ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~蚊屋島神社とは天照皇太神宮のこと~ 国登録有形文化財へ「日吉津村の東は大山、西は日野川、北は日本海。さあ行こう!」
このたびの平成30年 7月豪雨により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
日吉津村では、国・県指定を含めても初めての国登録文化財になります。
彫刻や木組みが素晴らしい「蚊屋島神社拝殿向拝正面」
蚊屋島神社は、蚊屋庄二十九ヵ村の総社として崇敬を集めてきた神社で、近世には日吉津大神宮と称されていたが、明治元年に現在の名称に改められた。
拝殿と向拝の上部に、計三体の龍が彫られており、江戸時代中期から末期、松江藩主松平治郷に木工方として仕えた「小林如泥」晩年の作だと伝えられている。
本作品と同形式の彫刻は、日本各地の神社・仏閣に見らるが、規模・芸術性においては、他の追随を許さない。
さいの神 村指定文化財
さいの神は「塞の神」が本来の意味で、悪病などが村に入らないように祭った。のちには、「幸の神」などとなって、特に縁結びの神として祭られるようになった例が多い。
祭り方は県内でもいろいろあるが、当村のように石に男女の神像を刻んで祭る例は西部では多い。12月14日の夜半、藁馬と藁づとに入れた「だんご」を供え、だんごは藁火で焼いて持ち帰る。
昔は他村のさいの神を盗むと良縁があるというので、若者が数名でかついで帰ることもあった。
さいの神(富吉)
さいの神(海川)
日吉津村とは
日吉津村は大字日吉津、富吉、今吉の三集落からなり、その起源は、口伝によると、蚊屋島神社を離る東南100mの地点に荒簾(あらこも)7軒と称した最初の移住者があり、日吉津を古くは稗津(ひえづ)と呼んでいました。その名を示す通り稗の生えた海岸の沼地であったので、元亀(げんき)2年(1571)以後、字面をきらって日吉津に改めました。
伯耆史によれば文久3年(1863)戸数210戸945人とあり、特産物は鱒と鮭とあります。当時、近隣では50戸未満の村が多く、稗津の町家と呼ばれました。富吉集落は今村と呼び、江戸初期には米子市熊党の北側にありましたが、何年かの水害により古屋敷に移り、三転して寛文年間に現在地に移りました。今吉集落は弘化2年(1845)開墾を始めて安政3年(1856)に今吉の名がつきました。
日吉津村は鳥取県の西北端部にあって、東は西日本一を誇る国立公園大山の雄姿を望み、西は本県三大河川の日野川が流れます。箕蚊屋平野の一角を占め、北は日本海に面し、ぐるりを米子市に囲まれる。気候温和で、日野川下流東岸一帯の平坦地で、田畑と宅地を形成しています。
蚊屋付近より大山夏山
蚊屋島神社が国登録有形文化財へ!
蚊屋島神社は、明治元年に建てられた本殿が造りの規模や構造に加えて装飾の豊かさなど独自性を持つこと、機能的な整備が図られた神社の近代化の一端を示していることが評価され、歴史的景観に寄与していることから登録有形文化財に登録される運びとなりました。
蚊屋島神社拝殿・本殿全景
蚊屋島神社について
地理
蚊屋島神社は、鳥取県西部を流れる日野川の下流にひらけた箕蚊屋平野の中央部に鎮座し、現在の日吉津村よりも広い地域に及ぶ蚊屋庄29か村の産土神(うぶすながみ)です。蚊屋の「島」というように、わずかな微高地を示す場所に位置しています。日野川は歴史を通じて幾度も氾濫(はんらん)を起こして流路を変えており、蚊屋島神社もその被害に幾度もあっています。
社名と創建
社名は、近世には日吉津大神宮(ひえづだいじんぐう)、伊勢宮(いせぐう)、天照皇太神宮(てんしょうこうだいじんぐう)などと呼ばれ、近世の棟札(むなふだ)には天照皇太神宮と記されています。明治初年に蚊屋島神社と改称され、現在にいたります。
創立年代は不詳ですが、社領証文によって天文14年(1545)以前であると伝えられています。祭神は主神が天照大御神(あまてらすおおみかみ)、高比賣命(たかひめのみこと)の2柱で、伊勢の神と出雲系の神がともに祀(まつ)られています。
蚊屋島神社の文化財建造物
〇本殿(ほんでん)…明治元年再建、明治33年大規模修理。
〇幣殿及び拝殿(へいでん および はいでん)
…天保4年再建、明治33年大規模修理。拝殿の正面と側面の三方をめぐる縁に、擬宝珠(ぎぼし)高欄(こうらん)があり西南隅の親柱の擬宝珠に「天保4年」の銘があります。
本殿、幣殿、拝殿側面
〇神饌所及び渡廊(しんせんじょ および わたろう)…明治33年新築
神饌所及び渡廊
〇神楽殿(かぐらでん)…明治33年新築、昭和51年増築。
「神楽殿」は横綱白鵬が不知火型の土俵入りでどっしりと腰を落とし、両手を広げた姿を彷彿とさせる。
〇宝庫(仮殿)(ほうこ(おかりでん))…明治33年新築
宝庫(仮殿)
〇豊受社(とようけしゃ)…明治元年再建
〇天神社(てんじんしゃ)…明治元年再建
(左)豊受社、(右)天神社
〇随神門(ずいじんもん)…明治33年再建
随神門
蚊屋島神社のどの建物を拝見しても大変に興味のわくものばかりです。是非一度訪ねてみたいですね。
現在23時55分頃、名古屋地方は台風の風雨が大変強くなってきました。
日吉津村、まだまだご紹介したいところは沢山ありますが、時々すぐ横の小川が雨が降ると氾濫します、さらに風雨が強くなってきました、停電にならないうちに投稿して少し川の様子を見てまいります。皆さんもお気を付けください。
鎹八咫烏 記
伊勢「斉宮」の明和町観光大使
協力(敬称略・順不同)
日吉津村役場 日吉津村教育委員会
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