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キャンピングカーで日本一周

8月28日 にかほ市象潟地区散策

2018.08.28 14:52

今日は居心地が良い道の駅「象潟」で休養の一日。夕方、天然記念物「象潟」となっているところの、芭蕉をはじめ多くの文人墨客を魅了した「九十九島・八十八潟」をジョギングに行く。

要は、道の駅から鳥海山に向かって国道7号を渡った向こう側に広がる水田地帯にポコポコと島のように浮かぶ松林のことなのだが、例によって地図アプリだと道がわからないので、アスファルトでも砂利道でも走れるところを適当に行くしかない。最初の方で「島巡りコース」という標識を何度か見かけたが、あとでパンフを見ると、これはほんの短いコースで走るのには関係がなかった。

草が刈られた田んぼ道を走っていると、前方に自転車を停めて立っている人がいる。田んぼの様子を見にきている農家かと思って挨拶すると、スケッチをしている年配の男性だった。


「ここの人?」「旅行者です。道の駅に車を停めて、行く先々で走ってるんです。」「ほう、ランナーかい。」まあ、ランナーというほど真面目には走っていないが。「いい趣味ですね。」「ここ、前から来たかったんだよねえ。」男性は東京の後楽園近くに住んでいるという。「今はLCCがあるからね。この前は奄美大島、それから恐山にも行ったなあ。」「恐山は私も行きました。小さなお地蔵さんが並んでました。」「あの鳥海山が2500年前に崩れて島みたいになったんだが、この辺の人の話では、このあたりはどこでも掘ると貝とか出てくるらしいね。」「じゃあ、結構いい土なんですかね。」「養分はあるのかも知れないが、砂が多いらしい。」以前、キャンピングカーにも興味があったが、奥さんに反対されてそれっきりになったそうだ。田んぼと松林を描く水彩画はまだ半ばのようである。「どうもお邪魔しました。」「いや、どうせ時間足りないし。旅館の人がそろそろ迎えにくるから。」「お話できて良かったです。では、お気をつけて。」

田んぼ道を走り、前方に突き出す松林に着くと行き止まり、ということが何度かあったが、昔は舟で渡ったという「島」を、田んぼ道を選んでつないでいくのは迷路のようで面白い。まるで「東海道五十三次」のような風景の中を走っているのは不思議な気分である。


適当なところで田んぼ道から舗装路に出て、にかほ市役所を過ぎたところで踏切を渡り、国道7号を道の駅方向に走ると、右手に「蚶満寺」がある。ここで芭蕉の像と彼が詠んだ絶世の美女・西施の像に挨拶し、道の駅に戻った。

道の駅にある展望温泉に行くと、ちょうど夕陽が水平線に沈むところだった。厚く重なる雲の間から夕陽が顔を出し、燃えるような円になったのもつかの間、すぐに沈んでしまった。無数の松林が海に浮かんでいた芭蕉の時代、夕陽に照らされた象潟はさぞ美しかったことだろう。(Y)

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