たより14 調味料 塩について
調味料の中で、最も大切なのが塩です。
「米塩の資」とも言われるように塩は米とともに欠かせないものです。
しかし、最近は「減塩」という言葉をよく耳にしますね。
~なぜ「減塩」がいいと言われるのでしょうか?~
それは塩の中のミネラルバランスの違いに原因があります。
塩の成分のうち一番多いものがナトリウム、その他は複数のミネラル、水が含まれていますが、原料、製造工程により、その割合は変わってきます。
①体にとって良くない塩・・・化学工業的な製法で作られたものやナトリウム以外の
ミネラルが少ない塩、加工食品に含まれている食塩
②体にとって良い塩・・・・・伝統製法で作られたものやナトリウム以外のミネラルが
バランスよく含まれている塩
現在の日本人は加工食品から塩分を摂ることが多く、その加工食品に使用されている塩は、ほとんど①です。
また、外食、総菜は、味付けが濃い場合が多いので、外食、総菜、加工食品を摂る機会が多い方は、体にとって良くない塩をたくさん摂っていることになり、健康を害する原因になります。
ミネラルというのは人体にとって欠かせない微量栄養素であり、バランスよく摂取することが大切です。
大事なのは
①体にとって良い塩を使って料理すること。
②外食、総菜、加工食品の摂取をできるだけ減らすこと。
栄養学的にも体にとって良い塩を摂ることが見直されてきています。
毎日体に入ってくるものなので、大切に考えていきましょう。
~どんな塩を選べばいいのでしょうか?~
塩は、精製度の違いにより高純度なものから低純度なものまであります。
純度が高い精製塩はナトリウムと塩素でほぼ出来ているため、ナトリウム以外のミネラルが少なくなっており食用に適しません。
逆に純度が低すぎるとナトリウム以外のミネラルが多すぎて食用に適しません。
中純度から低純度くらいが食用に適しています。
とは言っても、現在さまざまな塩が販売されているのでどれを買ってよいのかわかりにくいと思います。
下記のおすすめの塩を参考にしてください。
【おすすめの塩】
・国産塩
・原料・・・海水
・製法・・・下記のいずれかあるいは組み合わせて書いてあるもの
天日・平釜法、平釜法、天日法(国産)、噴霧乾燥法、
加熱ドラム法、焼成
~どのくらい塩をとればよいのでしょうか?~
どのくらい塩を摂ればよいのかというのは、人それぞれです。
同じ塩おにぎりを食べても、ある人はちょっと塩辛いなと思い、ある人は塩が足りないなと思ったりします。自分にとっての塩梅(あんばい)というのがあるのです。
それは、生まれた土地、体質などによっても変わってきます。
ミネラルの中のナトリウムとカリウムに着目して考えてみます。
体の中で、ナトリウムは細胞外、カリウムは細胞内において一定の濃度に保持することで細胞の浸透圧を維持しています。
そして、カリウムは余分なナトリウムを排泄する働きがあります。
つまり、ナトリウムとカリウムのバランスが重要なのです。
カリウム系とナトリウム系としてこれを陰陽に置き換えると下記のようになり、代表的なものとして( )のものと覚えておくとわかりやすいです。
カリウム系・・・陰性(植物性食品)
ナトリウム系・・陽性(塩、動物性食品)
生まれ育った土地が海に近い場合・・・体にナトリウム分が多いので、塩分を控えめにし、
植物性食品をしっかり摂ること。
生まれ育った土地が山に近い場合・・・体にカリウム分が多いので、塩分を多めにしたり、
動物性食品を適宜摂ること。
動物性食品の摂取が多い方の場合・・・ナトリウム分が多いので、塩分を控えめにし、
植物性食品をしっかり摂ること。
植物性食品の摂取が多い方の場合・・・カリウム分が多いので、塩分を多めにすること。
これ以外にも、寒い地域や季節、暑い地域や季節、陰性体質の人、陽性体質の人などにより塩分の摂り方は変わってきます。
~塩についての知識~
<代表的な原材料について>
①海水・・・海水から生産
②海塩・・・国産のイオン立釜法や天日塩を原料としている。
天日法の場合「天日海塩」「天日塩」と表示することが認められているが、
輸入天日塩を原料に日本で再製したもの。
③岩塩・・・日本にはなく外国産である。高純度な塩。
採掘して粉砕する方法、岩塩層に水を注入して溶解した塩水を釜炊きする
方法がある。
岩塩層になっている時点で、ミネラル別に層状になっており、ナトリウムの
部分を取り出すので高純度な塩になる。
色がついたものもあるが体に吸収されないので栄養価値はない。
④湖塩・・・日本にはなく外国産である。
塩湖から採掘して粉砕する方法、湖水を天日で濃縮する方法があり、
天日法の場合「天日湖塩」と表示することが認められている。
<代表的な製塩法について>
日本の製塩方法の多くは2工程という特徴があります。
1工程目:海水を濃縮する工程(採鹹)
2工程目:釜で煮詰めて塩を結晶化する工程(煎ごう)
【1工程目:採鹹の種類】(あまり古い時代の説明は省略します)
①揚浜式塩田(天日)・・・海水をくみ上げて塩浜(塩田)にまき天日で蒸発させる。
②入浜式塩田(天日)・・・満潮時に海水を塩浜(塩田)に導き天日で蒸発させる。
③流下式塩田(天日)・・・海水を横に流して太陽熱で蒸発(流下盤)させてから、
縦に流して風力で蒸発(枝条架)させる。
④逆浸透膜・・・圧力をかけて真水をろ過し濃縮する。
⑤イオン膜・・・電力を使って塩分を膜でこす。
①②は伝統的な製法で③④⑤は比較的新しい製法です。
④⑤は微量ミネラルが除去されてしまうことがあります。
【2工程目:煎ごうの種類】(あまい古い時代の説明は省略します)
①平釜・・・密閉されていない釜を用いて加熱蒸発する。
②立釜・・・真空蒸発缶を用いて加熱蒸発する。
日本は、一度伝統的な製塩法が法律により廃止され、大量生産ができるイオン膜・立釜法が確立されたため、現在もイオン膜・立釜法で作られた塩が大半を占めています。
【その他の工程の種類】
①天日法・・・上記のように1工程目に天日で蒸発させるものと違い、
最初から最後まで天日で蒸発させる方法。
天日塩と呼ばれるもので、日本に輸入されたものの多くがこの天日塩で
ある。泥や砂が混じっていることが多い。
日本にも温室式のものがある。
1程目で天日、2工程目で釜で炊くもの・・・「天日」
最初から最後まで天日で蒸発させるもの・・・「天日塩」
②噴霧乾燥・・・海水を噴霧して乾燥する。
③加熱ドラム・・・ドラムに吹き付けて乾燥する。
④浸漬・・・藻塩の製法。海藻に海水をかけて天日に干していた昔の方法と違って、
現在は海水や塩水に海藻を浸漬してエキスを抽出している。
⑤溶解・・・輸入塩は汚いので溶解して不純物を取り除いてから国内で加工したもの、
あるいは岩塩の工程。
⑥採掘・・・岩塩や湖塩を掘り出す。
【その他の加工】
①乾燥・・・乾燥させてさらさらにする。
②粉砕・・・天日塩、岩塩、湖塩などを細かくする。
③焼成・・・塩を焼く。焼塩を呼ばれるもの。湿気にくくなり味も少し変わる。
竹に詰めて焼く竹塩というものもある。
④混合・・・ほかの塩と混ぜたり、添加物が入っているもの。
⑤洗浄・・・塩に混じっている異物、不純物を洗い流すこと。
にがり分が少なくなることがある。
⑥造粒・・・使用目的に応じて、塩を成形すること。