犬猫
犬猫
2005年11月17日 DVDにて
(2004年:日本:94分:監督 井口奈己)
これは一回、8ミリで作られた映画のリメイクとでもいいましょうか・・・
とてもささやかな女の子の意地の張り合いがとても自然で可愛らしく、静かだけれども共感が胸にわく映画です。
犬や猫がメインの映画ではないのですが、犬と猫がポイントとして使われていて、ひょんなことから共同生活を始めた幼なじみの女の子2人(ユーコ(榎本加奈子)とスズ(藤田陽子)が、どちらも犬っぽく、猫っぽく・・・そして決して同じ仲間ではない犬と猫のような関係という上手い、洒落たタイトルだと思います。
音楽はほとんど使われず、会話もはきはき、というよりも本当に普通にしゃべっている女の子。しかしこの2人のたたずまいが、仲良し女の子2人という男性から見た理想的な、目の保養的な描き方は全くしていません。
2人はどちらかというと、ライバル意識の方が強いのです。でも暮らしていく内に、会話もあるし、お互い助け合う事も出来る。
でも、2人の根底にあるのはライバル意識。そんなささやかな意地の張り合いがぎすぎすしていなくてむしろとても微笑ましい。
その2人の間にいるのが、古田(西島秀俊)。最初はヨーコとつきあっていたけれど、スズと同棲を始めてしまう。
しかし、スズは古田の所から飛び出してしまう・・・そこの冒頭の部分が、喧嘩する訳でなく同棲している2人のさりげない会話を通して、スズが古田に愛想をつかすのがよくわかるようになっています。
しかし、あくまでもこの透明で、静かで、優しい、意地っ張り・・・という雰囲気がとてもいいのですね。
ぶっきらぼうな榎本加奈子と、家庭的で気さくな藤田陽子と・・・この2人のたたずまいがとても可愛いし、また、本当の女の子らしいと思います。