「極小農園日記」/荻原浩【成功したいならトライ&エラー&トライ】
失敗しても挑戦し続ける好き力がスゴイ!
「極小農園日記」/荻原浩
荻原浩さんの初のエッセイが発行された。
タイトルは、「極小農園日記」。
荻原さんが趣味の家庭菜園について綴っているということでこれは読みたいとずっと思っていた。
でも、ハードカバーかぁ・・・という思いも。(お高いから・・・)
ちなみに発行は2018年3月。。。
今は2018年8月。
結構迷ったな。
これだけ迷って購入のきっかけになったのはこの夏はまったラノベ「おいしいベランダ」を読んだこと。
作物を自分の手で育てるロマンを思い出し、荻原さんがどんな菜園を作っているのか、知らずにはいられない!と思った。
「極小農園日記」は1~4章で構成されていて、家庭菜園について書かれているのは1と4章。
1章は2008年の10月から3月に隔週で毎日新聞に連載したものだそう。
秋から冬にかけて家庭菜園を語るのはナイターオフシーズンに野球番組を立ち上げるようなタイミング。
だから、地味な部分が際立ってるんだけど、荻原さんがそこに文句というか突っ込みをいれているのが面白い。
とにかく頭の回転の早い文章で、(テンポが良いというのかな)感想を先回りされて荻原さんの突っ込みが入るのがとても面白い。
虫に襲われたり日照不足だったりでなかなか上手く育たない苦労話を読んで、もっと知りたいと思ったタイミングて1章は終了!
えー!と思いながら目次を見たら、4章に極小農園日記part2とある。
これは2017年に加筆されている。
概ね、失敗談が多いのだけど、その時の心理描写が最高!
荻原さんのユーモアがある上にシニカルな短編が大好きだけどエッセイもその雰囲気が満載で、電車で読んでたのに何度も『ははっ』って声を出して笑ってしまった。
さらに、オモシロだけで終わらず、間引きや、ミツバチの消失を語りながら、地球環境のことに思いをはせて、私たちの生活が生物界の大きな流れの中にあることに気づかせてくれるパワーもある。
そしてそして、もともとは家庭菜園について読みたくて手に取った作品だったけど、菜園話ではない話が綴られた2章と3章も凄く面白い!
萩原(ハギワラ)さんに間違えられるエピソードで笑わされ、
遅読家エピソードから、きちんと知ろうとする大切さを学び、
(受験の英語で、単語が分からない中で意味を想像して問題を解いていたように読み飛ばして読書している自分を反省)
小説家になったきっかけになるほどとうなずき、
息子と共にあった高校野球のエピソードや、お友達やお父さんを亡くした話に涙。
一つ一つが濃い!!!
もともとコピーライターだったから・・・とくくられると、荻原さんが不本意かもしれないけれど、そもそも1項ごとのタイトルだけでも、秀逸!
ハードカバーだけど買ってよかった!
これは絶対保存版!
さて、話は、菜園に戻ると、、、
私にも、荻原さんが見舞われたうどん粉病やアブラムシと戦って負けた経験があるので、『なんだ!やはり家庭菜園好きで上手くいかないのは私だけじなかったんだ!』と思えて・・・
全然上手くやれないのは分かりつつもう、始めずにはいられなかった!
ひとまずリスクの少なそうな方法で。
しかし、荻原さんも書いているのだけど菜園日記的なものをリアルタイムでつけると、枯れたあと”更新なし→フェイドアウト”になるので(痛いほど経験済み。こんな思いを好きな作家さんと分かりあえそうで嬉しい!)
もし上手く行ったらここに書くことにしよう。
もし上手く行ったら。。。
30日後!
ムフフ。