丸編み生地製造の勉強-スムース編-
皆さんはスムースという編み地をご存知だろうか。
編み組織的にはインターロックというが俗称スムースの方が工場にも伝わりやすい。
スムースはゴム編みの変形でダブル編みである。
名前からも想像できるように、表面が滑らかだからスムースという生地名になったらしい。(本当のところはわからないがこれが有力)
百貨店レディースアパレルの透けにくいちょっとデザインTとかによく使われている。
ゲージと糸番手が同じなら天竺と比べれば厚手の生地になる。
例えば糸番手60/1で28ゲージの編み地なら天竺は100g/m2くらいの重さでスケスケ。
同条件の60/1で28ゲージのスムースは180g/m2くらいの重さで透けない。
特徴としては加工などで如何様にもなるので一概にまとめにくいが、ダブルにおいてはフライスよりは伸びないけどポンチよりは伸びるし、先ほど書いた通り、生地面がフラットで滑らかである。
カットソーのポリエステルサテンとか銘打ってる生地とかもあるが、これは大体スムースだ。
今まで紹介してきた鹿の子以外の生地は編み目が全て(天竺、フライス、裏毛)1目解けば1列解けるのに対して、スムースは編み目が半目ずつ構成されているので1目解いても1列解けない。(動画を注意深く見てもらえるとわかると思う)
これが何を意味するかというと、ボーダーを企画した時に天竺のように1目が1列とカウントできないのでボーダーの境目がガタガタになる。↓
(ちなみに一本ずつ交互に色を変えて糸を立てるとストライプの柄になる)
だから、スムース素材でまっすぐなボーダーの境目を表現することはプリントで表現する以外は不可能なのである。
「このボーダーガタガタなのを解消したい」という要望にはプリントで対応してもらうか、スムースを諦めてもらうしかない。
逆にこの「ガタガタがいい」とあえてスムースボーダーで企画した人も過去におったな。
スムースは他にも3段スムースや4段スムース(糸番手が同じでも厚みが変わる)、エイトロックスムース(編み目の柄が少し違う)など変形がある。
一言スムースと言ってもかなりの種類が存在するのである。
なのでスムース生地が欲しい時には「スムースください」って言われると困り果てるので、アイテム使用用途くらいは伝えると生地集めがスムースになる←