ライフプラン支援制度についての要請書提出について
職員の皆様、お疲れ様です。
私たち、北里大学病院労働組合準備会は、ライフプラン支援制度に係る要請書を法人及び病院当局に対して提出いたしました。
選択制確定拠出年金制度については、メリット・デメリットがあります。
現時点について法人や病院からの本制度の導入やメリットやデメリット及び給与規程変更についての説明に不足があると考えています。
以下、要請書内容となります。
法人及び病院からの回答結果については、別途ホームページ上にて報告いたします。
2018年7月、院内イントラネットにて、法人本部人事部より同年10月からのライフプラン支援制度の導入と導入セミナー実施について周知がされました。
内容については、以下の記載のみでした。
1
①「背景」として「公的年金のスリム化」と「確定拠出年金(DC)の普及」
②ライフプラン支援制度の主な仕組みと特徴
2 企業型確定拠出年金制度説明会開催日程
(金融機関による説明会とのこと)
1②について、「基本給は減額となりますが、基本給をベースとして計算しているものは、従来通りの給与額で計算します。(時間外手当・退職金・賞与等)」と記載されています。現在の基本給の内、2.75万円については「ライフプラン支援金」という名称となり、ライフプラン支援制度について「希望しない方は、これまで通り給与(ライフプラン手当)として受け取ります(コース⑧)」としています。
そのため、ライフプラン支援金を運用せず全額を受け取る場合は、その2.75万円については基本給とは性質を異とする「ライフプラン手当」となります。
例えば、現在の大学卒看護師の初任給(基本給)は、208,000円です。この場合、基本給の内2.75万円はライフプラン支援金となり、新基本給は180,500円となります。
そのため、基本給が実質上減額されているといえます。
厚生労働者は、「給与や賞与の減額については、給与規程の問題である」と回答しています。
労働契約法第3条において、「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとする。」と定められており、同法第8条においても、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と定められています。
つまり、労働者と使用者の間で合意が成立しない限り、労働条件を不利益に変更することはできないものです。
職員の基本給は、雇用契約で使用者と労働者が同意して決定したものであるため、使用者側の都合で一方的に金額を変更することができず、基本給を減額し、その分を手当として新たに導入し、プラスマイナスゼロにする場合も同様です。
そもそも、新たな手当を導入するということは、病院における賃金制度を変更することであるため、就業規則の一部である給与規程を変更する必要があります。
しかしながら、現段階において、病院側からの十分な説明はなく、雇用契約変更の同意書やライフプラン支援金等の定義などの新給与規程の存在は確認できません。また仮に存在したとしても周知がされていません。
新給与規程において、新基本給とライフプラン手当を含めて残業代や賞与等の計算を行うということを明確に定めている必要があると考えます。
自身の給与の2.75万円を運用したくない職員は、コース⑧を選択すると考えられます。そのため、ライフプラン支援金受取申出書にコース⑧と記載した場合、給与の内の2.75万円についてライフプラン支援金のライフプラン手当へ変更することについて同意したこととなります。
当然ですが、私たち北里大学病院労働組合準備会は、法人及び病院より新給与規程が提示されなければ、ライフプラン支援金受取申出書には記載できないものと考えています。
同年8月11日、学校法人北里研究所報第100号にて「企業型確定拠出年金制度」が同年1月に理事会にて承認されていたことを確認しています。そもそも、ライフプラン支援制度の導入は、理事会のみで承認できるものではなく、労使合意が必要とされています。
病院においては、労働組合は存在しませんが、過半数労働者は存在します。
しかしながら、過半数労働者個人に対して労使協定の締結等重い役割を負わせるのではなく、個々の労働者の立場や意見を使用者目線ではない『労働者目線』で適切に反映させることができるシステム構築を行う必要があると考えます。現段階では、使用者及び人事担当者の意識に大きく左右される状態であると言わざるを得ません。
以下が、要請事項になります。
要請事項1.
ライフプラン支援制度について、理事会の話し合いのみで本制度の導入を決定した理由をお答えください。
また、承認の6ヶ月後に院内にて周知がされていますが、本制度の手続きの約2ヶ月前に周知がされています。
承認から院内の周知まで6ヶ月かかった理由をお答えください。
要請事項2.
事業主は、労使合意に基づき年金規約を作成し、掛金を拠出することとされています。
法人が拠出せず、選択性とし、加入者本人が毎月給与から2.75万円の掛金を拠出することとした理由をお答えください。
要請事項3.
コース⑧について、労働者が給与の内2.75万円をライフプラン手当としてではなく、従来の基本給として受け取ることを希望した場合、現段階では、労働契約法上、基本給として受け取ることができると考えます。その場合、どのような手段をとる必要があるのか、ライフプラン支援金 受取方法申出書を提出する必要についてもお答えください。
要請事項4.
要請事項3について、病院は全職員に対して周知徹底してください。
要請事項5.
給与の内2.75万円について、ライフプラン手当として受け取らなければならない根拠を教えてください。
要請事項6.
現段階において給与規程が変更されていないにも関わらず、7月の時点で「基本給は減額となりますが」とされた根拠を教えてください。
要請事項7.
ライフプラン支援制度に係る新給与規程を全職員に提示してください。新給与規程提示以降に、ライフプラン支援金 受取方法申出書の締切日としてください。
将来的に現行の退職金制度が変更されるか否かについてもお答えください。
要請事項8.
仮にライフプラン支援制度が施行された場合、10月からの給与明細書には、従来どおりの基本給の記載となるのか、またはライフプラン支援金を差し引いた基本給とライフプラン手当、(ライフプラン支援金を拠出した場合は)確定拠出年金等という記載方法となるのかお答えください。
要請事項9.
実質的な基本給が低下するにも関わらず、「時間外手当・退職金・賞与等については従来の給与額で計算します。」とはどういう意味で記載しているのかお答えください。計算方法についてお答えください。この点について、新給与規程に記載されるかどうかについてもお答えください。
要請事項10.
「法人人事部又は病院」による職員に対するライフプラン支援制度についての説明会の実施を求めます。
病院は、厚生労働省が法令解釈(平成13年8月21日年発第213号)で示す投資教育の内容のみに留まらず、ライフプラン年金を拠出することによる以下のデメリット等についても労働者である職員に対して説明会を行う必要があると考えます。
病院が金融機関に説明会を委託したとしても、拠出のメリットを重視する金融機関が説明する事項としては相応しくない以下の事項については、病院が説明をしなければならないものであると考えます。職員が、以下のデメリットを知らずに拠出している場合、実質上、職員にとって不利益になります。
本制度は、理事会のみで承認されたとされている以上、本制度導入について労働者の声が反映されているとは言い難いと考えます。
ライフプラン支援制度は職員が拠出するものであることから職員自身がリスクを背負わなければならない性質のものです。
病院を信じ、日夜、病院と病院を信じる患者を支えている職員に対して、病院が、本制度について誠実に説明し、適切に理解したかどうかを確認することは必須ではないでしょうか。
【拠出によるデメリットについて】
1 .元本確保型ではない商品を選択した場合、運用リスクを追うこと。
2 .原則60歳まで現金化できないこと。
3 .ライフプラン支援金の拠出により、実質的な基本給が下がること。
等級が下がる場合、実質的な基本給が下がることで、厚生年金や健康保険などの保険料を決める「標準報酬月額」の等級が下がること。標準報酬月額が下がると、目先の社会保険料が下がるメリットがある代わりに将来受け取る厚生年金の額や社会保険から受け取る給付も減額するという不利益が存在すること。
4 .所得税・住民税(計20%の税率で25年間加入した場合)の控除額が増えること。
5 .厚生年金の保険料(25年間加入した場合)の支払い額が減ること。
6 .健康保険料(40歳未満の場合)の支払いが減ること。
7 .老齢厚生年金の年金額(25年間加入し、65歳~85歳まで支給を受けた場合)が減ること。
8 .障害厚生年金の受給額が減ること。
9 .遺族厚生年金の受給額が減ること。
10 .傷病手当金の支給額が減ること。
11 .出産手当金(最大98日)の受給額が減ること。
12 .育児休業給付金の受給額が減ること。
13 .失業保険(最大150日)の受給額が減ること。
【移管制度について】
看護職員については年間の退職者数が多いことから、移管制度について詳細に説明することは必須であると考えます。また職員の退職時には説明をお願いします。
【職員向け投資教育と情報教育】
金融機関による目線だけではなく、病院も職員に対して継続的に投資教育及び情報教育を行うべきであると考えます。また、職員が正しく理解したかについても、確認すべき事項であると考えます。
以上となります。
☆イジメ・嫌がらせ等パワーハラスメント行為・セクシャルハラスメント行為、長時間労働等の過剰労働や長時間労働に伴う心身の不調、残業代未払いや契約内容以外の給与口座からの天引き等、労働安全衛生及び安全配慮義務に係る労働環境、賃金の減額や非正規雇用等待遇格差に係る労働条件等ご相談などございましたら、
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☆一応、匿名で【名を明かさず】組合に加入しておきたい、職場環境で改善したいことがあるため聞いてほしい、組合の応援や情報提供をしたいという方も勿論大歓迎です(^^)
☆労働組合法が存在します。
【労働組合法】
労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的としています。