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土崎空襲を語り継ぐ 『土崎港(みなと)被爆市民会議』

夏を振り返る③ 私たちが平和のために伝える!~8/14子どもたちから平和のメッセージ発表会

2023.09.12 05:50

 8月14日、土崎空襲犠牲者追悼平和祈念式典に続いて、「21世紀子どもたちから平和のメッセージ発表会が行われました。8名が入賞し、その内小学生3名と中学生4名のそれぞれが、が平和への思いを力強く発信してくれました。その要旨を、筆者なりに。
 佐渡谷香穂さん~「爆弾の破片を脇腹に受けで死んだ少年は私と同じ小6だった。きっとまだまだ生きていたかっただろう。友達とのケンカならすぐ仲直りして、前よりも仲が深まることがある。戦争は無差別な攻撃につながる。戦争はしてはいけない。語り継いでもらったことを今生きている私たちが家族や友達、またこれから広がる交流の中で、伝えられる人たちから伝えていきたい。」
 小林蒼弥さん~「戦争、国と国の争いの中で中でなぜ普通の人たちが死ななければならないのだろうか?朗読会で土崎空襲の話を聞き、どれだけ悲惨なことがあったか分かった。その後土崎空襲のことが気になって伝承館に来て展示物を見てみた。爆弾が貫通した少年の服を見てとても怖くなった。人を殺すための武器を作ったり、持ったりしてはいけないと思った。多くの人にも見てもらいたいし、僕ももっと調べて伝えていき、みんなと力を合わせて平和な社会を作っていきたい。」
 加藤璃海さん~「親から話しを聞いた時は、かわいそうだなという軽い気持ちだった。講話会で土崎空襲について学んだ。体験者の話を聞いたり、破片や爆弾、そして変形した柱などの展示物を見てその様子を思い浮かべて心が痛んだ。学校の築山に沢山の負傷者が運ばれたことも知った。きっと汗と血のにおいでいっぱいだったと思う。もっと知って語っていきたいし、多くの人に命の大切さを知ってもらいたい。」
 鳴海絢太さん~「土崎空襲のことについてお話を聞き、平和のことについて考えるきっかけとなった。土崎に12,047発もの爆弾が落とされたと聞いて二度と戦争をしてはいけないと思った。平和な世界とは、ルールが守られ平等な世界のことだと思う。今の世界は学校に行けなかったり、ご飯を食べられなかったりする子どもたちがいて、戦争や殺人事件などが絶えない。平和だとは言えない。戦争のときの人々の辛さ、大切な人を失うことの悲しさなどを知り、平和な社会を願い行動していくことが平和な社会の実現につながる。」
糸井結花さん~「今の若い人たちは『戦争を自分には無関係な昔話で、日本で起こるはずはずがないと思っている』と言われた。自分もそうだったが小5のとき、ロシア・ウクライナの戦争が起きて、こんな身近なところで起こるのかと驚いた。映像では悲惨な姿が伝わってき戦争の残酷さと平和の大切さが分かった。でも、だんだん報道が減るにつれ危機感がなくなっている。伝えることが大切だ。残酷さを知らぬまま、戦争を始める人たちが現れる。戦争が自分の問題だと考える人が増えれば平和に近づく。まず、私たちが変わっていきたい。」
関谷成珠さん~「学校の平和学習の中で講師の先生が自身の戦時中の生活などについて話してくれた。『戦時中の学校教育は子どもたちを大きく変えた。”米英粉砕”と復唱させ、竹やり訓練をさせ、大人のいうことを聞くだけで善悪の判断ができなくさせられた。殺人はいけないという今の考えとまったく反対のことを教えられた』などと聞いて驚いた。教育の恐ろしさが分かった。そしてこれからは相手の話を聞く、差別しない、話し合いで解決する努力をすることが大切だ、と教えてくれた。戦後80年たって戦争の本当の恐ろしさは当事者でなければ分からないが、戦争の恐ろしさを先人から学び、平和を守り続けるために伝える努力をしていきたい。」
木村姫乃さん~「西アフリカ・シエラレオネ生まれのミケーラ・デブリンスさんは戦争で父を殺され、母は病気で失った。孤児院でもつらい暮らしを強いられたが、1冊の本と出会ってバレリーナになるという夢を見出し困難を乗り越え世界的なバレリーナとなった。その自伝を読んで、戦争はたくさんの人々の人生を変え多くの命や未来を奪うということ、またそれが遠い昔のことではなく、繰り返されている現実にショックを受けた。私には今家族があり、学校に通い、大好きなバレーがある。でも、世界では争いがあり小さな幸せ、尊い未来が奪われている。私たちは、土崎空襲で亡くなった多くの人たちの無念を忘れず平和を守らなければならない。ミケーラさんは遠い国からあきらめない勇気と戦争の悲惨さを教えてくれた。私たちは現実から目を背けず、知ることが大切だ。そして平和のために語り継いでくれる人たちの思いを未来へつないでいく。水仙でもポピーでも、争いや差別によっておびやかされることなく咲きたい場所で、自由に咲けるような未来を私たちが作ると約束する。」
 発表に続き、審査委員長の佐々木久春氏が講評を述べ、東京都在住のいとうのぼる氏が自作詩を発表し、会を閉じました。
 土崎空襲と戦争、平和の問題について、講話会や学校での平和学習を通して、あるいは本を読んだり自分で伝承館に足を運んだりしながら学習を深めて、「戦争のことをもっと知ること」「戦争の悲惨さや平和の大切さを自分が語り広めること」、「普段の生活から平和につながる行動をとること」など、戦争と平和について考えた事を自分の言葉で力強く発信してくれました。このメッセージをしっかりと受け止め、その願いに応えられる社会を目ざして頑張っていきたいものです。
 まずは「知ることが大切」!子どもたちのメッセージをしっかりと受け止め、その機会をもっと沢山作っていくように市民会議も頑張っていきます。