HMM ヘビーアームズケーニッヒウルフ レビュー
2023.09.27 04:40
今回のレビューは、1/72スケール ハイエンドマスターモデル より、
“HMM057 LIMITED ヘビーアームズケーニッヒウルフ” です。
“ZOIDS妄想戦記” より、ヘリック共和国の高速戦闘用ゾイド、ケーニッヒウルフを特殊工作師団の奇襲攻撃隊用にカスタマイズした機体、
“RZー53HA(ESTー02) ヘビーアームズケーニッヒウルフ” が、
一般販売の通常仕様に続いてHMM化。
コトブキヤ公式ショップ限定で発売されました。
“ZOIDS妄想戦記” とは、かつてゾイド公式サイトで月刊連載されていたウェブコミックシリーズです。
いわゆるバトルストーリーの外伝的なエピソードを展開してましたが、若干パラレルな部分もあったようですね。
劇中に登場するゾイドたちは、確かハピネット流通限定で発売され、そこそこランナップは続いたはず。
僕もすべてではないですがいくつか持っています。
今回紹介するヘビーアームズケーニッヒウルフは、2003年にゾイドコアドットコムで、通常仕様ケーニッヒウルフに専用のカスタマイズパーツ、デュアルスナイパーライフルとAZ5連装ミサイルポッドをセットし、成型色を変更して限定発売されたもの。
DVD、ZOIDS妄想戦記特別編が付属し、ヘリック共和国軍特殊工作師団奇襲攻撃隊のバックス・スラストとその乗機であるヘビーアームズケーニッヒウルフの活躍はそこで見ることができました。
今回のHMM版は、オリジナルのトミー版同様、通常仕様のケーニッヒウルフにデュアルスナイパーライフル、AZ5連装ミサイルポッドをセット。それぞれの成型色を変更したものになります。
さらにHMM版の追加要素として、ZOIDS妄想戦記特別編に登場した頭部コクピットがキャノピータイプの複座仕様機を再現できるパーツが新規造形で付属。
また、クリアパーツもデフォルトのオレンジのものに加え、無色成型のものも付属するのでカスタマイズ性も向上しています。
もっとも、定価17,000円超えの限定品にはなかなか手を加えづらいですけどね。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みしたのみです。
基本的に以前レビューした通常仕様+カスタマイズパーツの色違いので、構造や可動に関しては割愛している部分も多いのでご了承を。
パッケージ
HMMでパッケージについて触れるのはたぶん初めてだと思うのですが、ちょっと見逃せない要素があるので紹介しておきたいと思います。
お馴染みのマーシーラビット氏による迫力のパッケージアート。
主役のヘビーアームズケーニッヒウルフが格好いいのは当然として、気になったのは背景。
なんと、帝国軍キメラブロックスが描かれています。
右側に一番大きくはっきり確認できるのはディアントラー。
またマイナーなやつを・・
そして、左隅でボコられてるのはたぶんデモンズヘッド(赤矢印)ですね。
その後方にはシェルカーン(青矢印)もいます。
その2機種についてはキメラドラゴンカラーというのもまた渋い。
パッケージアートに描かれた機体はいずれキット化される・・という都市伝説がありますが(それはガンプラの話かな?)、これはHMM ゾイドブロックス始動の布石では? と思いたくもなりますよね。
ゾイドブロックス・・どう考えてもコトブキヤとの相性ばっちりでしょ。是非とも導入していただきたい。
あ、あとガンブラスターもいますね。その後ろにはアロザウラーも。
ついで(こら)に彼らのHMM化も・・
ちなみに、一般販売された通常仕様との箱の厚みの差はこの程度。
通常仕様の、月下に白いウルフも格好いいんだよな。
RZー53HA(ESTー02)
ヘビーアームズケーニッヒウルフ
ヘリック共和国軍特殊工作師団奇襲攻撃隊に配備されているケーニッヒウルフのカスタム仕様機。
見ためは通常仕様にカスタマイズパーツを装備した、いわゆるアサルトケーニッヒの色違いでしかありませんが、それとは違ってカスタマイズパーツの装備前提で本体が調整されており、とくに足周りが強化されてカスタマイズパーツ非装備の通常仕様と変わらない機動性を発揮できるといわれています。
ただ、実際のスペックでは最高速度で30km/hの差があるようです。
また、青い外装は通電することでジャミングウエーブを遮断する特殊塗料によるもの。
ただし効果時間は3分が限界とのことのです。
通信機能を強化した複座タイプの機体も存在し、主に部隊指揮官が搭乗します。
まずはノーマルタイプの頭部で(便宜上、この頭部を一般仕様と呼びます)。
ライフルとミサイルポッドも装備した状態がヘビーアームズとしての基本形なのでそのように。
背部に大型の2連装砲、デュアルスナイパーライフル、前脚には専用の外装を介して5連装のミサイルポッドを2基ずつ、計4基装備した姿はヘビーアームズの名の通りの重武装感。
武装らしい武装を持たない非常にシンプルな姿だった通常仕様とはカラーリングの変更もあり、大きく印象が変わっています。
そのカラーリングについては、純白だった外装が濃いブルーに、フレームもグレーからブラウン系に変更されています。
間接キャップもグリーンからオレンジに。それは外装とのバランスでしょうね。
ツインアイやセンサー部のクリアパーツはオレンジ色で変化なしですが、先の通り無色クリア成形のものもボーナスパーツとして付いてくるので、お好みのクリアカラーで塗ったものを組み込むことができます。
頭部アップで。
白いオオカミから青いオオカミに。
カラーマジックか、よりシャープに引き締まった感じに見えます。
格好いい。
口が開閉するほか耳、頬のタテガミパーツもそれぞれ可動。
キバ・・エレクトロンバイトファングの色は通常仕様はゴールドでしたがこちらはシルバーになっています。
コクピットハッチは開閉。
コンソールバーも可動します。
付属のパイロットフィギュアは一般兵タイプですね。
後頭部には赤外線スコープと背部のライフルに連動した高性能の照準システムを搭載したヘッドギアを装備。
前方に展開することで夜間戦闘および精密射撃に効果を発揮します。
急にモノアイヘッドになって、ゾイドとはまた違う世界観のメカっぽい。
ちなみにスコープを後ろにたたんでいるときは、ライフルの基部と干渉するので首の可動を阻害されます・・
まぁ、ライフル基部を後ろにズラせばいいんですけどね。
ゾイドコアユニットは首許に備わっています。
もちろん取り外し可能。
ただし、コア自体は簡単には外せません。
爪・・エレクトロンストライククローは今回も一体成型のものをすべて切り離して個別に動かせるようにしています。
詳しくは通常仕様のレビューを参照してください。
こちらはゴールドになって、キバと色がテレコになってますね。
可動については少しだけ。
腹部が後方にスライドでき、
そうすることで上下、左右に可動域が広がります。
というか、スライドさせないと左右にはほぼ動かせません。
なお、首もですが、側面に這うベルト状の軟質パーツの扱いには注意しておいたほうがいいでしょう。
まぁ、そうそう切れたりはしないでしょうが。
腰部のマルチディスチャージャーは基部含めて大きく可動し、前方に向けることもできます。
画像ではわかりやすいようライフルを外していますが、やはり付けたままだとお互い干渉するので動かしにくいですね。
デュアルスナイパーライフル
ケーニッヒウルフ専用に開発された大型の狙撃用2連装砲。
こちらはキャップ以外、通常仕様から成型色は変わっていません。
移動時などは真ん中から後方に折りたたんだ状態で、射撃時に前方に展開。
さらに銃身が伸長します。
接続基部のアームが可動することで高さや仰俯角の変更が可能。
また、接続部で360回転します。
後部がスライドする排莢機構も再現されています。
ちなみに本体への接続は5㎜軸ですが、基部のパーツ選択で5㎜穴や3㎜軸、穴に変更することでケーニッヒウルフ以外のHMMゾイドほか各種キットへの装着も可能となります。
ただし容易に組み換えられるものではないので注意が必要。
通常仕様のキットではいろいろなパターンに対応できるように加工しましたが、今回はもう専用オプションということにしてそのまま基本通りに組んでいます。
その基部の加工についても通常仕様のレビューをご参考に。
AZ5連装ミサイルポッド
左右の前肢に専用の大型装甲を介して2基ずつ計4基、20発のミサイルを装備。
これもポッドとミサイルは通常仕様から成型色の変更はなし。
専用外装のみ、本体と同じ青色に変更されています。
ポッドのハッチが開閉。
ミサイルは分割色分けされていますが、一体成型のため普通に組むと1発ずつ取り外したりはできません。
しかし、クローと同様に画像の線の位置でカットし、表面を処理してやればこんなふうに、
1発ずつ装填することも可能になります。
通常仕様のときはやりませんでしたが、今回はポッド2基分、10発だけ加工しました。
あらためて真横から全身を見てみましょう。
やはり背中に積んだライフルが重そうですね。
前肢のミサイルポッドもまぁまぁ邪魔っぽいなぁ。
ライフルとスコープ展開。
基本は格闘戦メインの高速戦闘用ゾイド。大型の長距離射撃武装は現実的に考えるとミスマッチだと思うんですが、そもそもSFなので現実的とかナンセンス・・
もちろん通常仕様の前肢外装も付属するので、ライフルも外してただの青いケーニッヒウルフにもできます。
こちらもクールで格好いい。
この青さはシールドライガーリスペクトなのかな?
指揮官仕様機
今回新規造形で初立体化となる指揮官仕様の複座型コクピットを搭載した頭部に換装されたヘビーアームズケーニッヒウルフ。
部隊指揮官用として主に通信機能が強化されており、耳・・マルチイヤーセンサーに換えてロッドタイプのマルチプルレーダーセンサーを搭載しています。
縦列複座型のコクピット内部は、前席に戦況分先、火器管制を担当するサブパイロット、後席に操縦と部隊式を担当するメインパイロット=指揮官が乗り込むかたち。
操縦しながら部隊指揮もするのか・・まぁ、指揮官のくせに前戦でバリバリ戦いたい人が多い業界(?)ですからね。珍しくもないか。
なお、コクピットが複座型になったことで頭部自体が大型化したこともあり、スコープはオミットされています。
頭部以外は一般仕様と違う部分はありません。
頭部アップで。
ハッチはクリアオレンジのキャノピータイプになっています。
共和国ゾイドといえばやはりこのキャノピー型のイメージが強いですね。
まぁ、ちゃんと目もあるんですが。
キャノピーはもちろん開閉可能。
パイロットフィギュアもちゃんと2人付属。どちらも一般兵タイプですが。
なお、一般仕様のコクピットのような可動するコンソールバーはなく、後席のパイロットフィギュアはとくに固定されずシート自体も浅いのでもう乗ってるだけです。
新規パーツはキャノピーとコクピット内部のシート、下顎を除く頭部外装、そして耳がないのでそのための接続穴のない頬タテガミの基部外装。
一般仕様からの組み換えはまぁまぁ面倒なのであまりお薦めはしません。
比較画像
オリジナルのトミー版と。
カスタマイズパーツのボリューム感、精密感に差はあるものの、ぶっちゃけ本体にそれほど違いはないです。
あらためて、オリジナル版の出来のよさを感じますね。
武装展開して。
ライフルの大型化と情報量アップが凄まじい・・
ミサイルポッドの弾頭色分けも嬉しいですね。
カスタマイズパ-ツを外した通常仕様で。
右側のほうが、ちょっとスマートかな?というくらいですね。
もしHMM黎明期にケーニッヒウルフがキット化されていたら、どれだけアレンジされていたのか・・
HMM版通常仕様と。
もともとケーニッヒウルフにはライガーゼロと同じチェンジングアーマーシステムが採用される予定だったのですが、諸々の事情で見送られたんですよね。
しかしこのヘビーアームズ装備をパンツァーユニットに相当するものと考えると、イェーガーやシュナイダーに相当する追加装備があっても不思議じゃなかったですね。
むしろ機体特性を考えるとその2系統のほうが合ってるとすら思うけど・・
通常仕様にカスタマイズパーツを付けたアサルトケーニッヒと。ライフルトスコープ展開状態で。
こうなると白いほうがなんとなくエース機っぽく見えてしまうのは、刷り込みみたいなものなのかな・・
両方カスタマイズパーツを外して。
白いのも青いのもどちらも格好いい。
赤いのとか黒いのとかがいても全然不思議じゃない。
ヘビーアームズを指揮官仕様にして。
指揮官用という以前にこれだけ大型の射撃武装を装備していたら、機体操縦と火器管制を分担するというのは理に適っています。
端から複座をデフォルトにしたほうがいんじゃないだろうか?
あ、でもそうなるとスコープが付けられないのか・・
頭部比較。
ご覧の通り、顔付き自体は一緒なんですよね。
額から後頭部にかけて換装されているという感じ。
ならばキットでもその部分だけを交換できるような構造にできなかったものだろうか?
メカニカルな説得力も増したと思うんですが・・
以下、画像
一般仕様で。
可動性については・・通常仕様のレビューでも書きましたが、思ったほどには動かないです。
もちろん、最初期のシールドライガーなんかと較べると全然動くんですけど、人はどんどん欲深くなっていきますからね(笑)。
ただまぁ、関節強度など十分過ぎるくらいなので、ポージングが保てずストレス・・なんてことはないかと。
ただ、ポリパーツ接続の四肢の付け根のみ、少し緩いかもしれません。
スタンドを使って。
腹部にスタンド用の5㎜穴があるので、安定したディスプレイが可能。
ミサイル発射!
せっかく分割したんだからと思ったものの・・白バックだからわかりづらいったらない(笑)。
なお、ミサイルは後端に両面テープでスタンドに貼り付けています。