ゴリ押す力。
算数が得意な子は、謎の
突破力を持っています。
絶対に諦めずに具体的に
答えを導こうとします。
その姿勢は、小学生の時に
ハッキリ表れます。
真面目に公式を覚えたり、
難問の解法を覚えたり、
そういう時間ももちろん
大切なのですが、
既存の持てる知識を駆使して
無理矢理にでも一回答えを
出そうとする子は、
後々大化けします。
例えば鶴亀算なんか。
こんなの、解き方分からなくても
解けてしまいますからね。
五十円の切手と八十円の切手を
合わせて10枚買って、
金額は590円でした。
では、何枚ずつ買いましたか?
確かに、解き方を教えると
早いのですが、私はこの単元に
入る段階で、導入で、小テストに
「考えてみよう」の問題を作り、
一旦はその解決能力を見ます。
やはり、その後の習得や運用が
優れる子は、一回答えを
出せてしまうのです。
この場合、合計10枚だから、
たとえば4枚6枚とか、
7枚3枚とか、あれこれ
試して、短い時間に
試行錯誤を高速で行い、
答えを導いてしまいます。
後にこの問題が規則性を使って
解けることや、あるいは
交換による数量変化をもとに
解けることなどを学習します。
しかし、合計量10を分割して
ゴリ押してみようとする子は、
はじめから問題を俯瞰して
見ています。
段々と考え方が整理、
体系化され、いつでも使える
武器になってゆきます。
解き方を忘れる、という場合、
はじめからなんらかの
正しい考え方があって、
そうでないと解けない、と錯覚して、
考える手前で足踏みしている
ことが多く、それでは、
いつまでも主体的に
算数に向き合うことは
できません。
そこの根本が変わった時に、
初めて、物の見方が
はっきり変わり、
算数が伸びる、という
事実に至ります。
出来る問題を増やすのではなく、
出来る問題の考え方が変わる、
という状態が、正しい伸び方かと
いつも思っています。
その上で、一回は解ける、
なんとしてでも解ける、
みたいな、状態にあることは
とても大切なことです。