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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

『体幹のインナーマッスルの正しい使い方の学習』は、腰痛治療に重要ではありません①

2018.09.03 19:17

 おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。


 以前、『姿勢』は腰痛と関係がないという話を書きました。 

『姿勢』という言葉は、『アライメント』とか『骨盤の傾斜』とか『背骨のS字カーブ』とか言い換えても同様です。関係ありません。


腰痛患者さんや多くのリハ専門職の方にとっても、びっくりするお話だと思いますが、科学的に、ほぼ決着がついています。 もしも、『いや、やっぱり姿勢と腰痛は関係があるよ( ゚Д゚)』ということを証明したければ質が高くて、対象患者が多く含まれた研究を多数行わなければいけません。。。


 今日は、『体幹のインナーマッスルの正しい使い方を学ぶことは、腰痛治療に重要でないです』という話を書きます。 


あるサッカー日本代表のプレーヤーが、シンデレラボーイとして、大学のベンチ外から2年足らずで日本代表まで、駆け足で上り詰めた頃から、体幹筋、特にインナーマッスルが注目を浴びています。スーパーアスリートが重視して行っていたトレーニングですから、多くの方が参考にしたいと思うのは当然です。個人的にはもう少し慎重に効果を判定すべきと思いますが、その話は置いておきます。



 腰痛のリハビリには『モーターコントロールアプローチ』というモノがあります。 

この本の著者はポール・ホッジス先生といいます。 私は、以前早稲田大学で行われた無料セミナーに参加しました。若くてすらっとしてイケメンです。 数年前でしたが、30代後半か40代前半じゃないかと思いました。

会場で偶然居合わせた大学時代の同級生に会いました。この同級生は執筆したり講演したり、非常に整形分野のリハビリで頑張っています。彼によるとポール・ホッジス先生は「腰痛のリハビリ界のメッシ」だそうです。つまり、世界のTop of topということです。 この先生が提唱しているのが『モーターコントロール』です。



専門家でない方でもイメージがつくようにザックリと言いますと・・・・、 

『動作時に腰部にストレスが掛からないように、姿勢やインナーマッスルの正しい使い方(モーターコントロール)を学ぶ』という感じでしょうか?? (ザックリ過ぎて怒られそうですが、良しとさせて頂きます(*_*;)。 


ちなみに下の写真が、治療風景です。 超音波エコーを腹部に当てて、インナーマッスルの収縮を確認して、患者に情報を与えながらリハビリを行っています。


 効きそうですよね??実際に、何もしないのと比較すれば効果があります。 


ただ、ほぼ全ての運動は、腰痛に対して程度の違いこそあれ、効果が出ます。大切なのは、他の治療法と比較して、インナーマッスルに着目するこの治療法は効果的か?コストはどうか?ということです。


長くなりましたので明日に続きます。明日は、モーターコントロールを支持している研究チームが発表した結果を見ていきます。 


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

  理学療法士 倉形裕史


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