあえずタワレコに行き視聴コーナーに行き、その後服屋に行って、酒を飲んで終了。今の20代のかたは絶対に行わない時間の使い方だった。
今だと、アップルミュージックかSpotifyで音楽を検索し、よっぽど良ければダウンロード、服屋はZOZO townで購入だ。
この10年で大きく音楽の流通システムは変わった。そこにはクールなトラックを作り、言いたい事を韻を踏みながら言い続けるヒップホップの自由なシステムとの大きな相関関係があるように思える。