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建設リスト

2018.08.22 03:36

日本では古代~中世には建築部材の表面仕上げを行うために、釿(ちょうな)や槍鉋・?(やりがんな)などが使われてきた。実際に発見された国内最古の?は、石川県小松市の八日市地方遺跡から2017年に出土した弥生時代の製品である。?・槍鉋は棒の先に柳の葉のような形の刃を付けた道具。「中国その他の交易路には類似のものは見られなかったが、八日市地方遺跡で発見された出土品は日本で鉄器生産が始まる前に使われていたため、石川県埋蔵文化財センターは中国で作られたと推定している。なお、この時代の?は現在よく知られる?と違い刃が短く現在のものと使用法が異なっていた可能性はある。近世~近代以降の台鉋の普及などによって、槍鉋は文献や絵画に残るのみでその製法、技法は久しく失われていたが、西岡常一らが文献、発掘品、当時の柱の削り跡など様々な資料を調査、分析し、20世紀の終わり頃に復元することに成功した。 中国では鉋の文字が唐の時代から使われ始めるが、これは現在の台鉋ではなく蜈蚣(むかで/ごこう)鉋子のことで、スクレーパーが複数枚並んだ鑢の様な道具である。

台鉋の起源は明確ではないが、A.D.79年に噴火で埋もれたポンペイから世界最古の台鉋が出土している。また世界各地で、鉋の台頭が無い様な(日本の押し鉋の様な)形のwedged adzが発見されている。 日本の鉋は、写真のように使用者が手前に引く際に木材がけずれるようになっているが、ヨーロッパ、中国のものは逆に押した時に削れるようになっているものが多い。ただし、日本で鉋を引く様に統一されたのは江戸時代中頃の事であり、室町時代に中国から台鉋が入って来た当初は押して使っていたことが当時の絵図などから判明している。

現在では、建築用には電動式で構造も全く異なる回転刃で切削する備え付け式または可搬式の電動鉋が多用されている。可搬式の電動鉋は全て押して用いる様に設計されている。電動でないものは、主に最終仕上げや複雑な曲線の加工用に使われるが、日本にのみ電動式で手動鉋同様の固定刃で切削する超仕上げ鉋と言われるものがある。

通常は、材木の表面を平滑にするために使われるが、材木に溝を作るなど特殊な目的用の鉋も存在する。