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クラブアトレティコ城東

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2018.08.27 06:17

先日の試合中、素晴らしいシーンがありました。

ある選手がゴールを決めた後、両手を広げて飛び跳ね、喜びの雄叫びをグラウンド中に響かせたのです。昂る感情が限界を超え、まさしく“爆発”した瞬間でした。

最近は自分の感情を表現できる子どもが減っている中、ここまで感情を爆発させることができる選手はそうそういませんでした。

交流試合の、しかも味方も相手もたくさんゴールを決めている中、外から見れば多くのゴールの一つにすぎないかもしれませんが、その選手にとっては人生で初めてのゴールで、仲間全員が駆け寄り、祝福され、本当に幸せな瞬間だったのではないかと思います。


今の子どもたちの周りには、常に大人の目があり、子どもが困ることがないように大人が先回りをして、つまずかないようにしてもらい、困ったことがあると解決策を教えてもらい、何事もスムーズに上手くいくことが当たり前になっているような気がします。

だから失敗することを極端に怖がり、自分からトライできず、たとえ成功があってもそれが当たり前で喜びが爆発しない。成功する喜びを感じられず、他者への怒りを抑え、失敗することの悔しさを知らず、自分たちで発見する楽しさを知らない。そんな子どもたちがどうやって感情を表現し、“個性”を見つけることができるのでしょうか。

失敗してもいい。上手くいかなくてもいい。腹が立ったら怒り、悔しかったら泣き、嬉しかったら喜び、楽しかったら叫ぶ。子どもたちがたくさんの感情に動かされ、失敗と成功をくり返しながら、自分たちで解決策を発見し、少しずつ大人に近づいていく。ピッチの上はそんな自由な場所であるべきだと思います。


冒頭の彼が感情を爆発させた時、本来の意味からは少し違うのかもしれませんが、日本サッカーの父と言われたデットマール・クラマー氏の「サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする」という言葉が頭に浮かびました。