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Love Me Detar.下書き公開‼︎

2018.08.18 14:47

僕が今執筆中の新作の下書きをここに落書きします。

第1話  「デター」




とある町外れの山道を奥へ奥へと進むと森林の中に『マーブル・バイオ科学研究所』という研究施設がある。


ある晩、研究所の一室。窓から月明かりが差しているだけの薄暗い部屋。人は誰もいない。

そこへ、カサカサと1匹のゴキブリが通気口から室内へと入って来た。

カサカサ カサカサ。

ゴキブリはデスクの上に素早く登って行く。

デスクの上には緑色をした謎の液体が入ったビーカーが置いてある。

ゴキブリはそのビーカーへと向かった。

そしてビーカーを登り内側に沿って中へと入ったゴキブリは緑の液体を少しずつ少しずつ口に含みゴクリと飲んだ。


その時突然、パッと部屋の中心部だけにスポットライトのように灯った。

部屋の周りには緑色の液体の中に様々な種類の昆虫がホルマリン漬けの様に中に入れられている。

ドアを開けて部屋の中に入って来たのは白衣を着た女性所員。

「大事な培養液、確かデスクの上に置いてたような。」どうやらデスクの上のビーカーを取りに来たようだ。

女性所員はデスクの上のビーカーを見るなり、黒光りしたゴキブリが中に入っているのを見た途端「きゃーー!!出たーーー!!!」と叫んだ。女性所員は両手で目を覆い隠している。

そして時、パリンッ!と言う音と共にガタンッ!バタッ!と言う何か大きな音がした。

女性所員は恐る恐る指の隙間からデスクの方を見ると。さっきまであったビーカーが割れて中の液体がガラスの破片と共に散乱している。

その後ふと下を見ると、そこには褐色の肌をした全裸の男が背中を向けて床に横たわっている。

女性所員は慌てて近寄り男の体を触ると体温は低い。右手の脈を測ると生命反応を確認出来た。

すると男の肩がピクッと動き「ゴホッ!ゴホッ!」と口から緑の液体を吐き出した。

そして男は意識を取り戻すと両手を両足を床に着けて四つん這いになると走り出した。

男はデスクの下を通ろうとデスクに向かって突進するが通れるはずもなくそのままデスクの引き出し辺りにガツンッ!と頭をぶつけてしまった。

女性所員は「大丈夫?」と声をかける。

すると男は痛がる素振りは無く、左右を見回し女性所員の方を見ると首を縦に深くうなずいた。

「あなたもしかして私の言ってる事が分かるの?」

すると男はもう一度深くうなずいた。

「あなたはさっきのビーカーに入ってたゴキブリよね?」

すると今度は首を大きく横に振った。

「もしかしてゴキブリって呼ばれるのが嫌なの?」

すると今度は縦に深くうなずいた。

「あなた私の言ってることが理解できてるの?凄いわね!分かったわ、それなら新しい名前を付けてあげなきゃね。そうねぇ。」

すると男は口を開けて何かを言おうとしている。

「デ・・・。デ・・・。デター。」

「あなた、言葉が喋れるの?今、デターって言ったわよね?どうしてデターなの?」

男は女性所員を指差した。

「えっ?わたし? そうか!さっき私が『出たー!』って叫んだから?分かったわ、あなたの事はデターって呼ぶわね。」

男はニコッと笑ってうなずいた。

「私の名前はアイ。よろしくねデター。」

「ア・・イ。」

デターは、そう言うとニコッと笑った。

「それよりもあなたそのままの姿じゃマズイわ!とりあえずこれ着て?」

アイは自分の白衣をデターに着せた。

白衣を着たデターは嬉しそうにしている。

「あのねデター。とりあえず他の所員にはあなたがゴキブリだって事は内緒ね!もしもそれが知られたらきっと・・・。」

デターは何度も深くうなずいた。

「ごめんね、人間は昔からゴキブリの事を害虫だと思ってるから。でもあなたの顔を見てたらそんな気持ちは無くなったわ。

だってあなたの顔・・・。

とにかく!あなたの事は私が守るから安心して!ね?」

デターはまたニコッと笑って深くうなずいた。

そうしてゴキブリだったデターはひょんな事から人間の姿になり人間として生活することになった。


アイは研究所の側にある寮で生活している。

デターはアイに左手を引かれながら彼女の家へと向かっていた。

「あなたには色々と聞きたい事があるの。

きっと私の研究の役に立つわ。

それにゴキブリ、あっごめん、デターの仲間たちも私たち人間の脅威から助けられるかもしれない。だからまずは人間と話し合う為にも私たちの言葉を覚える事から始めましょう。」

デターは慣れない二足歩行でぎこちなく歩きながら頭だけ深くうなずいた。

アイの家。玄関には床一面に山積みにされた無数の本が壁に沿って置かれている。部屋に入ると本棚にもビッシリ様々な種類の本が並べられている。

一見女性の部屋やしからぬ一室。

テレビやテーブルの上にはノートパソコンがありその他は本棚に占拠されている。

アイは本棚から何冊かの本を取り出しテーブルの上に置いた。

デターと隣になるように椅子に座る。

アイは右手にペンを持ちノートに文字を書き始めた。

デターにもペンを持たせて同じように書かせる。デターは見よう見まねでペンを走らせる。」

「やっぱり!デターは学習能力がとても高いのね!さっき私が言った言葉を聞いて喋った時、もしかしたらって思ったの。」

デターはニコッと笑った。

デターはアイから人間として生きる為に必要な事を全て学び理解していく。文字や言葉は凄まじい勢いで覚えていった。本だけで無くテレビやネット動画からの情報もその勢いに拍車をかけていた。

デターは、アイが研究所で勤務している間、本やテレビやネット動画などを見て勉強していた。

言葉の使い方や話し方やイントネーションなど、着実に上達していった。

ある日のこと、デターはいつもの様に膨大な量の本の中から1冊のアルバムを見つけた。

おもむろにアルバムを開けると、1ページ目に誰かの家族写真。よく見るとアイが写っていてその隣には背が高く色白でハンサムな顔立ちの男性が写っている。

デターは鏡に映る自分と見比べた。すると褐色肌を除くとその男性と全く瓜二つな顔をしている。

「よく似てるなぁ。」と思ったデターはアイが帰宅したら聞いてみることにした。

そして次のページをめくると、一枚の手紙が床に落ちた。それを拾い内容を読むとデターは目を見開いた。「これは、なんて事だ!」

そしてアイが帰宅し、デターはアルバムの男性の事と手紙の事を聞いてみた。

「アルバムとその手紙を見たのね。あなたには全てを話すわ。その人は私の兄よ。」

なんと写真の男性はアイの兄なのだと言う。

兄は子供の頃から成績優秀で頭脳明晰、武術やスポーツにも長けていてまさに文武両道だった。職業はエリート銀行員だった。アイは兄の事が大好きだった。たが2年前に不慮の事故で亡くなったのだ。

そんな時にこの研究所で現在行われている研究内容がアイの耳に入った。

それは「Humanized Incepts Project. (昆虫類 人化計画)」というもの。

この世を去った人の髪の毛や皮膚の粘膜などを一部採取し科学的に培養液を作り、その中に生きたままの昆虫をホルマリン漬けにする事で昆虫を人へと変化させるというもの。昆虫と人間を掛け合わせたクローンを作るのだ。その目的は昆虫の持つ能力を活かして人間の姿にする事により、ロボットに変わる新たな労働力として使用する為の国家機密プロジェクトだという。

だが未だその研究は実験段階でどの種類の昆虫を使って実験しても人型に成長しきれず死んでしまい失敗が続いていた。

国は莫大な資金を投じてこの研究を進めているため結果に結び付いていない事に焦りを示している。

そんな時にアイが独自に調合した培養液をデターが飲んだ事で偶然にも『ゴキブリの人化』に成功したのだ。

これまでの実験では有益中のみを使用していたのだが害虫は使用していなかったという。


そしてアイは続けてデターに話した。

「私の兄の名前はね、『メデル』っていうの。名前の由来は『努力の種は必ず報われ芽出る、そしていつかそれは花開きその美しさを愛でるべき価値がある』兄はその名前の通り努力の人だったわ。周りからは天才扱いされてたけど、決してそうじゃなかった。見えない所で努力を怠らない人だったのよ。

だからデター、あなたはデターであり、私の大好きな兄メデルでもあるの。」

「ボクはデターであり、アイの兄メデルでもある。」

「そうなの。とても上手に言葉にして話せる様になったから本当の事を話したの。あなたの中は兄の細胞が生きてるから。」

「ボクの体にはメデルの細胞が生きている。」

「そうよ。だからあなたはもう私の家族なのよ?弟ってとこかしら。だから私の事はお姉ちゃんって呼んでね。

あと名前もデターとメデルで『メデタ』なかなかカッコ良いわね!」

「家族・・・。僕の名前は『メデタ』・・・。

なんだかメデタイ名前ですね。とても気に入りました。」

「あはは!メデタったら!ダジャレまで言えるようになったの?凄すぎ!確かにオメデタイわね!今日は6月4日。名前が決まった今日があなたの誕生記念日ね!おめでとう!」

「ありがとう!僕、嬉しいです。」

「そうよ、それが幸せって言う感情なの。よく覚えておいてね。」

「はい。分かりました。」

「そうだ、この後マーブル博士にメデタを弟として紹介しようと思うんだけど良いでしょ?」

「マーブル博士?」

「マーブル博士はこの研究所の所長で今行われている研究の最高責任者もされてる方なで昆虫と植物の権威なの。」

「分かった。博士と会う前にアイに話があるんだ。」

メデタはそう言うと、神妙な面持ちでアイに話始めた。

第1話を最後まで読んで頂きありがとうございました。

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