東京ゾンビ
東京ゾンビ
2005年12月6日 明治安田生命ホールにて(試写会)
(2005年:日本:103分:監督 佐藤佐吉)
この映画の凄いところ・・・それは、今の日本映画には欠かせない存在の哀川翔と浅野忠信が主演ってことです。
今まで共演したことのなかった2人の組み合わせ、だけでもう魅力的。まさにミラクル・キャスト。この2人の共演の有難味がわかるかどうかで、まず、この映画が楽しめるかの第一段階ですね。
しかも浅野君、アフロヘアー、翔さん、ハゲヅラという・・・・今まで翔さんにかぶりものをさせたのは、三池崇監督だけだというのに・・・・
この浅野くん(フジオ)と翔さん(ミツオ)の2人組のコントのやりとりのような会話の連続が、可笑しい。会話のテンポが楽しめるか・・・で第二段階。
近未来の日本。ゴミ捨て場は巨大になり黒富士と呼ばれる、東京のどんなビルよりも高くそびえるゴミの山になってしまっている。(タイの映画『シチズン・ドッグ』のペット・ボトルの山のブラックバージョンですね)
所が、ここはゴミだけでなく、死んだ人を放棄する場にもなってしまっている・・・・そんなことにお構いなく、フジオとミツオは、柔術の訓練をしている。「みっちゃ~ん、できないよぅ」「なにいってんだよ、柔術は甘くないんだぞ」「みっちゃ~~ん、プロレスとかやろうよぉ~」「なに言ってんだ、柔術が一番だぞ」・・・・・ひたすら柔術をごろごろやってる2人。ユルユル~~~~
ところが、放棄された死者たちが、生き返りゾンビとなって人間を襲いだした!といっても白昼堂々、うろ~うろ~とするゾンビさんたちです。
でもゾンビに噛まれるとゾンビになってしまうのだ。
「みっちゃ~~~ん」「おめぇ、早く逃げろよ」とまた、ユルユルと逃げる2人。さてその先にあるのは?
もう、浅野君の「みっちゃ~~~ん」という甘えた声と、なんでぇなんでぇと啖呵切る翔さんのコンビの会話がとても楽しい。
みっちゃんは、男だったら、北に行って、ロシアに行って、柔術を磨くべきだと言う。しかし、みっちゃん、ゾンビに噛まれて・・・
1人になったフジオは、ひょんなことから道連れになった女の子と一緒に暮らす。そして柔術で、ゾンビを倒す格闘家になります。
ゾンビから生き残った金持ち達の娯楽は、ゾンビ対人間の格闘技を観戦すること。ファイトマネーしか収入のないフジオ。
というとんでもない展開を見せるのですが、もう、全体的に明るくて、とぼけていて、ゆるゆる~~~~。
私はこのゆるゆる笑いにくすくす笑ってしまったのですが・・・フジオは、自分の意見をはっきりと言えず、「一応・・・・」とよく言うのを、「一応はやめろ~~~」っていうのが可笑しかったです。あと、みっちゃんが、フジオへの友情を恥ずかしいので歌にしてみました、というくだりが好きです。さだまさしみたいで・・・笑ってしまうのです。
なんだかユルユルですけれど、ブラックな笑いが満ちている所と、ゾンビが全然怖くないのがとても良かったです。