りんご、りんご、りんご。
2018.09.03 07:45
詩人、児童文学者であった山村暮鳥。
暮鳥は、敬虔なクリスチャンであり、牧師としての活動にも携わりました。とても、リズミカルでやさしいことばを、ひとつひとつ置いてゆく、暮鳥の詩は、ゆっくりと、ひとのこころに染み通ってゆきます。
詩作品「りんご」は、りんごをじっと、みつめることで、展開してゆくユーモアたっぷりの詩。「りんご」という存在を見つめるまなざしは、「在る」ということへの敬意をふくんで、豊かなことばの運動と広がりを、読み手へと、聴き手へと届けてくれます。
「同じく」ということばの繰り返しが、呼吸の息継ぎのように入って、独特の音楽を生み出してゆきます。
思わず、りんごに触れ、その重みを感じ、その赤い実を、頬張りたくなりますよ。
調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」2017.10.21放送分アーカイブにて、暮鳥の「りんご」、ぜひ、耳を傾けてみてくださいね! また、私、神泉薫の詩「林檎を剥く」、娘の成長を寿ぐ詩作品も、合わせて、お楽しみください。