【白いページの向こうから〜『左川ちか詩集』(岩波文庫)】
2023.09.23 08:50
昭和モダニズムを代表する詩人
北海道余市生まれの
左川ちか(1911〜1936)
この秋『左川ちか詩集』(川崎賢子編 岩波文庫/2023)が出版された。
このところ注目され、
より広く読まれているちかの詩。
手に取りやすい文庫本の形は
愛読者として、とても嬉しい。
ページをめくると
世界のざわめきは消え
机に向かう、ちかの静かな呼吸が聞こえてくる。
まぶしい緑を見つめながら
夜闇の深さを見つめながら
ペンを走らせる背中。
詩のことばは
どんな批評も時代の風として受け流し
静かに佇んでいる。
白いページの向こうから
ちか、というひとの
不器用ながらも
ポエジーを欲した
無垢な魂の声が
響いてくる。
ポケットにこの一冊を入れて
どこか遠くへ旅に出たい。
心にちかのことばを寄せて見る風景は
どんな永遠を見せてくれるだろうか?
★試論集『十三人の詩徒』(七月堂)
ちかの作品と生涯を綴った章
「卵をわると月が出る」
ご興味がありましたら
ぜひ手に取ってみてください✨
★販売&ご紹介ページ、ぜひご覧ください♪