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鹿児島 囲碁

囲碁名人戦霧島神宮対局・前日レポート

2023.09.14 05:14

9月1日東京組と関西組、それぞれ別の便で鹿児島空港に芝野虎丸名人十段、井山裕太王座碁聖が降り立ちました。

関西組は一名少ない。その理由は前夜祭の関係棋士の見どころを観てください(笑)

芝野名人は隣の熊本県にルーツがあるけど初めての来鹿。井山王座は2018年の名人戦以来5年ぶりだそうです。

アクティブリゾーツ霧島にチェックインの後、霧島神宮に東京関西、揃って移動。

霧島神宮では国宝部分に入らせて頂き、玉串をお供えするなどの正式参拝をさせて頂きました。

通常は撮影が許されない場所でも霧島神宮様の特別な御厚意により撮影が許されました。

その後、霧島神宮客殿に移動して検分。霧島神宮客殿は旧貴賓館などを御本殿造営三百年記念に新しく改築されたものです。対局はその客殿の特別室で行われます。

特別室に掛けられている掛け軸は明治時代の霧島神宮宮司 大久保利貞の書。利貞宮司は、囲碁好きで有名な薩摩の偉人 大久保利通の従兄弟で、利通の次男 牧野伸顕は日本棋院の初代総裁。こんなところでも偶然の碁縁があります。

碁盤は熊本県山都町の「二瀬本神社」の樹齢約八百年の榧の御神木から作られた品。「NPO法人熊本子ども囲碁普及会」後藤渉監事所有のもので、二瀬本神社は後藤さんの実家で、神社の御神木が倒れて建物を傷つける恐れが出てきたことから、やむなく伐採することになり、御神木から碁盤に仕立ててもらったそうです。

両対局者の検分で芝野名人が使用を認め、それに井山王座が同意しました。

この御神木から作られた碁盤は他にもあり、井山王座は2017年1月22、23の両日、熊本県菊池市で打たれた第41期棋聖戦七番勝負第2局でも使用しているそうです。このときは井山棋聖(当時)が使用を認め、挑戦者の河野臨九段が同意したと後藤さんからお聞きしました。名人戦も棋聖戦も、年下であってもタイトル保持者に対して年上の挑戦者が敬意を払っているのが分かります。

ちなみに記録係の小西理章(よしあきら)初段は検分にも間に合いませんでしたが、両対局者、立会人、記録係1名はいるので問題なく行われました

御神木から作られた対局に使用された碁盤(後藤さん提供画像)



検分後はインタビューが行われ、朝日新聞、日本棋院だけでなく、今回鹿児島県内でシェア1位を誇る南日本新聞社が1日から3日終局までインタビュー質問、囲碁大会、大盤解説会なども取材して頂きました。

(その他、囲碁名人戦の取材はNHKやKKB鹿児島放送局もして頂きました)。


アクティブリゾーツ霧島に戻って前夜祭。

司会は安田明夏初段と三島響初段。お二人は美しいだけでなく、県連で作成した拙い司会台本を素晴らしい進行で進めて下さり、参加者の皆様が大満足したとのお声を頂きました。ありがとうございました。


日本棋院の前日レポート↓



両対局者の入場、主催者である朝日新聞社西部本社 丸石伸一代表、日本棋院 溝上知親常務理事、関西棋院 瀬戸大樹理事の挨拶。

来賓の霧島神宮 慶光院利致宮司様から御挨拶を頂き、霧島市 中重真一市長の乾杯で開宴。

参加者の各テーブルには棋士が一名以上同席するようにし、関係棋士の皆様が参加者と快く対応して下さったことで楽しかったとのお声が多く寄せられました。


後半は霧島神楽 第一座 神前舞でスタート。

 霧島神楽振興会は舞手、囃子手を随時大募集しているそうです。神前舞の舞手は女性ですが、男性が舞うものもあります。興味のある方は霧島市観光協会にご連絡ください。


次に記念品贈呈。JAあいら(あいら農業協同組合)中條秀二代表理事組合長から鹿児島黒牛あいら和牛と霧島茶が両対局者に贈られました。

 鹿児島黒牛あいら和牛は、令和4年10月に開催された5年に一度行われる和牛のオリンピック・「第12回全国和牛能力共進会」において内閣総理大臣賞・農林水産大臣賞を受賞し、鹿児島県の日本一に貢献致しました。

 霧島茶は過去3年連続で普通煎茶10キロの部で産地賞に輝いたこともあり、対局にはJAあいら様から特選霧島茶が提供され、関係棋士の皆様にも特選霧島茶が贈呈されました。また、9月2日霧島神宮神楽殿で開催された国宝制定記念囲碁大会には、きりしま茶ペットボトルも参加者の皆様へ提供されました。

花束贈呈は霧島神楽神前舞の舞手の皆さん。

そして両対局者の決意表明、関係棋士の見どころ紹介。(朝日新聞社・囲碁将棋TVをご確認ください)

このとき小西初段の遅刻の理由が鳥井四段から暴露されます(笑)

(ですが実は小西初段は4日の早朝に一人で徒歩30分の距離の霧島神宮まで走って参拝されてました。前日偶然行くことを知り、私は片付けがあるので車で送迎する旨を申し出ましたが、自らの足で行くと断られました。片付けを早朝から行いホテルに戻るときに走ってる小西初段を見かけもしましたので間違いなく参拝されています。遅刻はともかくこういう姿勢が先輩方から可愛がられる好青年なんだと思いました。)


前夜祭会場には西郷隆盛の碁盤と、明治チョコレート効果が並んで展示されていました。囲碁愛好家なら芝野虎丸名人がチョコレート効果を対局中によく食べていらっしゃるのはご存じかも知れませんが、そのこともあるのか今回前夜祭から大盤解説会まで参加者の皆さんもよく食べられてました。

西郷隆盛の碁盤は、赤間宿(現福岡県宗像市)で西郷と坂本龍馬が囲碁を打った碁盤が残され、その後に龍馬を伴った西郷が帰郷したときに手に入れたものと時期から推測され、坂本龍馬と西郷隆盛が囲碁をこの碁盤で打った可能性もあるとのことです(西郷隆盛の玄孫(菊次郎の曾孫)の方から共通の知人を介して県連役員が譲り受けて、西郷研究の第一人者から簡易鑑定を受けてる品です)


アクティブリゾーツ霧島様の素晴らしい料理とホスタビリティにも改めて感謝致します。

(開宴前)