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更夜飯店

香港国際警察 NEW POLICE STORY

2018.08.29 19:47

香港国際警察 NEW POLICE STORY

新警察故事

2005年3月15日 有楽町スバル座にて

(2004年:香港・中国:124分:監督 ベニー・チャン)

この映画、香港や中国でのアカデミー賞、香港電影金像賞や台湾金馬奨に多数ノミネートされたのは十分納得なのですが、驚いたことに、2005年の日本の淀川長治賞がジャッキー・チェンでありました。(淀川長治賞はどちらかというと日本映画に貢献した人へ贈られる賞)

ハリウッドへジャッキーが行ったのは良いことなのですけれども、その分、香港映画の勢いまで持っていってしまった感があって寂しい限りだったのですが、今回は、ど~んと派手にやってくれましたね。とても嬉しい。

しかしジャッキーも50歳を超え、最近は若手明星の育成・・・ニコラス・ツェー、スティーブン・フォン、サム・リー、ダニエル・ウー、テレンス・インなんかを集めて『ジェネックス・コップ』シリーズの製作、Twinsとエジソン・チャンを出して『ツインズ・エフェクト』の製作など、後に回って、自分はハリウッドにってパターンでしたが、やはりジャッキーを超えるのはジャッキーしかいないのではないかなぁと思います。

今回は上記の若手プラスもっとたくさんの若手を集めているのですが、誰よりもアクションのキレがいいのはジャッキーだし、若さあふれる役者を揃えても全身で演技するオーラのようなものはジャッキーを超える人はいないです。

そして今までの『ポリス・ストーリー』(第一作目は1985年だったのね)やジャッキー映画と違うのは、おちゃめな笑いの部分はもうジャッキーはやらない、と言うことです。

今回は警部ながら、一年前に作戦に失敗、部下を死なせてしまったことを悔やんで酒浸りになる姿やなかなか立ち直れないという部分がとても多いのにびっくりします。(吐くシーンまで上手いと思うなぁ~意外と吐くシーンってリアリティないのに・・・)

そして敵は、今までにない若者達(頭目がダニエル・ウー・・・モデル顔して頭、育ち良さそうで、冷酷で、繊細でって役はこの人上手いです)であるということです。若者には優しいかったのに、今回は冷酷で、遊びで犯罪を犯し、警察を翻弄するとことん悪い奴が「若者」なんです。

しかし、謎の相棒警官、シウホン(ニコラス・ツェー)の登場によってだんだん立ち直ってくるチャンことジャッキー。のらりくらりとして、立ち直りの早いかつてのジャッキーの領分はもうニコラス君に譲りましたか・・・

しかし、大きなアクションだけでなく、高い塀をぱぱぱっと登ってしまう一瞬の「芸」というのはジャッキー逃しません。

もちろん、次々とたたみかけるようなアクション、事件と展開はものすごく早く、そしてスタントなしでやっているというのがよくわかる命がけの撮影・・・カメラマンも一緒に墜落してたのかぁ~~~だろうなぁ~~~って、本当に作り手のエンターテイメント精神と根性にひたすら感心、感動、うちひしがれ、涙してしまうのでした。

(私は生まれ変わったら香港人になりたいと思う香港電影好きだから、ここら辺の大袈裟はお許しください)

一年前の事件のすさまじさ、バスが暴走するときの迫力、コンベンションセンターの大きな屋根の上でのアクション、高いビルから落ちながら綱一本で3人が追いかけっこするという手のこんだ危険なアクション。

香港という狭い街を活かしたチェイス、高層ビルのくらくらするような高さ、また、玩具がたくさんある子供の遊び場でのカンフー対決の遊び心。(くずしたロゴ人形の頭はちゃんと元に戻すっていう細かいところなど笑えますね、あれだけ派手に破壊しておいて)

観る者を楽しませようという心意気がびしびし伝わってきて、とても好きな映画・・・まさに香港電影!

この映画ではアクションをしなかったけれど、警察のコンピューター専門のササはTwinsのシャーリーン・チョン。本当はアクションもばりばりこなし、歌手として歌も大ヒット、コメディエンヌの雰囲気も持つ女の子ですね。贅沢な使い方だなぁ。

そしてダニエル・ウーの部下で、ジャッキーとカンフー対決をするティンティン役のアンディ・オンは、第2のジェット・リーと言われるだけあってその身のこなし、アクションのキレの良さ、ジャッキーとのカンフーはもう戦いというより様式の美学。

という訳で涙を流しつつ、感動してもう一回観たいと後ろ髪引かれながら映画館を後にした私でした。