今日から真似できるリフォームレシピ~コスパとデザインを兼ね備えたウッディな家づくり
達人のインテリアをモノにしよう!
今日から真似できるリフォームレシピ
「いつもと同じ、マンネリプラン」を脱却したい方に見て欲しい。ニーズを汲み取り、デザインに優れたリフォーム事例は何が違う?使用した建材、コストを抑える工夫、ヒアリングのコツなど、プランニングのポイントを紹介。読めば今日から真似できる!
設計担当一丸でデザイン向上
カスケホームでは、戸建てを中心にマンションも含めて住宅リフォームを行っている。和風建築×北欧=「ジャパンディー」というデザインのリフォームを提案することが多い。
社内全体のデザイン力向上のため、毎週「デザインレビュー」という会議を実施。設計担当者が出席し、現場調査の結果とプランを発表しあい、互いにブラッシュアップするようにしている。
設計の岡田さんが特に注力するのは施主との方向性の共有だ。工事内容に近いイメージ写真をA3用紙一枚につき10点貼り付けた資料を2〜3枚用意。話しながら〇や×をつけていくことで、施主とイメージの共有をする。
事例の物件は定年後初めて家を直すご夫婦。「やわらかい木目の家で老後を穏やかに過ごしたい」という施主の希望を受け、木のイメージを大事にしながらデザインした。
《Point 1》木の風合いをローコストに
「無垢の木みたい」でも手入れ楽々
床はイクタの突板のフローリングで仕上げている。無垢よりメンテナンスしやすくローコストだ。
また、天井・壁とキッチンカウンターは木目調ビニールクロスを貼った。木を貼るよりメンテナンスしやすく、安価だがぱっと見本物に見える。キッチンは手元が見えないように、リビング側から見えない高さのカウンターを設けた。壁と共通のクロスで仕上げることで統一感を生んだ。
物件①DATA
60代後半夫婦
定年後を過ごす一戸建て
《Point 2》天井高でシーンを切り替え
天井高に高低差でメリハリ
リビングは梁をあらわしにして天井高を上げ、開放感のある空間に。奥の和室は奥様の趣味の生け花のための空間。それらをあえて天井高2,000mmの低い廊下でつなぐことで、トンネルのようなワクワク感と、LDKに来た時の解放感を強調し、家の中での場面の切り替えを促す。
《Point 3》造作ドアでコストとデザイン両立
こだわりに優先順位をつける
勝手口のある昔ながらのキッチンだったが、「どうしてもLDKにしたい」という希望があった。コストダウンのために、室内扉は造作扉に白色のシートを貼り、窓や格子を付けないシンプルな形に。造作とすることで既製品より予算を抑えた。結果、キッチンは施主希望のオールステンレスにでき、「夢がかなった」と喜ばれた。壁面は、水や火にも強いモールテックスでトレンドのコンクリ打ちっ放し風に仕上げた。
施主に「我慢」させるのではなく、全体のバランスを取った「まとまる仕上がり」にした上で予算を抑えることを目指した。
他事例のノウハウも教えます!
【1】プランは面積の広い床から決める
建具、壁、天井など決めるところがたくさんあり、施主の希望をまとめるのが困難なことも。そのため、岡田さんはプランニングの際には床の色から決めるようにしている。
【2】壁紙と無垢の木を合わせ風合い出す
無垢の木を全面に使わなくても木の風合いを楽しむ方法として、こんなデザインも。クロスを貼った上からバランスよく木材を配置することで壁面にリズムが生まれる。
お話をうかがったのは…
安藤嘉助商店(岡山県倉敷市)カスケホーム リフォーム事業部 設計 岡田 奈津美さん
同社初の新卒プランナーとして入社して勤続11年目。約500~2000万円の工事を営業と共同で担当している。戸建てが中心だがマンションリフォームも手掛ける。
リフォマガ2022年6月号掲載
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