東大ディベート合宿!
さて今週は2回も関東方面へ出張、水曜はPDAオープン、そして土曜には東大ディベート部が社会人向けに行っているディベート合宿に参加するために熱海に行ってきました。割と寸前まで東京であるのだと思っていたので、え、熱海??と驚きつつ。
熱海から一駅、湯河原に行ってまいりました。到着後すぐ、会議室にカンヅメ。
おっとこれは缶違いw
まずモーションの読み方、そして良いアーギュメントをたてるために、逆にどうでもいいアーギュメントについて検証してみる。そして効果的な反論の方法などのレクチャーを受け、なるほど、今までも繰り返し聞いて来たことだけど、何度もいろんな人からこうやって話をきくうちに、自分に染み込んでくるんだな、スパイラル学習!なんて思いながら早速ラウンド実践。お題は。
THW introduce female quota in the broad of executives in companies.
NA(North American)スタイル(3人ずつの2チームで討論)の私は肯定側の一番手と三番手。相手チームはいつもオンラインで一緒に練習しているECCの先生二人組、終わった瞬間ニヤニヤしてるので何かな?と思ったら、ノートに「あのかちほこった顔」と私の悪口を書いてました(爆
こらあぁあぁぁぁぁww
いやね、私達ディベート界にそんなにいないであろう、デジタルディベートネイティブなんですよ(笑
つまりこうやってアナログに顔つき合わせて相手やジャッジの反応を見ながら、チームメイトとメモでやりとりしながらラウンドをやる、という経験がまるでない。
これがまぁ、楽しいこと!
ラウンドが終わったあとも、論理的で的確なリフレクを受け、たくさん質問に答えてもらいつつの、さらにレクチャー。ほんとはもう1ラウンドやると予定されていたんですが、わたしたちが質問しすぎるからなのか時間がなくなり本日は1ラウンドで終了。いやでもこの講義が!ほんっとにありがたかった!!!いままでもやっと論題を読み間違うというか、論点がそこじゃないでしょ?ってとこに行ってしまいがちだったのが、今後だいぶズレずに済むようになった気がします。あくまで気がするだけですが(爆
ホテルに移ってからは東大ディベート部二年生メンバーによるモデルディベートを見せてもらったり、入浴中もああでもないこうでもないとディベート談義、さらに夜中まで今後のディベート普及における戦略構想を練ったりと、まったくもってディベート三昧の一日を過ごしました。
翌朝は温泉と美味しい朝ごはんを頂いた後、昨日の会議室に移動。今日は経験者チームがBP(British Style・2人✕4チームで討論)をやりたいが人数が足りないので二人来て、と言われたのでほんの初心者でよければ、とお邪魔しました。NAだと全員のスピーチを足して36分ですが、BPは8人がそれぞれ7分スピーチを行うのでそれだけでも56分、リフレクの時間考えたらもうぎりぎり、とりあえず早足で各ロールの役割を聞き、初心者はオープニングのチームなら肯定側でも否定側でも基本NAスタイルとやることはあまり変わらない、ということでオープニングの否定側(Opening Opposition)でラウンドが始まりました。お題は
THW ban racist and extremist political parties.
人種差別主義や極端に偏った思想の持ち主が結党することを認めない、というモーション。モーションを見てすぐに否定側の意見が頭に浮かぶお題だったので、比較的話しやすかったのですが、このBPスタイル、オープニングはいいんですが、クロージング側だとオープニングのチームが出した案はもう出せず、エクステンションとして新たなアーギュメントをたてないといけません。つまりプレパでももちろん案をたくさんストックしつつ、ラウンドが進む内に自分が話すべきポイントを絞る、あるいは新たに模索する必要があります。それでいて、どうでもいい論点、例えば「タバコを廃止したら渋谷の空気がきれいになる」などの、いまいち強くないポイントをたてたのでは絶対に勝てないので、めちゃくちゃ難しい!
リフレクでは各チームの順位が示され、
1)オープニングの否定側(OO)
締め付ければ地下組織化してテロが起きる、その現象が想像できたし、かなりやばいことが分かる、再度POIで自分たちのアーギュメントを再強調していたのも良かった。OOとOGは貢献度は同じぐらいだったが、OOがOGへ効果的に反論をしていたのでこの順位。
2)オープニングの肯定側(OG)
ideology のちがいが conflict を生む、こういうポリティカルパーティーのせいで難民の子どもが治療を受けられないというプラクティカルハームが具体的に話されいて、肯定側の土台をしっかり示していた。
3)クロージングの肯定側(CG)
政党とは、equal right とは、という内容をしっかり提示してくれていたが、それがOGの示した土台を超えるものかといわれたらそうではない。またOGとの違いを示すと冒頭話していたが、内容としてはOGの言っていた内容を言い換えているような面も多かったのでcontribution はOGより少ない。
4)クロージングの否定側(CO)
diversity がキーワード、自浄化が起こる、などのエクステンションを示していたが、具体性にかけていてインパクトをイメージしづらかった。表現の自由による健全なディスコースが起こらない、という点を示せると良かった。
というような話がありました。BPではとりあえず4位を取らないように、と他チームとの差をくっきり示すこともまたラウンドの中で必要な戦略なのだそうです。ってラウンド聞かずにリフレクだけ見せられても想像つきにくいと思うのですが、初めてBPスタイルをやってみた感想。
え、明らかにクロージングが難しくない??
なのでオープニング側が有利になりすぎないよう、プレパ時間は15分。
え、そうすると一番手がしんどすぎない??
とすると私がやらせてもらったOOは初心者には最もとっつきやすいポジションなのかな、なるほど、だからそこに新人二人だったんだなとやった後で思ったりしました。
BPにおけるサイドは連立与党を想像するとわかりやすく、OGとCGは連立与党、自民党と公明党という感じ、OOとCOは連立野党、あ、日本では今良い例はないですが(笑
連立与党は互いに政権を担っているけど、より自分たちの政党が制作の実現に貢献しているという点を有権者にアピールしたいですよね。なのでクロージング側は自分たちのサイドのことは必ずしも否定せず、とは言え自分たちの方が優れているということを案に示す必要があります。それでいてオープニングが出した点ではない別のアイディアを、それも有権者から見てそれは強いわ!あんたたちを支持するわ!と思わせるような話をしないといけない。
うわーー、奥が深いわ…。大学生のみなさんはNAは1年生の最初に導入編としてやったあとは、このBPともうひとつ、アジアンというスタイルを大会にあわせて練習しているのだそう。関西人でアジアンと聞くと浮かぶのは別の絵ですがまぁそれは置いといて…。
いやぁしかしリアルディベート体験ができたこの二日間、学ぶことてんこもりでした!
オンラインディベートシステム・ミクシディアに最近実装された hear, hear ボタン、リアルではこんな風に使うんだ!というのも今回の合宿で生で見られたし(←開発者がこだわってたポイントがやっとわかった)、春からディベートを始めたばかりというと、「ラウンド経験は2,3回ぐらいはありますか?」と聞かれたので、「うーんと、50回ぐらいはあります」というとぎょっとされたり、初心者カテゴリのみんながルールから説明してもらうほどの初心者ではなかった状態でこの合宿に参加できたのは、ほんとにミクシディアのおかげ。それに加えてのこのリアル合宿の経験で、パーラメンタリーディベートの新たな一面を見せていただいて、ますます興味を惹かれての解散になりました。
最後になりましたが、この合宿でご一緒してくださった皆さま、また春に始めたばっかの新人たちがこぞって押し寄せたにもかかわらず、親切丁寧に指導してくださった東大ディベート部のみなさん、本当にありがとうございました!東大ディベート部による社会人練習会はほぼ毎月定期的に行われているようなので、私もまた足を運びたいなと思っています。って遠いなー、東京遠いわー。
関西でも子どもたちにディベートにもっと気軽に触れてもらえるような機会を提供できる側になりたいなという思いを強く胸にいだきながら、帰宅したあともミクシディアでラウンドしましたよん。興味ある方はぜひ!ミクシディアの練習会にもお越しくださいね、社会人向けの練習会は毎週日曜夜10時から定期的に行われています!くわしくはこちらの記事の最後の方をご覧ください!