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「こども×感性を育てる」を学ぶ・体感する 【MIRAISベイビーシアターproject】を開催しました!

2023.09.19 04:09

赤ちゃんのための舞台芸術「ベイビーシアター」を通して、「こども×感性を育てる」について深く学び、体感し、振り返る【MIRAISベイビーシアターproject】を実施しました。

projectでは、ベイビーシアター公演「KUUKI」の鑑賞を含んだ4つのイベントを、3ヶ月に渡って展開しました。

開催概要

■開催日時

DAY1:2023/6/15(木) 11:00~12:00 事前講義①(乳幼児の応答性、乳幼児の保育・教育の基本)

DAY2:2023/7/13(木) 11:00~12:00 事前講義②(養育者のあり方、幼児の育ちに果たす舞台芸術の役割)

DAY3:2023/8/9(火)  13:15~14:15 「KUUKI」公演鑑賞

DAY2:2023/8/24(木) 13:00~14:00 制作者・演出家・演者を招いたフィードバック会

■会場

オンライン(Zoom)、四谷区民ホール

■参加人数

のべ176名

■ワークショップ主催

ミラベビpj運営メンバー

■内容詳細

<DAY1>

乳幼児の育ちや学びに果たす児童文化等の役割を専門に研究されている倉敷市立短期大学・浅野准教授をお招きしました。乳幼児の特性や、最新の保育・教育学での見解を踏まえたうえで、ベイビーシアターの概要について講義いただきました。

*講師* 浅野泰昌准教授

倉敷市立短期大学保育学科/専攻科(保育臨床専攻)

児童文化、保育内容の領域「言葉」及び「表現」がご専門

国内における「ベイビーシアター」の研究・実践の先駆者

講義では最初に「乳幼児は生まれながらにして感動する心を持っている」ことを様々な映像を用いて説明いただきました。「乳幼児は共感し、読み取る力がある」ことから、「身近な人と一緒に、五感を駆使して様々なものに関わりを持つ環境の中で感性が育つ」ことを学びました。

次にベイビーシアターは「舞台を鑑賞するだけでなく、作品に出たり入ったりできる芸術」であり、「観るだけの芸術では経験できない体験をもたらしてくれる」との解説がありました。

参加者からは「乳幼児と身近なものとの関わり方の実例が大変参考になった」、「ベイビーシアターでの貴重な体験が今から楽しみ」といった声が寄せられました。

<DAY2>

前回に引き続き、倉敷市立短期大学・浅野准教授をお招きして、「人的環境としての保護者」である私たちの在り方や、「乳幼児の育ちに果たす舞台芸術の役割」について講義いただきました。

講義では最初に「乳幼児は、身近な大人とのやり取りを繰り返すなかで、言葉や社会性を学ぶ」だけでなく、「大人と同じものを一緒に見ることを通して、感情や物事への向き合い方までも同調し、共有する」ことを説明いただきました。子は親の鏡であり、「物事にどう関わるのかといった文化的な遺伝子も、親から子へ伝わる」ということを学びました。

次に、ベイビーシアター「KUUKI」は「時間的・空間的な変化を味わう」、「他者とともに時間と空間を共有する」、「物事への集中を促す」、「気づきと探求を促す」、「物事への参加を促す」といった要素を含んだ「総合的な関係性の芸術」であると解説いただきました。抽象的な題材を用いているため「作品の意味を考えるのではなく、大人も子と一緒に作品を感じながら楽しめる」ことや、舞台芸術を通して「親がどう作品に向き合っているか」を子が同調し、共有する機会となることを学びました。

参加者からは「子どもに体験の機会を一方的に与えるだけでなく、親も一緒に楽しむことが大切だと感じた」といった声が寄せられました。

<DAY3>

MIRAISメンバー限定のベイビーシアター「KUUKI」公演が、新宿の四谷区民会館にて行われました。午前・午後の2公演に40組近い親子が足を運び、ベイビーシアターの世界を堪能しました。

また午後の公演は、浅野准教授に解説いただきながらのLIVE配信も行いました。「KUUKI」の公演の様子だけでなく、観劇中の乳幼児のリアクションもまじえながらの配信となり、興味津々に動き出す子や、音楽に合わせて体を動かす子、じっと様子をうかがっている子など、1人1人の個性の違いを見ることができました。

参加者からは「子どもがこんなに集中して見るとは思わなかった」、「観劇中、子どもが私のほうを振り返り、舞台の空気を共有しようとしている様子が見られた」といった声が寄せられました。

<DAY4>

DAY3に行われた「KUUKI」公演の出演者や児童演劇協会理事、さらに「KUUKI」の演出家・美術家をポーランドからオンライン中継で招き、MIRAISメンバーと感想を共有し合うフィードバック会を行いました。乳幼児舞台芸術・劇場教育学の本場であるヨーロッパの専門家から直接お話を伺える大変貴重な機会となりました。

*フィードバック会ゲスト(敬称略)*

かこうかなこ(アコーディオン奏者)

松田紀子(パフォーマー)

はらだまほ(パフォーマー)

アリツィア・ルブツァック(演出家)

バーバラ・マレッカ(美術家)

太田あきら(児童演劇協会理事・ベイビーシアターネットワーク協会代表)

最初に「KUUKI」制作時の舞台裏についてゲストに伺いました。日本ではまだ知られていなかった「赤ちゃんのための舞台芸術」を広めていくために、ベイビーシアターの本場である海外の演出家と一緒に作品を作るところから始まった「KUUKI」。制作に際しては、アーティスト、ディレクター、教育者など、関心のある日本人が多かったことに驚いたそうです。ベイビーシアターに触れたことのない日本の観客に受け入れられるように、日本の社会的な要素や文化をMIXするなど工夫し、作品を作りあげたといった裏話も紹介いただきました。

意見交換の時間では、公演当日の子どもの反応をメンバー間で共有し合ったほか、「発達段階に応じて何度も観に行きたい」といった声やベイビーシアターの未来への提言など、多様な意見が出てきました。

■まとめにかえて ~ミラベビpj運営メンバーの想い~

「1人でも多くの赤ちゃんとママにベイビーシアターを届けたい」という運営メンバー5名の熱い想いから、ミラベビpjはスタートしました。一般社団法人ベイビーシアターネットワーク/児童演劇協会に多大なご協力をいただき、「赤ちゃんを主役としたリアルイベント」を含む複数イベントの企画運営に挑戦し、無事、実施することができました。

芸術を切り口とした親子での体験共有の重要性を学べたこと、舞台芸術を通した親子での体験共有の機会を実際に得られたこと、そして、ベイビーシアターの認知度向上に微力ながら貢献できたこと。これらは、今回のミラベビpjを通して得られた成果であり、運営メンバーの大きな喜びでもあります。今後、ベイビーシアターの日本での普及活動が少しでも進み、次世代の赤ちゃん達にも貴重な経験ができる未来につながってほしいと願っています。