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人工妊娠中絶

2018.08.20 09:54

自著、新型出生前診断の全てが分かる本から、「人工妊娠中絶の手術について」こちらでシェアしておきます。


本来は、有料でしか読めませんが、

新型出生前診断を受けるにあたって、検査が陰性だった方や、陽性でも産む決断をした方しかメディアでは取り上げられていません。


そのため、人工妊娠中絶についての知識が少ないと思いますので、こちらで情報を得てもらえればと思い無料でアップします。


※これから、書籍内の文章をそのままアップしています。


日本での妊娠初期の中絶の方法を山村先生に聞いてみました。


「一般的な薬物を使用しない中絶の場合ですが、当日は食事を抜いて来ていただいて、外来で行います。


手術前の検査等もあらかじめ済ませて、貧血とか、心臓等に異常がないかどうか、麻酔の関係なのですが、それらを調べて、そして患者さんの子宮の出口のところに、一般的にラミナリアというものを挿入します。


ラミナリアというのは、水分を吸って拡張するものなのですが、ちょっと小指の先を細くしたような棒状の乾燥したものを入れると、水分を吸って、だいたい2時間ぐらいでキレイに膨らんできます。


そうすると、自然に、患者さんに苦痛を与えないで子宮頸管(しきゅうけいかん)が開いていきます。


そのあと、麻酔をかけてラミナリアを抜いて、そして子宮の中の掻爬(そうは)術というものを行います。


妊娠した子宮はとても柔らかいので、手術前に、子宮内腔の長さを図るゾンデというものを使って、内腔を測る操作をする時に、誤って子宮の壁を傷付けてしまうことがあります。


ですから、慎重にゆっくりと子宮頚管の拡張を確認して、十分に拡張していなければへガールというものを使って、子宮の出口をもう少し拡張して、そして子宮の内腔から中にある内容物を掻爬して取り出します。


子宮の内腔の掻爬術が完了した後、出血が特に多くない事を確認して、そしてそのあと2,3時間休んでもらい、帰宅前にもう一度出血の有無を確認して、落ち着いておられたら、その日に帰って行くとそういう形になります。


麻酔はいろんな形でします。


腰椎麻酔、または静脈麻酔があります。


ただし腰椎麻酔は外来での手術には向きません。


外来で処置をする場合、麻酔が効いている時間はだいたい20分前後くらいまで、そして覚醒も非常に早い静脈麻酔で行います。


NLA変法という言い方の静脈麻酔を使って、処置をしております。


その後、母体保護法の法律に基づいて、届出の書類の作成をするわけです。


そこには、中絶をすることに至った理由を書くところがあります。


この理由のところに、ほとんどの先生は、経済的な理由というところに丸をつけているようです。」


優生保護法の14条には、

1.本人または配偶者が精神病、精神薄弱、精神病質、遺伝性疾患または遺伝性の既往を有する場合


2.本人または配偶者の4親等以内の血族関係にあたるものが、精神病、精神薄弱、精神病質、遺伝性疾患または遺伝性の既往を有する場合


3.本人または配偶者が、大疾患、ハンセン病に罹っている者


昭和23年に優生保護法が制定された時点では、中絶を認められていました。


これらの中には、病気と遺伝との関係にあからさまな誤解や偏見に基づく項目が混ざっています。


障害者であれば、このように産まれてこないように抹殺するべきであると言った差別的考えを助長する文章として考えられるわけですが、当然のことながら、障害者団体からの反発が根強く存在していました。


法改正により、これらは削除されました。


暴行もしくは、脅迫によって、または抵抗することが難しかった、あるいは拒絶することができない間に妊娠したもの、要は希望しない妊娠が起こったものということに関したことも手術適応に伴っているのだけれども、現実的に実証することはなかなか難しいわけです。


中絶を行ったほとんどの患者さんは経済的な理由により中絶を受けられています。


この届出用紙は、氏名を書く必要はありません。


統計的データとして処理されるようです。


“ 経済的な理由 ” で中絶されているのも事実ですが、真の理由ではないこともあるようです。

山村先生の話の続きがあります。


「以前は、ピル等の避妊薬が行き渡っていなかった。


避妊リングというものもありますが、避妊リングの場合は、100%の避妊効果ではありません。


それから数年ごとに取り替えないといけないということもあって、臨床の現場では中絶が非常に数多くなされていました。


私自身、10年前までは、1日に1件平均の妊娠中絶を行っていた時期もありました。


ただ、年齢が増すと同時に、外来も多忙を極めますので、ゆっくりと手術をしてあげるということもできなくなってしまい、周囲から中絶をしない医者だということになり、外来での中絶を希望する人が少なくなったのも事実です。」

また、日本の過去の歴史の中で、中絶が産婦人科のドクターの収益に結びついている。


という時代が確かに一時期あったと思います。


一部の野放しになっている中絶行為に対しては何も批判はなく、NIPTというものが、+(陽性)に出たのに、中絶をするな。


というようにして考えるのは、ある意味病気をもった赤ちゃんのお母さんは心理的な圧迫を受けるのではないでしょうか。


NIPTで+だったから、それを理由に中絶をするな。


というように社会的な圧力が患者さんたちに及ぶとすると、それはまたとんでもないことになるわけです。


お母さん、お父さんの気持ちを考えると、NIPTが+だったので、中絶行為を行う決断をした場合でも非難しがたい状況なのです。


渋々と中絶に及ばざるを得ないという考え方に至るとしても、これもまた非難できるものでもないのです。


また、しっかりお産をしてください。


頑張ってお産に持っていきましょう。


というような進め方を医師の立場として、今の社会では難しい状況に思えてならないのです。


continue.

現在ではネットやTVでもNIPT検査による情報を調べることができ、産婦人科以外の医療機関でNIPT検査を受検される方も増えています。

いわゆる産婦人科学会の認可を受けている医療機関では、35歳以上または遺伝子異常の人がいる、夫婦でのカウンセリングが必要など条件のハードルが高く、受検したいと調べても時間のみが経ってしまい、タイミングを逃すこともあるようです。

一方、そのほかの医療機関では希望されるタイミングで受検出来ているようです。

また産婦人科学会の認可を受けている医療機関ほどNIPT検査に対する詳細な説明はないようですが、受検者が検査内容を理解した上で提供しており、陽性の結果が出てもフォローできる体制が整っているようです。

中でも「東京エバーグリーンクリニック」は妊娠前・着床前(不妊に関する検査)・出産前の検査・研究を行う生殖医学では最先端で検査実績もある検査会社に依頼しており、信頼できると思います。

このクリニックは受検日も多く設けており説明・問診・採血を個別に受けられます。

また、広島県、愛知県、大阪府など7か所の提携クリニック(H30.9から9か所)で受検できるので、他の医療機関よりも予約しやすいのではないかと思います。

【東京エバーグリーンクリニック】

TEL: 03-6281-9527 (専用回線)

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