この一刻
2018.08.21 06:50
この一刻
Focus:This Moment
2005年10月28日 ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズにて(第18回東京国際映画祭)
(2005年:中国:29分:監督 ジャ・ジャンクー他)
これは29分の長さに、8人の監督の短編が入っていますから、実質1人につき2,3分というショートフィルムズ。
どんどん、次の映画になってしまうので、ちょっと追いつくのが大変で、どれがどの監督さん(『呪い』のリー・ホン監督も作っているはず)か、今になってはちょっと資料不足でわからないのです。
しかし、その中で、『西瓜』という短編は群を抜いてイメージ映像が素晴らしい。
廃墟の中にいる1人の男性。幻想なのか・・・廃墟のひとつひとつの窓から白衣の看護婦さんがぬっと現れるシーンはとても綺麗ながら不気味です。しかし、その廃屋に出る瞬間、男の頭には西瓜が落ちてきて、ばし~んと割れるのです。
ストーリーというよりもそのイメージの膨らませかた、2,3分とはいえ、光るものがありました。この雰囲気がとても好きです。
笑ってしまったのが『シャオシャオ卵をかえす』という短編。シャオシャオ(小小)という男の子が一生懸命、卵を抱いて雛をかえそうとするかわいい姿とそれに協力しているのか・・・父と母も可笑しい。でも、最後はブラック・ユーモアのオチがついて思わず笑いが。
やっぱりきちんとした監督ならば、2分、3分という時間でも映画を作る事が出来るのですね。
今は携帯電話のカメラでも動画が撮れる時代。
しかし、やっぱりきちんとつくられた宇宙を作れる人はそうそういませんね。