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Be ambitious, dear friends.

最高の贈り物

2023.10.01 23:00

あなたには宝物って、ありますか?

それは何ですか?


今日は私がとても大切にしているものについて話をしたいです。


それは、いただいたお手紙、です。


英語の指導者を始めてより、たびたび、生徒たちから手紙をいただくことがあります。


お手紙を受け取る機会は、ありますか?


今の時代は、便箋やポストカードにペンや鉛筆を用いて言葉をつづる機会って、相当減っていると思うのです。


実際、大抵の連絡はチャットやメッセージアプリで済ませてしまえるので、わざわざ時間をかけてまで紙と筆を用いる必要はありません。


そもそも手紙を書こうと思ったら、どこかに腰を落ち着けて、考えながら書かねばなりません。一生懸命書いても、万一書き損じてしまったら大変です(まぁ、修正テープなどのツールを使って直しても良いのですが、できれば間違えずに記したいです)。


ですので、あらかじめ書く内容をある程度組み立てておいて、場合によっては手紙の下書きをしてから、本書きをします。つまり手紙を書くとは、それなりの時間と場所と手間をかける気持ちがなければ、できないことではないでしょうか。


でも、だからこそ私は手紙に大きな価値を感じていますし、いただいたら、本当に、本当に嬉しいのです。短くても長くても、繰り返して読み返します。そして、書いてくれた人が私に傾けてくれた貴重な時間に、思いを馳せます。そうして、感謝の思いと心を動かされる温かな気持ちでいっぱいになるのです。


生徒たちがくれる手紙にはいつも気持ちがいっぱいにあふれています。


Nちゃん。4歳から18歳まで、私の元で学んでくれた生徒です。彼女が5歳の時、ご両親がお建てになった新しいお家にお引越しをした時、私はお手紙を受け取りました。ようやく書けるようになったひらがなで初めてつづってくれた文面を、生涯忘れることはないと思っています。


それは、こんなふうに書かれていました。


『Yせんせい すきだよ 

 またこんど Nのおうち』


なんて、素敵なお手紙だったことでしょう。


覚えたてのひらがなで書いてくれたであろう短い文章が、涙でぼやけるほどに嬉しかったのを覚えています。当時、私はまだ指導者として、お世辞にもスキルも自信もあるとは言えない頃でした。だからこそ、Nちゃんのお手紙がとれだけ励ましてくれたかは言い表せないほどです。


他にも、約200通のいただいたお手紙があります。読むたびに、書いてくれた生徒の顔や声、言葉がふわりとよみがえります。



『Yせんせい、えいごおしえてくれてありがとう。たのしいよ。これからもいっぱいおしえてね。またあそぼうね だいすきだよ Rより』


『Y先生、いつもありがとうございます。私は先生の授業のおかげで、発音に自信が持てたので、英語が好きになりました。学校でも褒められることが増えました。‥ Mより』


『‥先生はかっこよくて綺麗で優しくて、私の理想の大人の女性です。先生の授業は私にとってすごく楽しくて、すごくやる気になります。スピーチ大会を前に不安な気持ちもあるけど、Y先生に教わったことを忘れずに最後まで頑張ります!!‥ Tより』


『‥私が10年間も習い続けてこられているのは、Y先生が私の先生だからこそです。‥S』


『‥受験であまりにも辛かった時は、先生にいただいた”It’s always sunny, behind the clouds. 雲の上はいつも青空”の言葉を思い出し、乗り越えることができました。‥K』


数えきれないほど多くの、生徒たちからのお手紙を受け取る機会を得て来ました。短いものから長いものまで全て、大切に特別な箱の中にとってあります。



とんでもないです。

私の方こそ本当にありがとう。

勿体無いほどの言葉、痛みいります。

私ではなくてあなたのひたむきさと素直さと努力こそが、あなたの道を開いてくれたのです。ですから、どうか、自信を持ってくださいね。


ひとつひとつのお手紙の言葉に、心の中でお返事をしながら、読むひととき。これを幸いと呼ばずになんと呼ぶのでしょう。


ブログでも時折繰り返していることですが、私は、私が生徒にしたことより、生徒が私にしてくれたことの方がはるかに多いと、日々思っています。


指導者として当然なすべきことをしているだけの自分に対して、生徒から向けられる視線があまりにも温かいと感じるがゆえです。


 

私の宝物は、いただいたお手紙たちです。


今までも、これからも。一通、一通のお手紙たちを最高の贈り物として、大切にしていきたいと思っています。



(続編へ、つづく)