花都大戦(はなのみやこたいせん) ツインズ・エフェクトⅡ
花都大戦(はなのみやこたいせん) ツインズ・エフェクトⅡ
BLADE of Rose
2005年9月1日 銀座シネパトスにて
(2004年:香港:106分:監督 コーリー・ユン、パトリック・レオン)
『ツインズ・エフェクト』というのは、バンパイア・ハンターのイーキン・チェンとツインズ(シャーリーン・チョイとジリアン・チョン)が、バンパイアであるエジソン・チャン(プリンス・カザフ)とアンソニー・ウォン(プラダ)のバンパイアたちと戦うというアクションコメディで、ラストは続編を期待させるような終り方をしていたので、わぁ、続編だぁ~と喜んでいたのは私だけ?
所が、これはⅡとなっていても、ツインズが出ているからのⅡなんですね。ちょっと残念。
設定は全く違う別物語で、時代は古代。古代っていったら古代でいつかは関係ない古代なのっ。
しかも女帝の独裁世界で、女人国になって全ての男性は奴隷なのっ。
それを唯一女帝の技を破れる聖剣をめぐって、男性たちが蜂起するんですっ。
・・・・・・・・・・
観ていて最初は呆気にとられるのですが、だんだん、この世界がとても楽しくなってくる、愉快になってくる、強引さが可愛くてならない・・・というかつての香港電影のひとつのパターンを再現してくれたのがとても嬉しいです。
この映画、もうひとつ目玉があって、それはジャッキー・チェンの息子、ジェイシー・チェンの映画初主演作であるということで、予告編ではこのジェイシーの活躍を中心にしていたのですが・・・・ところが、ジェイシー、ぼんぼんであります。
反面イキイキと映画を楽しくしてくれるジェイシーの相棒が、『藍色夏恋』のチェン・ボーリン。
チェン・ボーリンかなりのお調子もので、ジェイシーの引き立て役になってしまうのかな、と思ったらさにあらず。ジェイシーを食ってました。
くるくると変わる表情がとても可愛い。大きな事言っても大物ではない小物ぶり・・・でも聖剣探しの旅では一番活躍しているので、ジェイシーはある意味「なにもしない」・・・チェン・ボーリンが全てやってくれるのです。本当にチェン・ボーリンって可愛いなぁ、なんて思ってしまいました。
ツインズのシャーリーンとチェン・ボーリン、ジリアンとジェイシーがペアになって行動するのですが、観ていて楽しいのは漫才の掛け合いのようなチェン・ボーリンとシャーリーン。シャーリーンは(男)奴隷商人なんですが、わたしはかわいいほうをとる!と言って、ジェイシーでなくチェン・ボーリンを選んでしまったりする。のほほんとしたジェイシーとお姉さんみたいなキリリとしたジリアンのペアの対比のさせ方、見せ方、上手く配分しています。4人のキャラクターが見事に立っていて際だっています。
まぁ、無理にこじつけて考えてみたら『ツインズ・エフェクト』では、バンパイア王子、エジソン・チャンだけが、ぼんぼんで、アクションなどせず非戦闘要員だったのが、今回はジェイシー・チェンだったのかなぁ~と。後になってみるとふと思うことであったりしますが、王様の剣ではないけれど、聖剣は王になるべき人しか使えない・・・というお決まりがあるのです。
そしてその聖剣を守っている守護神が、父、ジャッキーで、将軍のドニー・イェンと急に戦いになります。
この戦いがさすがベテランアクション俳優の2人。意味はなくても見所たくさん。素晴らしい凝り方をしていて、さすがジャッキー。
父としては息子をフォローしているのかなぁ、と考えますが、結局やっぱり父は凄いのね、って思ってしまう。
ドニー・イェンのアクションの切れのいいこと。ある意味、ジャッキーとドニー・イェンの2人の(あくまでも本筋には関係ないとしても)アクション対決を観ていたい、と思わせるものがあります。
さて、他にも、レオン・カーファイのコメディアンぶり。なんという呪いなんだっ!って笑ってしまうのですが、『愛人 ラマン』の金持ち華僑から、この旅芸人のおっさんまでこなしてしまう巾の広さというか、香港電影俳優根性っていうか・・・まぁ、『大英雄』での女装して、レスリー・チャンと歌って踊ってって前例もありますから・・・十分楽しませていただきました。
この映画で私が、とても楽しかったのは、衣装です。
凝っているような、ゴテゴテしているような、カラフルのような、突飛なようでいて、妙に清潔感のある衣装の数々。凝ってますよ。
シャーリーンの右腕だけゴテゴテに装飾のある衣装とか、女帝の○○のダニエル・ウーの宝塚風衣装とか、チェン・ボーリンのジェダイ風の衣装から・・・そして女戦士達のピンクを使った鎧甲ね。
聖剣と女帝の戦いの美しさとラストのほのぼの感がたまりません。なんだかんだいってとってもローマンターイ、浪漫的。
他にも、エジソン・チャンやダニエル・ウーがとても綺麗に撮られていたりして、キャスト豪華です。楽しいです。理屈抜きで楽しむべし。