美術館巡り
やっと時間ができたので、この夏福井市内で開催されてる展覧会に行って来ました。
まずは、福井県立美術館で開催中の「ピカソ」。
ピカソといえば赤の時代や青の時代、キュービズムの油彩が有名ですが、版画や陶器、挿絵など幅広い膨大な数の作品を残してます。
版画を中心に展示された作品展で、ピカソが愛した幾人かの女性、故郷スペイン、宗教、尊敬する画家など、色々なテーマの版画が展示されてます。
版画技法の違いがわかる面白い作品展となっていて、特に、木版画に近い「リノリウム」の作品は、製作スピードが速かったピカソが好んだ技法で、色鮮やかで版画らしいステキな作品ばかりでした。
そして、ピカソ鑑賞に続きアートラボ福井で開催されてる「歌川広重展」にも足を運びました。
この作品展の目玉は、なんと言っても「東海道五拾三次」が全て初摺で揃ってるということ。
浮世絵などの版画は、絵師の下絵を桜の木版に貼り、それを彫り師が彫り、次に摺り師が多色摺りしていきましすが、版の素材が木なので摺っているうちにどうしても版が劣化していきます。なので最初の200枚程度は「初摺」と言われ、線、色が鮮やかで価値が高く貴重な作品となります。また、間違いが校正されてないものもあり面白さもあります。
この作品展では、初摺と後摺、初摺と復刻を比較展示されてるので、その鮮やかさの違いや線の強さ、復刻での違いが見て取れ面白かったです。
「東海道五拾三次」は、旅行に行けなかった頃の観光パンフや絵葉書のような物で、いわば観光案内ツールとも言え、地域の特色、人々の暮らしや道中が繊細に描かれていて見入ってしまいます。
また、その平面的で鮮やかな色彩や描写方法はグラフィカルで、現代のアートにも共通し表現の勉強になりました。
二つの作品展を梯子しての芸術鑑賞の一日でした。
ところで、写真の美術館の設計は黒川紀章。
どこか似てませんか?
そうです、東京の「新国立美術館」も黒川紀章の設計で、ウェーブを描くガラスウォールの外観が似ています。
恐竜博物館も同じ黒川紀章設計。
福井にもいい建築物が沢山あるので、今度は建築巡りでもしようかなと考えてます。