最高裁判決を受け、全国連絡会として声明を出しました!
最高裁は、9月4日、辺野古新基地の設計変更申請を巡る裁判で、沖縄県の上告を退け、沖縄県の敗訴を確定させました。私たちは、このような状況を批判し、問題の根本的な解決に向かうために、9月15日、声明「私たちには差別をやめる責務がある~9・4最高裁判決に向き合って~」を出しました。ぜひ、ご一読ください。
(声明)
私たちには差別をやめる責務がある
~9・4最高裁判決に向き合って~
9月4日、最高裁は、辺野古新基地の設計変更申請を巡る裁判で、沖縄県の上告を退け、沖縄県の敗訴を確定させた。最高裁は、本質的な議論をすることなく、「設計変更を承認しない沖縄県に国が是正の指示をしたのは適法だ」とする高裁判決を支持したのである。沖縄から「これが民主主義か」「地方自治を踏みにじる」という抗議の声がわきあがるのは当然である。しかし、これらの強い抗議の声は、この国の司法や行政のみならず、ヤマトに生きる私たち一人ひとりの人間にも向けられているというべきである。沖縄の自己決定権を否定しながら沖縄に圧倒的に不平等な基地負担を押しつけるという差別的な政策を根底で支えてきたのは私たちヤマトの人間だからである。
私たちは、今、ヤマトンチュとしてヤマトンチュに問いたい。これが民主主義か?これが地方自治の尊重か?まもなく玉城デニー沖縄県知事は国連人権理事会に出席するが、なぜ沖縄では県知事が国際的な人権機関に出向くのか。ヤマトの「民主主義」が、沖縄の自治を踏みにじり、沖縄県民の人権や権利を侵害しているからではないか。沖縄の民意はくり返し事態の是正を要求してきたが、この国は一貫してそれを無視してきた。この国の司法も、事態を是正しようとはせず、政府と一体となりこれを正当化してきた。残念だが、それがこの国の現実である。
しかし、ヤマトに生きる私たちに絶望する資格はない。現在の政治を根底でつくりあげてきたのは私たちの態度だから。そして、日本社会のマジョリティである私たちが変わることによってしか、この状況は変わらないから。そもそも基地問題は、沖縄の問題ではない。基地問題とは、私たちが沖縄に押しつけた問題である。私たちは、戦後ずっと日米安保条約を保持してきたが、基地の平等な負担は拒絶し、問題を沖縄に押しつけてきた。これが基地問題の本質である。
私たちは、今こそ、ヤマトンチュとしてヤマトンチュに問いたい。米軍基地がどうしても必要なら、私たちはそれをヤマトにおくべきではないか。米軍基地はなくすべきと考えるなら、私たちはそれをヤマトでなくすべきではないか。自分たちの利益のために他者に負担や問題を押しつけることは間違っている。自分たちの利益のために他者の自己決定権を奪うことは間違っている。
人間としての平等を求める沖縄の声は正当である。
基地問題は裁判所の判断や国と沖縄県の話し合いのみで解決できる問題ではない。基地問題を解決するには、ヤマトに生きる私たち一人ひとりが、自らの責任と良心に基づいて判断しなくてはいけない。私たちには、この国の主権者として、沖縄に対する差別的政策をやめる責務がある。
2023年9月15日
辺野古を止める!全国基地引き取り緊急連絡会