理想の恋人.com
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Must Love Dog
2005年10月12日 銀座 東劇にて
(2005年:アメリカ:98分:監督 ゲイリー・デビッド・ゴールドバーグ)
基本的には、ラブ・コメディの定番です。Boy meets girl.
しかし、男も女も30代で、しかも離婚していて、本人たちは、「恋愛なんてもう結構」な気分にある、という事と、周りが当人たちをさしおいて、インターネットで恋人募集・・・にして出合わせてしまったというドタバタとリアルな台詞が、上手いです。
他人が言ったら、セクハラとか今だと騒げるのでしょうが、身内による「男女、カップルであるべき。社会的にも、恋人、配偶者は絶対に必要。すぐに相手を探すべし!」という押しつけが、これでもかこれでもか・・・と冒頭出てきて、主人公でなくてもうんざりしますね。
確かに、恋に恋する恋気分の10代、自分はどうにかなると思っている20代に比べれば、30代独身っていうのは、恋愛No Thank Youか、最後のあがきか・・・・う~ん、微妙な所ついてます。
原題'Must Love Dog'というのは、恋人募集の条件に「犬好きであること」をうたっているからなのですが、ネットの世界の嘘というのもあくどくなく描かれていていいです。
主人公、ダイアン・レインは確かに綺麗で、姉が勝手に登録してしまった恋人探しネットにメールしてきた人と、デートする訳ですけれど、「もっと若いかと思った」とずばっと言われて、むっとするけれど言い返せない、なんて所はダイアン・レインの実年齢ならでは。
パジャマ姿でうろうろするあたりも身につまされる風景です。
ダイアン・レインの姉っていうのが、一切を仕切るのですが、姉と妹の会話っていうのが、リアルです。個人的にはサランラップのエピソードには、笑ってしまったというか、姉さんったら・・・って見てる私が絶句しましたよ。
デートする相手も、若い人ではなくて、ティーンエイジャーの娘連れやふられ続けて絶望的になっている男だったり・・・顔の見えないネットの世界と現実の世界のギャップっていうのが笑えるような、怖いような。
最終的に、ダイアン・レインが気に入るのは、ジョン・キューザックなのですが、この人の恋愛に疲れた顔って本当にはまってます。
うんざりしたような表情がとってもぴったりするジョン・キューザック。
手作りのボートにこだわって、映画『ドクトル・ジバコ』が好きで、ちょっと頑固な30代。
どちらも最初は自分の事を正直に出せないけれど、徐々に、でもお決まりのすれ違い。
でも、お互い、最終的には外見ではなく中身で、それは会ってみないとわからない、という基本的な事は一緒で安心して見ていられる映画。こういう映画は長々やらないで90分くらいでテキパキとテンポよく終わらせて欲しい・・・という意味では完璧。
何故か、アメリカ・定番ラブコメが妙にはまる、ジョン・キューザック。
ニューファウンドランド犬、その名はマザー・テレサは助演賞ものの存在感です。
大きい犬で、座高が飼い主と同じ、って所の存在感もありますが、伏線の上手い映画にはこういう存在は欠かせません。