「スキル獲得の脳科学的アプローチ」① 序章 シロブタの覚醒
はじめに
今回取り上げる「スキル獲得」 これは僕の最も得意とする、そして大好きな、そして一生追いかけ続けるテーマ。
今回、やっとこの内容でnoteを書くことを決めました。
今スタートと結論だけはある程度決まっていますが、その結論ももしかしたら全く違うものになるかもしれません。
なぜならそれこそが人の脳の働きそのものだから。
さて何回の連載になるかまだわかりませんが、ぜひ最後までお付き合いいただければこんな嬉しいことはありません。
こんな人に読んでほしい
・日々、勝利を信じて技術習得のための努力を惜しまないアスリート
・単に感覚だけでなく、スキルが感覚を支えていることを知っているアーティストなど全ての表現者
・今までも技術習得を通して成功を収めたビジネスパーソン
・新しい知識やスキルの獲得を通して、今までの人生を変えたいと願っている人
つまり ・人生をより良く生きる術を自ら掴み取りたい全ての人 そんな方に読んでほしい内容です。
運動の才能なんてゼロだった僕・・・
この文章を読んでくださっている方で僕のことを知らない方もいらっしゃると思います。
そこで簡単に自己紹介を
・トレーナー歴40年、武術・格闘技歴50年
・現在都内新宿区四ツ谷でパーソナルジム「Quest」を経営 ・現役のパーソナルトレーナー、格闘技指導者
つまり10歳の頃から毎日運動を続け、そして20歳から運動指導のプロとして生きてきました。
運動に関係ない仕事はしたことがありません。
でも少なくとも10歳までの僕には「運動」の、いや「体を動かすこと」そのものの才能が明らかに欠如していました。
すいません。
今回のここからのnoteは僕の少年時代の話です。
そこには1ミリも興味がなく「スキル獲得」について知りたい方は今日はここまでで。
また次のnoteをお読みください。
何もできない色白の肥満児
・体育テストで 50m走は12秒台(100mじゃないですよ)
・ドッチボールでボールをキャッチしたことなどなく、ひたすら逃げ回るのみ
・マット運動で前転(前へのでんぐり返しのことです!)したつもりで一回転すると必ずマットの外に
しかも色白、長髪、肥満児。
それなのに話こと、文章を書くことが得意だから始末に悪い。
とにかく動かず言葉で人を論破して悦に入るようなクソガキでした。
でもその胸の奥には「体育」でも休み時間の「遊び」でも、なんでもカッコよくこなして女子にもモテる一部の男子に対して、コンプレックスの暗い炎がぼんやりと灯っていました。
人生が音を立てて変わった瞬間
今でも「それ」を鮮明に覚えています。
小学校4年生の12月、日曜でも当然外遊びなんてしなかった僕は、お昼過ぎ、いつも通りテレビばかり見ていました。
その時見ていた「TVジョッキー」という番組の映画紹介コーナー。
その日紹介する映画のオープニングシーン。
変なグローブをつけて黒いブリーフみたいなのを履いたアジア人が「グッ!」とアップになったこの瞬間から僕の脳内はこの奇妙な、でもとてつもなくかっこいいアジア人男性に占領されてしまったのです。
もうお分かりですよね。
「燃えよドラゴン」のブルース・リーです。
その瞬間から僕は「大人になったらブルース・リーになる!」
その情熱に突き動かされ、(陰でシロブタと呼ばれていたことを知らないフリをするような)色白・長髪・肥満児・運動音痴だった生意気なクソガキは全く違う人間になろうと人生を自らの手で変えていくのですが・・・
現実的な問題
実はいろいろとあってこの衝撃的な出会いの2ヶ月前から僕は空手を始めていたのですが・・・
生まれて初めて体を動かしたと言っても過言ではない僕が、運動能力の塊のような美しい肉体と戦闘能力を併せ持つカレになれるわけはない。
動けないくせに変なプライドだけは高い「シロブタ」ですから、今までなら少し試してダメだったらすぐに「馬鹿馬鹿しい」「興味ない」とやめていたはずなのに。
でも「ブルース・リーになる!」という思いはこれまでの人生で感じた願いや目標よりも別次元で強かったようです。
幸いにもブルース・リー本人が凄まじい読書家だと知った僕は自分も凄まじい読書家になって行きました。
古今東西の武術・格闘技、トレーニング、スポーツ、栄養などなど。
その中でも僕が夢中になったのは「魂の武器」というブルース・リー本人の書いた文章をまとめた書籍の中にあった「スキルの獲得」に関する記述でした。
彼がその文章を書いたのは1970年ごろ。 そこに書かれていたのは、現代の脳科学で言われる「神経可塑性」そのもの。
それを読んだ僕はそこに「自分がブルース・リーになれる!」という希望を見出したのと同時に、全ての人には「スキル獲得の可能性」があることに気づき、それを自分が証明してその姿を見せることで、人の人生を変えられる人になりたいとフツフツと更なる情熱が湧きあがったのです。
それは13歳、中学1年の夏。 そこから僕の「スキル獲得」と「脳科学」についての長い長い学習の旅が始まるのですが・・・ 僕の話はここまでにして・・・
この「スキル獲得」に関する次のnoteでは 「ヒトを人たらしめているもの」=「スキルの獲得」 というテーマで脳科学的な理論と実践方法について書きたいと思います。
もし少しでも興味を持っていたいたら、ぜひ続きもお読みください。
よろしくお願い致します。