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更夜飯店

ハサミ男

2018.09.01 01:40

ハサミ男

2005年3月29日  お台場シネマメディアージュにて

(2004年:日本:119分:監督 池田敏春)

第13回メフィスト賞を受賞した殊能将之のデビュー作の映画化。

この原作を読んだ時はとても感心した覚えがあるのですが、1999年のことで詳しいストーリーは忘れていました。

今回は、倒叙物として映画は進みます。つまり、最初から「ハサミ男」という少女連続殺人犯は、麻生久美子と豊川悦司です。

しかし、そこに第2のハサミ男の出現、追う警察、特別捜査官(阿部寛)の出現・・・と話はよじれてよじれていきます。

そのよじれの見せ方が、比較的「わかりやすい」ものになっていて、とても上手く説明しています。

犯行は猟奇的でも映像はクリアです。麻生久美子と豊川悦司の薄幸感というのが印象的。

2人とも表情は固く、感情がないかのよう。まるで人形のよう。しかし、それは何故か?

豊川悦司は良い人でもないけれど、悪い人でもない、という白黒はっきりしないグレーの部分が多い役がとても似合います。これは豊川悦司の強みであって、魅力だと思います。

また麻生久美子の幸薄い感というのも、他の人では生々しくなるか、ベタベタになるところ飄々としていて、とても冷たい印象だけど、美しい。

しかし、そこにからんでくるのが、とっても濃い阿部寛です。う~ん、なんだか凄いキャスティング。

原作は映像不可能と言われていたそうですけれど、きちんとした映画になってました。

脚本協力に、長谷川和彦と故・相米慎二の名前がありますよ。