上映
おはようございます。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
先週の日曜日9/17(日)はお店をお休み頂き、
兵庫県民芸協会主催の「あめつちの日々」自
主上映会に行っていました。Facebookさんが
知らせてくれたところによるとちょうどその
日の7年前に十三の第七藝術劇場で「あめつち
の日々」を観ていたようでまさか後にその上映会を企画することになるとは思ってもいま
せんでした。7年前に観てるとは言え覚えて無
いことも多く(テマヒマ店主も参加しましたが
途中まで観に行ったことさえ忘れてたらしい)
また今こうやってテマヒマを営んでいたり、
民藝に末席ながら関わっていたりすることで
見えたり感じたりすることもあって、再び観
ることが出来て、観て頂く機会を作ることが
出来て良かったです。
映画は読谷村北窯のモノづくりの様子を追い
つつ、ナレーションは全く無く、松田米司親
方へのインタビュー、語りと美しい映像のみ
で進んでいきます。
中でも米司親方の伝統や工芸についての考え
方は長年続けてこられたからの言葉で深く、
そして考えさせられます。曰く、海洋国の沖
縄はスケールが大きく伝統も残っている、そ
こには「自分」が入って無い方が良い、誰が
使ったかとかはうるさい、先達のモノを吸収
して自分の解釈にして生み出す(※細かい表現
は違ってたと思います)。工芸と雑貨の違いを
前者は技術の積み重ねによって生み出される
もの、校舎をアイディアから生まれるもの、
だから流れていくし、使い捨てされてしまう
と表現してらっしゃいました。例えばマカイ
(沖縄のお碗)も、重ねて焼くという制約から
カタチが生まれた面と、カタチは無限である
面とを仰っていて面白かったです。
沖縄という土地の長い歴史、戦後アメリカに
占領されていた歴史が、自分自身のルーツや
アイデンティティを求める背景にあると感じ
ましたが、沖縄の土100%で本当は作りたいが
難しくなった現在、沖縄の焼き物のルーツで
ある南方(この映画ではベトナム)に目を向ける
ようになったそうです。j土を焼くのが仕事、
土探しも仕事」。採掘場で原土を見るとワク
ワクすると仰ってました。
映画の最終盤で、現在のやちむんの里が生ま
れた経緯が語られます。かつて読谷村は米軍
基地がかなりの面積を占めていて、やちむん
の里辺りは不発弾処理場でしたが、「文化」
の力で生まれ変わらせる!という当時の村長
山内徳信さんの強い信念、先見の明によるも
のだったことを知り(一度観てるのにこの重要
な場面を忘れてしまってました)、目頭が熱く
なりました。
映画の後は、この映画や書籍「読谷山焼 北
窯 四人の親方とやちむんづくり一年の記
録」制作にも深く関わってらっしゃった、し
かまファインアーツ•四釜尚人さん、北窯で米
修行し高槻でご夫婦で作陶されてます中ノ畑窯佐藤央巳さん(修行先は松田米司工房)をお招
きしてのトークイベントでした。佐藤さんか
らは修行時代のことを中心に、四釜さんから
は映画制作の経緯を中心に興味深いお話をお
伺いすることが出来、映画と合わせて、北窯
のこと、やちむんのこと、沖縄のこと、手仕
事について、理解が深まったのでは無いでし
ょうか?
ご参加頂きました皆様ありがとうございました!お話頂きました四釜さんと佐藤さん、事
務局の西堀さん、大阪民芸館の皆様ありがと
うございました!
今回上映会の参加者は、兵庫県民芸協会会員
が1/3、会員以外が2/3という構成でした。や
ちむん、沖縄がテーマの映画であること、会
場が万博公園内の大阪日本民芸館と兵庫県か
らは少し遠いことなども理由として考えられ
ますが、会員外の方に協会活動を知る(もしよ
ろしければ入会する)きっかけになるとよいな
ぁと思います。実は料金設定について、協会理事の間でオンライン上ではありますが、活発な議論がありました。個別具体的な事例だ
ったこともあり色々な意見があって、とても健全な組織だなぁと感じました。
昨日はランチタイムスタートから閉店までお
客様が途切れる事なくお越し頂きました皆様
ありがとうございました。満席でお断りして
しまった皆様申し訳ございませんでした。
河井寛次郎記念館学芸員で河井寛次郎のお孫
さんの鷺珠江さんや、盛り付けデザイナーの
飯野登起子さんのご来店もあってなんだか賑
やかな1日でした。
テマヒマは今日明日火曜日水曜日で定休日で
す。今日は明日から始まる神戸阪急の催事の
準備に行ってきます。
それでは、今日も好い一日を!