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働きながら育てられるのか?

2018.08.30 00:00

著書「35歳で妊娠が分かったら読む本」より抜粋


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国民はちゃんと平等で、生活の保障を受けられるようになっているわけです。

それにもかかわらず、産まれてきた子どもたちの生活の保障はどこにあるのか?


さっぱり見えてこないんです。

これは、どうしてなのか?


というと、日本の色々な施策が日本の国民をどのようにして管理していくか。


という考えの上で為されているようで、個人個人の考え方というものを反映していない。

女性が働きやすい社会を作ろうとか、年間休日を決めて、楽しい人生を送ってくださいという施策というのは、必ずしも国民の生活を豊かにしようとも思っていないんです。

国は、ある意味都合の良いところは管理をして、都合の悪いところは無視をするといった政策がどうも見え隠れしています。

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今の時代、女性が働ける環境が整っています。


それもあってか、30歳を過ぎてから妊娠したというケースが増えています。


その場合は、新型出生前診断を受けた方がいいと思うのです。


というのも、先天性の障がいがなく出産することが出来れば、そのまま仕事に復帰することができるからです。


しかし、残念ながら検査で陽性の場合でも産むという決断をするのであれば、出産後、以前と同じように働くことは難しいと思います。


染色体異常の場合、知能発達に遅れが出ます。


例えば、2歳になった時に他の2歳の子どもと染色体異常を持った子どもとでは、やはり差があります。


知能発達が遅れることに関しては、医師など医療従事者でなければどんなものなのか分からないと思います。


会社からしてみれば、いつになれば前のように働けるのか?


と疑問を持ち、そして最悪のケースではクビということになります。


クビになれば、子どもを養う収入が無くなります。


新しい命を手に入れることで、失う仕事や収入があります。


当然、世帯の収入は減ります。


しかしながら、子どもが成長するに従って、不安はどんどん膨れていきます。


新型出生前診断を希望する方の中には、そうした染色体異常の子どもを育てる親を見て、もし私が染色体異常の子どもを持ったら、ちゃんと育てられるのか?


とても不安になったからという理由の方もいます。


30歳で妊娠するケースが増えている上、核家族化が進んでいて、昔のような家族や親戚で互いに支え合って生活していく文化は減っています。


つまり、子どもを産んで、この子どもを見ていけるのは、夫婦しか居ません。


やはり、新型出生前診断を希望する方達は、自分たちの不安や負担を当然感じているわけです。


もちろん、産んであげたい気持ちはどの夫婦も持っているわけですが、


共働きの夫婦の場合、どちらか一方が仕事を辞めるとなると、生活は厳しくなります。


社会的サポートがあるとしても、仕事をしている時と同じように、月給が入り、ボーナスが支給されるわけではありません。


ある程度のお金があれば、障がいを持っていても我が子を産み、様々なサービスを利用して育てていけます。


しかし、今の日本ではそうした融通はなかなか効きにくいのです。


社会的側面から、新型出生前診断を受けて陽性の場合、中絶する夫婦は、こういった考えも少なからず持っていると思うのです。


日本は、資本主義社会ですから、お金が無ければ生活していくことは出来ません。


障がいを持った子どもを産んだからといって、生活保護受給が出来るわけではありません。


お金の問題も、多々あると思うのです。


もちろん、検査で陽性の場合、お産に持っていった方たちもいます。


しかし、皆が皆その選択が出来るとは限りません。


以前では、結婚する前に子どもが出来たら親に合わせる顔が無いような時代でしたが、


今では、授かり婚と言われ、受け入れられています。


この授かり婚という考えが、どんな子どもでも出来たら産んだ方がいいという偏った考え方を作っているのかもしれません。


子どもを授かるとは言いますが、神棚に手を合わせて子どもを下さいと願っても、精子と卵子が出会って、受精して細胞分裂を繰り返さなければ、子どもは出来ません。


医学というのは、社会に左右されずに有続けることがとても大切なのです。


日本経済が破綻しても、日本医療は存在し続けなければなりません。


ですから、医療と社会を一色単にして同じ天秤にかけて、命を計ろうとすることは、良いことではないのです。


やはり、新型出生前診断を受けて、陽性が分かっても産みたい、育てたいと思えばお産に持っていけば良いですし、


夫婦で考えて、苦渋の決断もできるわけです。


今の時代だからこそ、選択肢が増えているだけのことであって、


その選択肢に問題があるのではなく、


その選択肢から中絶という選択をせざるを得ない状況を作り出した社会に問題があるのです。


どんな夫婦にも、平等に選択する権利もあり、お腹の子どもの情報を自由に知る権利もあります。


新型出生前診断という検査は、夫婦に与えられた自由な検査なのです。


受けるかどうかも自由。


検査の結果、どう選択するのかも自由。


ただ、大事なのは、いつも夫婦のそばで見守ってあげる人たちが居ないといけないのです。


それが、最も大切なことだと思うのです。