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ZIPANG-2 TOKIO 2020~伝統の若狭瓦北前船で北海道へ~「小浜市の国重要伝統的建造物群保存地区を歩く(その4)」

2018.09.01 14:55

小浜西組伝統的建造物群保存地区

古くから大陸や朝鮮半島、そして京の都と深くつながってきた小浜には、その繁栄の名残を今に伝える町並みや文化財、伝統行事が数多く伝承されています。

小浜市伝統の若狭瓦。屋根には波が立った立浪型鳥衾が施されています。波や水がデザインされ建物を火災から守る火災除けとして多く使われていました。

建物を火災から守る若狭瓦

かって若狭瓦は名産品と一緒に北前船で北海道や東北に送られました


歴史的町並み

小浜西組は八幡神社の門前町として発展

小浜西組伝統的建造物群保存地区「三丁町」のランドマーク


小浜西部地区

平成20年6月9日の官報告示で、小浜市小浜西組伝統的建造物群保存地区(約19.1ヘクタール)が国の重要伝統的建造物群保存地区として、正式に選定されました。


江戸時代中期まで日本海側で有数の港町として繁栄していた名残を今に伝える優れた歴史的な町家建築物等が数多く残っています。特に、三丁町通りや八幡神社以西の旧丹後街道沿いには、歴史的町並みが残っています。

小浜は、古くから若狭の中心地であり、中世の頃には京に最も近い日本海側屈指の湊町として繁栄していました。大永2(1522)年には若狭武田氏が後瀬山城を築き、山麓には居館を配置し、町を整備しました。江戸期になると、京極家が小浜城の築城を開始し、これを中心とした町づくりを進め、中世の頃には武家と町人が混在した小浜の町は町人地として整備されることになり、東・中・西の3組に分けられました。現在、小浜西組で構成される町並みは、現存する明治4(1871)年の地籍図とほぼ同じ形態であり、茶屋町だけでなく、丹後街道を基軸とした町割全体が評価されています。

≪一門一灯運動≫
 地区内の伝統行事にあわせて,その周辺の各戸に自分達で 作製した行灯を設置。現在,役員宅の数軒には行灯を設置していますが,いずれは全戸に設置し,子どもたちや地域住民の安全を守るとともに,町並みの情緒を盛り上げていく予定とのことです。


小浜西組地区には、町家、離れ(付属屋)、土蔵、寺社建築物、西洋建築等、様々な建物があり、明治21(1888)年の大火以降の建物が主体となりました。小浜西組の町家は、京都と同じく「ウナギの寝床」のように間口が狭く、奥行きが長くなっています。小浜市伝統の若狭瓦、防火壁となる袖壁(袖うだつ)、ベンガラ格子、井戸のマークが施されています。土蔵は海鼠・漆喰・板張等の壁で、屋根には波が立った立浪型鳥衾が施施されているところにご注目ください。また、茶屋町では土蔵が少なく、茶屋建築の意匠をあしらった離れが奥に建っているケースが屡々見受けられます。

べんがら格子。町家と商家では、商家のほうが手が込んでおり見せる工夫もされています。

袖壁(袖うだつ)は防火壁の役割

防火用として大きな井戸があることを知らせるため軒には井のマークをつけてあります

地下に石室を設け火災時には貴重品など避難させていました

明りとりになっている中庭

火災のことを考え、通り庭や中庭を抜け最奥に防火帯の役目を果たす土蔵があります。

これらの魅力的な歴史的環境が息づく本地区は、「小京都」と称される小浜を代表する地区であり、多くの観光客が散策に訪れる地区となっています。


小浜西組茶屋町「四季彩館 酔月」

町並みと食の館 旧料亭「酔月」が市に寄贈されたことから, 町並み散策の拠点施設のひとつとして整備。 現在は市内ホテルの指定管理により食事 処「四季彩館 酔月」として運営されています。


茶屋町
開口が大きく二階に出窓などが付いている。窓や格子のデザインが凝ったものが多い

茶屋町では土蔵が少なく、茶屋建築の意匠をあしらった離れが奥に建っているケースが屡々見受けられます。

旧料亭「蓬嶋楼」

伝統的な町並みが残る小浜西組地区において、蓬嶋楼は、明治期に建てられた料亭で、当時の面影を現在も色濃く残している建物です。

開館時間:土日祝日 午前10時から午後4時
入館料 :無料
ガイド :10名以上の団体は要予約。
ガイド1名につき、運営協力金として1,000円を申し受けます。
TEL(FAX)0770-52-2316
観光ボランティアガイド「若狭の語り部」担当松木まで 


小浜西組地区が重伝建地区となった平成20年6月9日の官報告示では、国の重伝建地区は83地区でしたが、平成30年4月1日現在で、国の重伝建地区は117地区となっています。 


旧丹後街道沿道地区

・遠敷地区は、小浜西部地区と並んで、小浜の歴史観光の中心地区にあたる地区となっており、 旧丹後街道沿いには町家風建築物がみられます。 

越前と丹後宮津を結ぶ旧丹後街道


旧丹後街道地区の町並みへの住民による取り組み

旧丹後街道に面する建築物の高さ及び壁面の位置は、できる限り隣接する建築物に揃える等、歴史的景観や町並みの連続性に配慮するとともに、できる限り木造、2階建て、瓦葺きの和風建築を基本とし、歴史的な町並みに配慮した形態・意匠としています。

歴史的町並みに配慮した事例(住民による自主的な取り組み)


緑豊かな景観とするため、できる限り多くの緑を確保します。

敷地内の緑化措置の事例(住民による自主的な取り組み)


旧丹後街道沿道及び歴史的景観資源の周囲では、道路等の公共空間から容易に望見できない位置に集積又は貯蔵するか、もしくは容易に望見できないよう敷地外周部等に植栽等による修景措置を講じます。

自転車置き場を修景した事例(住民による自主的な取り組み) 

  

文化財

・飛鳥・奈良時代以降、若狭国の中心地として繁栄してきた小浜市には、多種多様の文化財が 遺存しており、福井県内最多の文化財数を誇っています。市内には、平安時代の仏像や鎌倉時代に創建された寺院が数多く残されており、特に、明通寺の本堂と三重塔は鎌倉時代に創られたもので、国宝に指定されています。

・これらの歴史文化資源は、古刹等を巡る「国宝めぐり」等、小浜の歴史観光を支える観光資源ともなっています。

明通寺は、大同元年(806)の創建と伝わる古刹で、三重塔は文永7年(1270)に建立されました。明治時代に屋根が柿葺から桟瓦葺に改められているものの、全体に保存状態がよく、鎌倉時代の均整の取れた仏塔の姿をよく留めています。

 ■ 主要な文化財(国指定)

【建造物(国宝)】:明通寺本堂、明通寺三重塔

【建造物(重文)】:妙楽寺本堂 附厨子、神宮寺仁王門、羽賀寺本堂、飯盛寺本堂、神宮寺本堂

【彫 刻(重文)】:木造大日如来坐像(円照寺)、木造薬師如来坐像(国分寺)、木造阿弥陀如来坐像(萬徳 寺)、銅造如意輪観音半伽像(正林庵)、銅造薬師如来立像(竜前区)、木造不動明王立像(円照寺)、木造薬 師如来坐像/木造降三世明王立像/木造深沙大将立像/木造不動明王立像(明通寺)、木造千手観音立像/木 造毘沙門天立像/木造十一面観音立像(羽賀寺)、木造男神・女神坐像(神宮寺)、木造千手観音立像(妙楽 寺)、木造薬師如来立像 附木造十一面観音立像・木造菩薩立像(多田寺)、木造観音菩薩坐像(長慶院)、 木造千手観音立像(加茂神社)、木造千手観音立像 附木造毘沙門天立像・不動明王立像(谷田寺)

加茂神社の千手観音菩薩立像
檜材の一木造で、頂上仏を除く像高は108.5cm。胴部を細く引き締めた体貌に特色があり、制作は11世紀の早いころとみられています。
像を納める厨子は、市指定の文化財で、すべて桧材でつくられ、内側左の支柱に「応永五年戊寅(1398)五月一六日」の墨書銘があります。 旧暦の1月16日に行われる、加茂神社上宮「芽立ち神事」は県の無形民俗文化財に指定されている神事で、土中に埋めた色々な木の芽を入れた木箱を掘り出し、その年の豊作を占います。


【絵 画(重文)】:絹本著色不動明王三童子像、絹本著色弥勒菩薩像、絹本著色弥勒菩薩像

【書 跡(重文)】:紙本墨書印可状、紙本墨書羽賀寺縁起

【典 籍(重文)】:大般若経、詔戸次第

【工芸品(重文)】:太刀 銘宗口(伝宗近)

【 史 跡 】:若狭国分寺跡、岡津製塩遺跡、後瀬山城跡

【 名 勝 】:萬徳寺庭園、若狭蘇洞門

【 天然記念物 】:萬徳寺のヤマモミジ、蒼島暖地性植物群落

名勝 萬徳寺 庭園 紅葉

八ヶ寺の中で唯一、国指定名勝の庭園を持つ寺院。花の名所として知られています。春はツツジ、初夏は新緑、秋はモミジが、白砂を敷き詰めた枯山水庭園を彩ります。  四季折々にさまざまな表情を見せてくれる花と自然が魅力です。


伝統行事

・お水送りや手杵祭、放生祭等の数多くの伝統行事は、小浜市民の心象風景として、また、多くの観光客に親しまれる観光資源として、大切に受け継がれています。


■ 主な伝統行事


小浜市「景観づくりの基本理念と基本方針」

 小浜市は、国定公園の指定を受けた美しい海岸線、市街地景観の遠景となる緑豊かな山々、人々の生活に潤いと安らぎを与える河川等の水辺景観等、豊かな自然と文化的景観に恵まれた都市となっています。

また、古くから大陸や朝鮮半島、そして京の都と深くつながってきた小浜には、その繁栄の名残を今に伝える数多くの社寺や文化財、情緒ある町並みや伝統行事等の歴史的景観が大切に受け継がれており、小浜市民の郷土に対する誇りや愛着の源となっています。

さらに小浜市では、世界遺産暫定リスト登載に向けた取り組みや、「御食国」としての歴史を活かした食のまちづくり等のプロジェクトが鋭意進められる等、市民の知恵で魅力ある都市景観の創出がはじまりつつあります。

このような小浜市の景観特性を踏まえた上で、次のような景観づくりの基本理念と基本方針を掲げています。


■ 景観づくりの基本理念

自然・歴史・文化のいきづく風景都市若狭おばま


■ 景観づくりの基本方針

基本方針① 水と緑に恵まれた美しい景観の保全・育成

基本方針② 小浜独自の歴史的景観や伝統文化の継承

基本方針③ 豊かな暮らしを支える魅力ある都市景観づくり

基本方針④ 市民・事業者・行政が協力して取り組む景観づくり


《基本方針①》 水と緑に恵まれた美しい景観の保全・育成 

若狭湾国定公園に指定されたリアス式海岸、北川や南川等の河川、市街地の遠景をなす山地等、小浜市は豊かな自然景観に恵まれています。また、農地とその背後の山裾に位置する農村集落や棚田、入り江に点在する漁村集落等、美しい自然環境と調和しながら暮らしてきた人々の営みによる、文化的景観の要素もみられます。

これらの美しい景観は、海岸部~平野部~山地部にかけて変化に富んだ地形から構成さ れる小浜市の特徴を象徴する景観となっています。 豊かな自然と人々の営みが織り成す景観は、「小浜らしさ」を印象付ける特色ある景観であるとともに、先人によって培われてきたかけがえのない景観であり、市民共有の大切な財産です。

上空よりの小浜市景観


《基本方針②》 小浜独自の歴史的景観や伝統文化の継承

港町、城下町として発展してきた歴史を持つ小浜市では、都との物流・交流を支えた鯖街道や丹後街道沿いにおいて、長い歴史を感じさせる風情ある町並み等の歴史的景観が残されています。

また、飛鳥・奈良時代以降、若狭国の中心地として繁栄してきたことから、多種多様な文化財や寺院等が数多く残されており、今日では国宝めぐりとして小浜市の歴史観光を支える観光資源ともなっています。さらに、お水送りや放生祭等、古くから大切に受け継がれてきた数多くの伝統行事は、小浜市民の心象風景となるとともに、見る人に小浜市を印象づける特色ある景観となっています。

これらの長い歴史の中で育まれてきた小浜独自の特色ある景観は、うるおいや安らぎ、文化の薫りといった地域の人々の心に響く風景であるとともに、地域の誇りとなる市民共有の財産であり、次の世代に継承していくため、大切に守り育てられています。


《基本方針③》 豊かな暮らしを支える魅力ある都市景観づくり

 商業・業務施設や官公庁施設が集積するJR小浜駅周辺や、多くの観光客が訪れる小浜 新港周辺等は、「小浜の顔」となる重要な都市機能拠点であり、IC予定地周辺や幹線道路沿いも含めて、メリハリのあるシンボル的な都市景観づくりが課題となっています。

また、市民にとって最も身近な生活空間である住宅地や集落地等においては、日常生活を演出する魅力的な都市景観づくりが課題となっています。 このような市民生活の場において魅力ある景観づくりを進めるためには、まず最初に市民一人ひとりが、身近な生活空間において「住み手の個性表現」としての景観づくりに自主的に取り組むことが大切になります。

このため、市民一人ひとりによる自由な景観づくりを促進するとともに、誰もが認める 景観阻害要素の改善や、統一感のある町並み景観の創出等、地域コミュニティで協力して取り組む景観づくり(市民自らが考え、守るルールづくり等)を支援しながら、豊かな暮らしを支える魅力ある都市景観づくりを進めていく。


《基本方針④》 市民・事業者・行政が協力して取り組む景観づくり

 小浜市の貴重な自然景観や歴史景観の保全・育成、良好な都市景観の形成を進めるためには、そこに住み、生活する人が、景観に対する意識や評価、自覚を持つことが重要になります。

さらに、実際の取り組みを実効性のあるものにしていくためには、景観づくりに関わる市民・事業者・行政が連携し、目指すべき小浜市の将来像を共有しながら、継続的に景観づくりに取り組んでいくことが重要になります。

このため、小浜市景観計画の策定段階から市民や事業者、関係機関等、景観づくりに関 わる各主体との連携を進めるとともに、小浜市における景観づくりの機運を高めながら、市民・事業者・行政が協力して取り組む景観づくりを進めていく。


景観形成基準

基本的に景観計画区域全体と同じ考え方ですが、小浜市の特徴的景観を大切に守り育てるために、当該地区の特性に応じた独自の基準を設けていく。


 ■事例

写真の上から順番に(説明の文字が小さいのでスマホの方はこちらをご覧ください。)

① 三丁町通りや旧街道の界隈に位置する建築物の高さ 及び壁面の位置は、できる限り隣接する建築物に揃える等、歴史的景観や町並みの連続性に配慮します。


②三丁町通りや旧街道の界隈に位置する建築物は、できる限り木造、2階建て、平入り、瓦葺きの和風建築を基本とし、伝統的な建築様式(壁は白漆喰、外観は ベンガラ塗り、出格子又は平格子を見せる外観等)に 配慮した形態・意匠、色彩や素材とします。


③三丁町通りや旧街道の界隈及び歴史的景観資源の周囲に位置する建築物の室外に設置された建築設備(空 調室外機等)は、道路等の公共空間から容易に望見できない位置に設置するか、もしくは当該設備が直接露出しないような修景措置を講じます。


④緑豊かな景観とするため、できる限り多くの緑を確保します。


~転ばぬ先の杖~

そういう小生こそいの一番の該当者でした。ハイ‼

毎週のように台風が来ています。今回の21号は今季最大の勢力を持った台風のようです。
これまでと同じような経路で進んでいます。気象庁によると最悪、日本列島を縦断する可能性もあるようです。これまでの台風より速度が速いので、まだまだ大丈夫と油断は禁物です。
ご注意ください!

最近、自衛隊が発行した災害時における対応の仕方を書いた本が売れているようです。一度書店でご覧になられては!(例えば、土嚢の作り方。倒れている人の救助の仕方。ロウソクがなくなった時の灯りの作り方。服を着たまま水害にあった時の対処の仕方等々です。)
どなたでも簡単にできる方法の解説書です。


続く・・・


鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使


協力(順不同・敬称略)

小浜市役所 〒917-0078 福井県小浜市大手町6−3電話: 0770-53-1111(商工観光課)

若狭おばま観光協会 〒917-8585 福井県小浜市大手町6-3 TEL 0770-53-1111 

文化庁〒100-8959東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号 03(5253)4111


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