恋愛小説家
2018.09.01 01:36
恋愛小説家
As Good As it Gets
2005年3月26日 みゆき座にて(日比谷映画、みゆき座閉館記念名作上映会)
(1997年:アメリカ:138分:監督 ジェームズ・L・ブルックス)
大人だからっていいことばかりじゃない。
でも大人だからいいこともある。
当たり前のような事を軽妙なタッチと演技上手で、上手くまとめた映画。
ユージーン(ジャック・ニコルソン)独身中年で嫌味で、毒舌、潔癖性、偏見差別の固まり、嫌われ者。でも、仕事は「愛とは・・」なんて恋愛小説を書く作家。
このジャック・ニコルソンの嫌な奴ぶりっていうのを、これがまた丁寧に丁寧に細かく、ユーモラスに作り上げています。
これは特撮では出来ない事です。そんな「嫌な奴」の隣に住んでいる画家、サイモン(グレッグ・キニア)は、いつもゲイであることを、むちゃくちゃ言われ続けても、目に涙を浮かべ、唇をかみしめてる、もう1人の大人。
いきつけのレストランのシングル・マザーのウェイトレス、キャロル(ヘレン・ハント)だけが、そんなユージーンをかわして相手が出来る存在。
さてこの3人があれあれという内に旅に出る顛末。毒舌VS涙目うるうる・・・その仲介。恋愛がどう起きるのか・・・そこが面白い恋愛映画。
ジャック・ニコルソンが恋愛映画のヒーローに!時々シャイニング顔になりながらも、遅まきながら中年の成長、を軽妙に(ここ大事)テンポの良い会話、微笑ましいエピソード、辛辣な喧嘩・・・上手く料理してあります。
私が笑ってしまったのは、ジャック・ニコルソンの車の乗り方、と潔癖ここまでやるかの歩き方です。「緊急時用」のBGMには脱力&笑い。いいなぁ、こういう大人の笑い。