ユークリッド互除法。
小学5年生は約数・公約数の領域に入りました。
先ずは数の因数に関する説明からスタートし、
因数は全て約数たりうるということを理解してゆきます。
約数についてはあっという間に理解が進み、
あまりに関する内容についても具体例を踏まえて
すぐにコツをつかんでゆきます。
今回は、連除法の直前までを指導しました。
それよりもさっさと約数を特定するために必要な技術を
先行して指導していったのです。
従来は結構早い段階で連除法を指導しましたから、
今年はそういう点でちょっと違った指導であったと言えます。
その一つが”ユークリッド互除法”です。
完璧な高校生レベルのユークリッド互除法までは
指導することはありませんが、小学生で応用可能な
ところまでは、ここ数年は毎年指導を行っています。
例えば(36,48)などの公約数を考えていく際に、
これらは特に約数が多いので
書き並べているとちょっと面倒臭いのです。
さっと2数の差を取れば、12となり、
これが36も48も割れる数なので、最大公約数は12で、
公約数は12の約数ですから、1,2,3,4,6,12であると
即座に分かるようになります。
結構応用が利く考え方であり、数が大きくなればなるほど
ユークリッド互除法的な考え方は役に立ちます。
割れるかどうかの判断を引き算によって出来、
最大公約数の絞り込みがしやすくなるからです。
これは実は、感覚的に公約数を求めたり、
あるいは約分をさっと行っていく上で
あったら便利な視点となっていまして、
一見ユークリッド互除法なんていうと
難しく思われるかもしれませんが、優れた子どもたちが
感覚的に実は分かっていて、それが何なのかは分かってはいない、
それくらいの着地点となる理解の一つなのです。
大人が思うよりはるかに、子どもの理解は
感覚的に高い地点に到達していることがあります。
同じことをやっていても、頭の良し悪しに差が出るのは
実は同じ問題に対して考えていることが結構異なるからであると
そう結論づけることができます。
「そんなことは考えたことがなかったです!!!」
「これすごく面白い!早く練習問題解きたいです!!!」
今年もまた、去年とは随分違う手順で指導をし、
その頭の中の動きを検証しています。
こうやって頭を作ると、この先どう思考するんだろう?
興味の尽きない指導の時間です。