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アメリカは何故選択的中絶が低値なのか。

2018.08.21 03:57

アメリカでは、新型出生前診断で陽性だとしても中絶の割合が60%と諸外国より低地を示しています。


ちなみに、日本は96%です。


どうして、アメリカと日本では差があるのでしょうか。


自著、新型出生前診断の全てが分かる本から、一部抜粋してお伝えしておきます。


※ここから


アメリカの州では、出生前診断は当たり前のことでなんと州政府が補助を出して保険がない人でも、だいたい200ドル程度で検査を受けられます。


保険に入っていた彼女は、自己負担はなかったそうです。


ほとんど自己負担 “ なし ” で受けられる検査のシステムになっているようです。


出生前診断の種類は、妊娠時期により3種類あるようです。


パンフレットを持って来院されていましたので、それを参考にみてみると妊娠10~13週、15週~20週のクアトロマーカーテストに超音波検査をプラスしたものがありました。


クアトロマーカーテストとは、古いタイプの染色体検査ことです。


簡単な検査ということもあって、3種類のうちのいずれかの検査から自分で選んで受けることができると。


どんな異常の判定をするのかというと、まず、


“ダウン症候群の場合の21番目の遺伝子のトリソミー”


“18番目のトリソミー”


“13番目のトリソミー”


“脊椎分離症(せきついぶんりしょう)”


“無脳症(むのうしょう)”


“腹壁破裂(ふくへきはれつ)”


それらの確認を行うとなっています。


もし、陽性が出れば、新型出生前遺伝子検査(NIPT)でそれらの再確認を行うということです。


そして、胎児染色体異常を指摘された場合、専門医のカウンセリングを受けます。


そのほかには、


“胎盤の細胞検査”


“15週以降の超音波検査”


それから“羊水検査”等を行い、確定診断をするという状況になるようです。


そして、染色体異常がそこで確認された場合、赤ちゃんに何が必要なのか。


これから生涯どういったサポートを受けられるのか。


その説明も行える状況になっているようです。


妊婦はそれらの政府のサポート体制の内容を十分確認して、お産に進んで行くか。どうしてもやむを得ない場合は中絶行為に入るか。そこで判断を下すようになっています。


このサポート体制というものは、非常に大切なことで、日本ではそういうものがはっきりとしません。陽性の妊婦に説明してあげたくても青写真に見えてきません。

※抜粋終わり



アメリカでは、新型出生前診断を受け陽性だった場合に、遺伝カウンセリングを行うようです。


私が思うに、検査を受ける前に遺伝カウンセリングを受けることによって、恐怖感や不安感が増すのではないかと。


だから、検査を受ける前から陽性だった場合の心配が頭によぎってしまい、選択を大きく惑わせると思うのです。


また、日本では中絶ができる期限が決められているため、アメリカのように


クアトロマーカー→新型出生前診断→羊水検査


といった検査を流れるように受けることが時間的に難しいですし、費用としても厳しいものがあります。


要するに、検査結果が出る前に身構えてしまう現象が起きることで選択的中絶の問題が出るのだと。


こう考えると、新型出生前診断の問題より、遺伝カウンセリングに選択的中絶を促す危険性もあるのです。


新型出生前診断は、あくまで可能性を示唆するものであって、確定診断ではありません。


つまり、遺伝カウンセリングは羊水検査などの確定診断時に受けることが望ましいと考えています。


アメリカでは、こうした流れでやっているので日本もこうした検査の流れで受けることが出来れば、もっと妊婦さん、夫婦はスムーズに受けられて、その人たちらしい選択ができるのではないでしょうか?