リトアニアへ2~祈りの街・ベルナルディン教会と聖アンナ教会
教会をすべて覗いていると一生かかりそうな気がするので、この2つは観に行こうと決めて行ってきた教会。
写真の右側がベルナルディン教会、左側が聖アンナ教会です。ベルナルディン教会が道路に対して旗竿地の様な位置にあるので2つで1つの教会と思ったり、どっちがどっちかわからなかったりする観光客もいるそうです。私はファサードの雰囲気がベル(鐘)の形に見えるのがベルナルディンと覚えました。見た目の様式が異なる教会がこんなに近くにある光景は不思議な感じがします。
ベルナルディン教会内の特徴は、石ではなく木製の装飾と白地の漆喰に描かれたフレスコ画。木目とテラコッタの様な色調のフレスコ画が温かみがあり気持ちが緩むように思います。
壁面は16世紀に描かれたフレスコ画で覆われています。古い絹織物の様にも見えます。
礼拝堂も16世紀当初(日本史だと室町時代でしょうか)のまま。祭壇も天井に描かれた植物(クルビッツの様だと思うのは間違いかな)もただただ美しい。
聖アンナ教会は白くて明るいイメージだったベルナルディン教会とは異なりこじんまりと薄暗い。
ところが薄暗いからこそ映える祭壇の美しさと言ったら!!
明暗の妙。周囲の石の彫刻の重さと描かれた聖母の透き通るような白いレースの衣の対比が美しく、思わず「わぁっ」と声を出してしまいました。触れたらなくなってしまいそうな透明感と言うのでしょうか。かのナポレオンは教会を小さくしてフランスに持ち帰りたいと言ったとか。ステンドグラスも美しいのですがそれより強く印象に残る聖母でした。
ヴィリニュスは驚くほど教会があり、また敬虔なカトリック教徒がほとんどで、教会を訪れたなら必ず祭壇の前で祈り礼拝堂を出る際には胸の前で十字を切って外へ出られます。
私達も日本で神社を詣でたら鳥居の前で一礼、参道は端を歩き、鈴を鳴らしたら2礼2拍手1礼(様々あります)したりしますが、おそらく年に数度の作法・・・。まるでいただきますを言うように生活の一部に祈りの習慣があることにとても驚きました。
ユダヤ人の居住をあまり快く思っていなかった過去、ポーランドやドイツからの侵攻、そしてロシア制圧下での弾圧、そして成し遂げた独立といった歴史の中で、落とされた命への報いや弔い、平和への願いが祈りの源の1つでもあり教会の多さなのかなと思うと、敬虔なキリスト教徒の一言では言い尽くせない重みを感じたのでした。
ちょっとお参り行って来るね・・・みたいな感じもあったりするのかな?。
<のんびり一息>
教会の近くに広い市民公園がありました。それまでに見たことの脳内整理や、同行者とくだらないよもやま話をする時間にお勧めです(私は夫と目に入ったものにアテレコしてのんびりします)。
木陰は気持ちいいですし、アイスクリームも売ってるし(←重要)。