5年間で6万人
新型出生前診断が始まって5年間で6万人近くが受けています。
専門家はそれ以上多いとも言われています。
やはり、「必要性」があると多くの妊婦さんが思っているということです。
「受けたい」その希望する気持ちは、尊重されなければならないと思うのです。
私たち人間には、欲望というものがあって、
それが食欲であったり、性欲だったりします。
新型出生前診断を受けたいという欲も、人間が持つ人間らしい感情だと思うのです。
ただ、食欲が強すぎるとそれは肥満となり、生活習慣病を引き起こします。
また、性欲が強すぎれば、性犯罪につながります。
新型出生前診断もそうで、欲が強くなりすぎてしまうと、全ての染色体異常を調べたり、学会が指定していない検査項目外も受けたいと思うようになります。
そうした余剰な欲が、障がいを持つということに対する差別意識に繋がるのです。
これが問題であって、おなかの子どもの情報をただ知りたい。
高齢出産に限らず、お腹の子どもが正常に育っているかどうか知りたいと思うのが普通では無いでしょうか?
その知りたいという欲を満たすために新型出生前診断があって、それは不安を抱える妊婦さん、夫婦にとって必要なものなのです。
知ることは大切ですが、知り過ぎてしまうことで返って選択の困難を抱えると思うのです。
3つの染色体に限らず、全染色体の検査ができるところもあります。
ただ、今の遺伝子治療の段階で、全染色体を知ったとしても治療することは出来ませんし、中には流産に至る染色体異常もあります。
やはり、その夫婦、妊婦さんに合った情報量でなければ、正しい選択はできないと思うのです。
選択的中絶が促されていると言われますが、例えば、強姦などの性犯罪や望まない妊娠をして心を傷つけてしまった女性も、選択的中絶を選択するのでは無いでしょうか?
ですから、私たちは選択的中絶をすることに対して批判するのではなく、
その原因に対して議論を重ねる必要があるのです。
新型出生前診断を受けて選択的中絶をした妊婦、夫婦のほとんどは苦渋の選択だったと言えます。
その苦渋の選択を、私たちは頭ごなしに批判することはできないと思うのです。
5年間で6万人近く、この検査を受けています。
自費であり、高額なこの検査が普及し始めていることは安易な考え、気持ちで受けている妊婦さん、夫婦はほとんどいないと思うのです。
やはり、我が子だからこそ、自費でも多少費用がかさんでも「やってあげたい」
そう思うものです。
今の妊婦さんや夫婦は、新しい命を授かることを昔より楽しんでいるようにも見えます。
今では、ご主人が子育てに協力して、家族で楽しく生活を営んでいます。
昔は、男は家の事はしないで良い時代でしたが、今は共働きも増えて、協力することが大切になっています。
こうした生活スタイルの変化、倫理観の変化によっね新型出生前診断の必要性が高まっているのだと思うのです。
新型出生前診断を否定する事は、私たちの生活スタイルや倫理観自体を否定することになりかねません。
やはり、大切なのは「受けたい」その気持ちは、常にお腹の子どものために向かっておく必要があるのです。