【スキコレ】チーズの絵のデザートプレート
*【スキコレ】…超個人的FAVORITEなモノを紹介するコーナーです
その昔イタリアに住んでいたころ、絵皿を目にする機会がよくあって、たまに買い求めていた。
まず、食器店からして日本に比べたら何倍も豊富にあった。
どこでも街の目抜き通りを歩けば何件もの食器店に当たるのだから、
確率的に食器を買う機会は増えた。
しかし今回紹介したいスキコレなデザート皿は、そういった類の店で買ったものではない。
週末になるとたまに遭遇した蚤の市で、衝動買いしたものだ。
どこの街であったのか、しばらく考えていたのだがどうしても思い出せない。
どこか観光に行った先のピアッツァ(広場)をぶらりと散歩している途中であった。
そのときの景色はよく覚えている。
蚤の市だからおそらく、どこかの家庭で使われていたものなのだろう。
すべて柄違いで、6枚ひと組になって裸のまま置かれていた。
わたしはブランドにはまったく疎い人間だが、とにかくこの絵柄に一目惚れした。
売っていたおじさんに「この文字はなんて書いてあるの?」と尋ねたら、チーズの名前だと言う。
なるほど。
これは、カマンベール。
全部で6種類のチーズが皿に描かれている、というわけだ。
この絵からして、原材料は牛のミルクということなのだろうか?
絵皿なので、裏面は上部にこのような形で穴が空いており、
紐などを通して壁に掛けられるようになっている。
しかしこの皿を、壁に飾ってしまうのは勿体無い。
1辺が20センチほどのスクエアで、とても使い勝手が良さそうだ。
荷物になるのは分かっていたが、それでも買って帰ることにした。
割れないようにしっかりと梱包してもらい、喜び勇んで持ち帰った。
そしていまも、我が家で現役で活躍している。
今回、こちらで紹介するために改めて裏印を確認してみた。ドイツ製だった。
社名は読めない。ドイツ語がまったく解らないので。
そんなことより、この皿の何に一目惚れしたのか、理由は明らかだ。
それは、ここに描かれている牛やら山羊やらの表情である。
こんな視線とポーズで見つめられたら…つい、ね。
ほら、後ろのヒツジも彼女に目が釘付けになってるわ。
イタリアの蚤の市は、お洒落に整っているわけではなかったけど、
だからこそ着の身着のままでぶらりと立ち寄ることができた。
その素朴な空気がたまらなく好きであった。
そんな場所で運命のモノと目が合うたびに、
この機会を逃したらもう、一生会うことは叶わないのだと
焦り焦りとした恋心を幾度も燃やしていたのであった。