向島百花園 秋の七草
2023.10.02 21:00
おはようございます。
本日も向島百花園です。
向島百花園を造ったのは骨董商の佐原鞠塢。
当時の江戸の文人サロンの中心人物の一人で、
みずからも俳諧など文芸を嗜みました。
その佐原鞠塢が独自に選定した「秋の七草」があります。
ふつうは「ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ」ですが、
佐原鞠塢セレクションの「秋の七草」は、
「ねりの花、ごじ、ゆうがお、おしろい花、たまずきは、ひおうぎ、りんどうの花」です。
百花園に植えてありましたので、
鞠塢版「秋の七草」を今回ご紹介します。
「ねりの花」。
黄蜀葵(とろろあおい)のことだそうです。
すでに実になっていました。
ごじ。
午時花(ごじか)です。
なじみはありませんが、いちおう晩夏の季語です。
すでに散りはじめていました。
夕顔。立派な実になっています。こちらは丸夕顔の実。
こちらは長夕顔の実。
ちなみに夕顔の花は晩夏の季語。
「秋の七草」にするには、季節感が現代と少し違いますね。
こちらは秋の季語になっていますね。
「たまずきは」はカラスウリのことらしいのですが、
この日は花も実もありませんでした。
続いて「ひおうぎ」ですが、
すっかり実になっています。
最後に「りんどうの花」ですが、この日は見あたらず。
有名な花ですので、みなさんご存知ではないかと思います。
いかがでしたでしょうか。
佐原鞠塢は本草学者でもありました。
鞠塢版「秋の七草」はわたしのような素人にはわからない、
深い知見にもとづいて選定されたものでしょう。
いずれにせよ花も実も趣深いものでした。
百花園にお越しのさいは、ぜひお探しください。
今日もよき一日となりますことを。