[見どころ!]寺地拳四朗 vs.ヘッキー・ブドラー
9月18日(月=祝日)有明アリーナ
WBA、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者・寺地拳四朗(BMB)
vs
挑戦者ヘッキー・ブドラー(南アフリカ共和国)
寺地=1992年6月1日、京都府出身の31歳。右ボクサーファイター型。戦績:22戦21勝(13KO)1敗。
ブドラー=1988年5月18日、南アフリカ共和国出身の35歳。右ボクサー型。戦績:39戦35勝(10KO)4敗。
「レベルの差を見せつけてKO防衛」
宣言どおりになるか
2団体王者の寺地が2階級制覇の実績を持つブドラーの挑戦を受ける。このところ従来のテクニックに加えパワーを増した印象の寺地が圧倒的に有利と思われるが、ブドラーは試合巧者だけに油断は禁物だ。
右一発で王座を奪回した矢吹正道(緑)戦、WBA王者の京口紘人(ワタナベ)を7回TKOで下した王座統一戦、そして若く攻撃力のあるアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)を9回TKOで退けた激闘――最近の寺地のボクシングには凄みが感じられる。左ジャブの精度と巧みな間合いのとり方に加え、右ストレートや左フックなどパンチ力も増した印象だ。13度の世界戦を経験し、また一段上のステージに上がったといっていいだろう。気になるのは直近の4戦で以前よりも被弾が増えたという点ぐらいだろう。
挑戦者のブドラーはミニマム級とライトフライ級で世界王座を獲得した実績を持っている。2018年5月に来日し、12回判定勝ちで田口良一(ワタナベ)からWBA、IBF世界ライトフライ級王座を奪い、7ヵ月後、マカオで京口に10回TKO負けを喫して王座を失っている。こちらも世界戦だけで10戦(7勝3KO3敗)を経験している。スピード、パワー、テクニック、スタミナなど飛び抜けたものがあるわけではないがバランスのとれた戦力の持ち主で、相手の力を出させない巧さがある。
寺地は「レベルの差をみせつけてKOで勝つ」と公言しているが、順当にいけばその宣言どおりの結果になるだろう。2団体王者が気をつけなければいけないのは序盤から力み過ぎて空回りすることだ。ブドラーに主導権を渡さないためにも丹念に左ジャブを突いて相手をコントロールしていきたい。流れさえ引き寄せれば自然とKOシーンに結びつくはずだ。(原功)