イン・ハー・シューズ
イン・ハー・シューズ
In Her Shoes
2005年11月9日 有楽町朝日ホールにて(試写会)
(2005年:アメリカ:141分:監督 カーティス・ハンソン)
トニ・コレットとキャメロン・ディアズが姉妹という事ですが、この2人実は同じ年なのだそうです。
優秀だが地味な姉と、お騒がせ者だけど派手で美人な妹と、価値観の全く違う姉妹。
私も2人姉妹の妹で、この映画でも洋服や靴を妹が勝手に着てしまうのに、怒りまくる姉、というのが出てきますが、私の場合は逆で、姉がストッキングなど私の所から、当然のように持っていくので、派手に喧嘩したことがあります。
これが異性の兄弟だったら、また、3人以上の姉妹だったら、また話は別なんでしょうけれど、姉妹というのは、会っていなくても常に顔をつきあわせているような存在です。そこら辺がとてもよくわかるようになっていました。
キャメロン妹は、無職、無収入、住所不定。ふらふら遊んでばかりいて、下手すると金をくすねたりするのが当然。だからトニ姉の所に来れば、勝手に洋服は着てしまうし、靴はサイズが同じだからといって、ばりばりはきつぶす。本当に嫌な妹だなぁ。
弁護士をしているバリバリの社会人のトニ姉は、靴を履くためではなく、集めるのが趣味で、色々なデザインの靴を買うのが自分へのささやかなご褒美です。
そんな気持ちがわからない妹っていうのもね。結局、キャメロン妹は、音信不通だった祖母(シャーリーン・マクレーン)の住む老人ホームに転がりこむ訳ですが、この祖母のしたたかぶりっていうのもさすが、シャーリー・マクレーン。
姉は、妹を「怒る」のだけれど、祖母は妹を「叱る」のです。
怒ると叱るは実は違う訳で、そこら辺で、キャメロン妹が少しずつ成長するという描き方が良かったです。
キャメロン妹が仕事をしないのは、怠けている訳ではなく理由があるのですが、目に見えてわかる理由ではないところ、キャメロン・ディアスのちょっと軽そうなケロケロ娘が、時々本当に傷ついて戸惑う表情が良かったです。
仲の良い時はとことん仲いいけれど、喧嘩するとこの世の天敵のような存在になる姉妹のあり方が一番身につまされました、この映画。