バットマン ビギンズ
バットマン ビギンズ
Batman Bigins
2005年6月15日 新宿厚生年金会館にて(試写会)
(2005年:アメリカ:140分:監督 クリストファー・ノーラン)
アメコミ・キャラクターで一番馴染みがあるのがバットマン。
子供の頃、テレビで熱狂していたからですが、子供心に悪役達がとても「かわいかった」のです。
あっけらかんとしていて、正義が悪を倒す!っていう力みはなく、懲らしめますよ!でも、また、悪さするのね、ジョーカーったら~っていうとほほ感が楽しかったのです。悪役達もバットマンとロビンを殺すなんてことしないし、怪人二十面相と同じように「ほとんど趣味でやってるんですか?」という視線で描かれていました。
ですから、ティム・バートン版映画『バットマン』を観た時は、その暗さにびっくりしました。
3作目、4作目は監督はティム・バートンから離れて、テレビ時代の悪役を華やかに演じて見せました。ユマ・サーマンのポイズン・アイヴィー、ジム・キャリーのリドラー(テレビではなぞなぞマン)、アーノルド・シュワルツネッガーのMr.フリーズ。
さてさて、この映画はビギンズですから、1の前を描きます。
ゴッサム・シティの謎の大富豪、ブルース・ウェインが何故、バットマンになったのか・・・という人間ドラマの方がメインで、1のダークさにつながるように作られているのです。
今回のバットマンのクリスチャン・ベールは、親を殺されたショックから、悪を憎み修行の旅へ・・・・ここでチベットと中国と日本の忍者がごっちゃになったような修行をして、執事、マイケル・ケイン(今までは、テレビ時代から唯一同じ役者さんがやっていたのが初めて変わった)が、お出迎え。バットマンの誕生・・・と。
話が話なだけに、ダークな映像がメインになっています。夜のシーンがとても多いですし。
モーガン・フリーマンがバットマンの基礎となる車やコスチュームを提供するのですが、ここら辺のやりとりが面白かったです。しゅ~~~とか黒いスプレーでコスチュームを手作りするあたりや、バットマンカーがまだ、ゴロゴロという感じの車で、これからどんどん性能がよくなっていくのよ・・・っていう手順の踏み方とか。
よくよく観るととても丁寧に作られていて、アクションのシーンよりも個人的にはこちらの方が見所でした。バットマン入門編。
アクションシーンは、カット割りが凄く細かくて、大アクション・・・という風には見えない。アクションとドラマだったら、ドラマを重視しています。
クリスチャン・ベールは、バットマンのマスクが似合うし、生まれついての大富豪という品格があるし、ちょっと近寄りがたい雰囲気を持っているところはバットマン役者として十分OK.。
後半のゴッサム・シティは、架空の大都市なんですけれども、限りなくニューヨークに近くなっています。
悪役もまだまだ「演出好き」な皆さんは出てこないのですが、ゴッサム・シティも暗さが中心で、荒唐無稽な建物はないです。
バットマンもあまりびゅんびゅん飛ばない、ひゅ~~~っと降りてくるという感じ。
あと、バットマンになるとき地下に行く、行き方。これはテレビも今までの映画も彫像をぱくっとやるとボタンがあったのですが、この映画では別の仕組みになっています。それも妙に感心してしまいました。
この映画を機会にさかのぼってバットマンシリーズを観ても何の問題もなし、という安定感を感じてしまいました、私は。