生島尚美さんエッセイ / 新・バリ一代ドタバタ記 (メルマガvol. 67より転載)
第7回 sisi新店舗にも「でた〜」
バリ版すべらない話はやっぱりコレ?
著者近影、お客様のお子様と張り切ってポーズ。
2010年の末にプレオープンを行い、2011年が明けてすぐにグランドオープンした新しいsisiのお店。お客さまがウブド以外のエリアからいらっしゃって町中に入る前、お帰りの時に立ち寄って頂けるような立地、そして駐車場完備。
しかし、ワクワクはしているものの、実際はウブドの外れのここまでお客さまは来て頂けるのだろうか? と心配でした。そんな心配に反して、ありがたいことに早い段階から「新しいお店楽しみにしていました!」とお客さまが来て下さるようになりました。
sisi第1号店を開けた2000年当時とは違い、その時はすでにインターネット、そしてSNSも普及し、情報の浸透の早さに感心しました。
同時にお世話になっているドライバーさんやガイドさんが「新しいお店良いですね! ゆっくり出来るしタスカリマス」と、お客さまを快く連れて来て下さったのが大きかったです。「町中だと車も停められないし、待ってる時間が困る」とのこと。sisiプンゴセカン店ではドライバーさんやガイドさんものんびり待ってて頂けるようなテラス席があります。「いやいや」と遠慮して座るのを躊躇(ちゅうちょ)する方も多いのですが、「ここは皆さんの場所です」とスタッフや私が出ていって説明するととても喜んで頂けました。
お客さまはもちろんのこと、彼らにもコーヒーをご用意します。スタッフが忙しい時は私がコーヒーを持っていくのですが「シャチョーがコーヒー持って来てくれるお店なんてないよ!」と褒められ(?)ます。ちなみに、夕方、私が帰宅する時にオートバイで帰ろうとすると「シャチョー、バイクなの? それもSUPRA(13年ぐらい乗っていた「世界のHONDA」のマニュアルのバイク)? アブナイヨー、気をつけて! オツカレサマー」と見送られたりしていました。
「お店の人にムシされたりもするよ」と言うドライバーさんもいらっしゃって逆にビックリすることもあるのですが… こういう方々の口コミも本当に大きいと思います。
さてさて、そんなこんなで順調に進み出していたsisi プンゴセカン店ですが、やはりそこはウブドですから、「あっち」に関する話もやはり出てくるのです。
sisiのショップの後ろに作ったスタッフの作業スペースは広い窓がついていて、ショップからもスタッフが作業している風景が見え、スタッフからもお店の様子が見えるのですが、私はその両方を行ったり来たりして仕事をしています。
お店番&作業のスタッフ全員(当時)女性。今までオフィスとショップが別々だったのでそこまで長く一緒に過ごすことがなかったそんな彼女たち。長く一緒にいると気付くことも色々で、そんな中に「トイレに行く時に誰かを誘って行く」というのがありました。
スタッフの写真、3-4年前のものです。
?? 日本の女子小中学生がよくする「連れション」ってやつ?? なんて思ってチラリ、と冷たい目で実は見ていた私...毎日毎日そんな様子を見て、ある時「それさ、ひとりで行けないもの?」と苦笑しながら聞いてみたところ、何とも言えない反応が。
皆で顔を見合わせて困ったような、何か言いたいような。
うぅ! 「この感じ」知ってる! いつものアレ??
ちょうどその場に居たバリ人専務のKawiが後で「ナオミさん、こういうことだよ」と説明してくれました。
夜警の、あまりその手のことに動じないスタッフが「夜中に子どもたちがキッチンのところ(トイレに隣接)に遊びに来て騒いでる」と言ったそう。もちろん遊びに来ているのは普通の「子ども」たちではなく、目に見えない精霊のようなもの。「悪い存在ではないから気にしないで良いんじゃない!」とは言うものの、女性スタッフたちは「恐い〜〜!」とおびえている…
「それ、座敷童なんじゃない? ありがたい話じゃない!?」と言ってしまった後で「座敷童」の説明に困る私。 そう、こうなると次のパターンはいつもの通り、「お供えと祈祷をしましょう」との提案に「やろうやろう」と賛同するだけの私。この時も大きなお供えをしたあとはすっかり何も起こらなくなった(なってしまった…残念)らしく、スタッフもひとりひとりトイレに行けるようになりました。
めでたし、めでたし! やはり外さない新しい場所とこの手の話です。
<次回の掲載につづく>