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「宇田川源流」【現代陰謀説】 たいした陰謀ではないがまた保守分裂を図る人が出た

2023.10.05 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 たいした陰謀ではないがまた保守分裂を図る人が出た

 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。基本的には、通常の人が検索して読むことのできる記事などをもとに、その中から読み取れるファクトから、陰謀や隠された真実を読み解くということを練習する企画であり、おどろおどろしい陰謀論を延々と続けるようなものではない。まあ、そのような「正体のない陰謀」は、それを商売にしている陰謀論者に任せることとして、こちらは淡々と「裏に隠れた悪意」を覗きに行くということをし、そのうえで、できれば「その悪意に対するカウンター」を提案するというようなことをしている。

さて、本日の内容はそのような意味では「陰謀」とは言いにくい。誰かが裏で隠れて何かをしているわけではないのであるが、いくつかの「表に出ていない(しかし、基本的にはばれている)」様々な思惑があることはよくわかっているのであるが、それが「ほうぼうの身勝手な思惑」の集大成になってしまっていることから、かなり面倒な話になっている。

さて、「永遠のゼロ」などの作家として知られる百田尚樹氏と、中国バッシングをしている評論家の有本香氏が中心になって日本保守党を設立し、ネットの中でかなり盛り上がっているらしい。ある意味でこのような状況の中において「保守系第三極」を作るという内容は、わからなくもない。しかし、一方で「保守系第三極」は作ろうとして、過去に何回も挫折しているという歴史がある。

まあ、私のような「古い」保守派の人物に関しては、基本的に日本保守党に誘われるようなこともなく、平和な毎日を暮らしているし、お誘いがあっても、適当に受け答えして終わるつもりなのでなんとも言いようがないところではあるが、少なくとも「保守系第三極政党」を目指す人々が出てくることと、もう一つはその背景にある何か、そして、その内容が今まではどのような変遷をたどったかということを見ておいてもおかしくはないのではないか。もちろん日本保守党がそのようになるとは限らないし、ここに書いたような内容に気を付けて、全く変わる内容になるのかということは、また興味深いので、その注目点の出入りという意味でも一回書いておこうと思ったものである。

百田尚樹氏「橋下は大嫌い」「自民党はもうダメ」日本保守党の結党決意語る

 作家の百田尚樹氏が26日、ABEMA TVのニュース番組「AbemaPrime」に生出演し、来月に旗揚げする新党「日本保守党」の結党経緯や方向性について明かした。

 日本保守党を立ち上げの経緯を百田氏は「安倍(晋三)さんが亡くなってから、自民党の発言、動きを見ているともうダメだと。ほかに支持する政党がない。自分が立つしかない。立てるしかないと思った」と振り返る。

 新党構想を妻に披露し、「おカネもかかるから」と断られたらあきらめるところだったが、「いいんちゃうと言うから、ユーチューブで『やりまっせ』と。スーツに着替えて、本気やぞ」。

 今月、開設したX(旧ツイッター)のアカウントは27万のフォロワーを集め、既成政党ではそれまでトップだった自民党の約25万を超え、旗揚げ前の段階から大きな話題となっている。

 百田氏は「(保守党は)政権与党は取れません。まず無理です。じゃあなぜするのか。いずれこのままでは日本はダメだと思っている。座して死を待つのか。たとえ負けるにしても何かやりたい。頑張って、5年、せめて10年頑張れば私の後を継いでくれる者が出てくれるかもしれない。やらなければ5年先もない」と訴えた。

 一番盛り上がったのは、次期衆院選で躍進する気配を見せている日本維新の会に百田氏が言及した時だった。

「最初、維新のファンだった。大阪生まれですから頑張ってくれと。応援にも行きましたが、途中からちょっと違うなと。言ってもいいかな。私は維新、嫌いです。辞めた代表の橋下(徹元大阪府知事)は特に大嫌いです。何度もケンカしてるんで」と天敵の橋下氏の名前を挙げて、笑わせていた。

2023年9月26日 22時43分 東スポWEB

https://news.livedoor.com/article/detail/25059669/

 保守系第三極の動きは、基本的に自民党において「左傾化した場合」と「マスコミで自民党の政権支持率が下がった時」に出てくる「特有の現象」ということがある。

新自由クラブができた時は、この河野洋平の政党を保守系第三極というような整理をしてよいかという議論はあるが、基本的には田中角栄のロッキード事件とその後の三木武夫の体たらくから出てきている。次に竹下派の分裂で「民主党」や「新生党」ができている。元竹下派の小沢系列と、鳩山系列が宮沢喜一内閣の時のリクルート事件などから出て行ったという感じであろう。その民主党がのちに左翼勢力に引きずられるようになって、そのまま政権をとって悪夢の三年半になったのは、ご存じのとおりである。その次が「立ち上がれ日本」でこれは小泉郵政民営化に抵抗した平沼赳夫氏を中心に与謝野馨氏などを入れて作った政党である。基本的には郵政選挙でほとんどが「刺客」によって落選してしまいその残りということになるので、選挙には強かった人々が集まった政党である。そして、安倍第一次から福田康夫内閣の時の「みんなの党」であろうか。これも保守系第三極かどうかはよくわからないところなのであり、いつの間にか「批判のための批判政党」の「烏合の衆」に変わってしまったが、まあ、その末路はみなさんご存じの通りであろう。

ちなみに、ここに日本維新の会や、一応希望の党、まあ残っているのは都民ファーストの買いが入っていないというような感想を持った人がいるであろうが、まあ、それらは「保守第三極」というよりは「地域政党が中央に進出した」ということであり、保革の立ち位置がしっかりしているような内容ではない。

このようにみると、民主党やみんなの党は左傾化してしまっているし、また、立ち上がれ日本はその後徐々に消滅してゆくということになる。新自由クラブは自民党に吸収されるということで「第三極」を維持できたところはないということである。しかし、いずれも「自民党はダメだ」ということからスタートしている。そもそも「自民党はダメだ」という「自民党を相手にした批判政党」である時点で終わっているのであり、本当に保守なのであれば、保守系の主張をしっかりと行うべきではないか。何かあるものに「対局」するということは「絶対値」ではなく「相対値」で自分の立ち位置を決めていることでしかなく、話になるものではないのである。

では、今回は「岸田内閣」の不人気からである。岸田内閣が基本的には全体主義ていなないようになってしまっており、また、国家主義的な内閣を担える人材が自民党内にいないということが大きな問題なのであろう。しかし、そのことで外に何か作ったところで「ネットの勇者」二しかなるものではないのではないか。

そもそも、政党をしっかりと作るのであれば、自分の立ち位置と政治的な主張の骨組みをしっかりと占めるものであり、それがどのように行われるかということを見るべきであって、何かを相手にするということの相対的立ち位置を考えている時点で違う。単純にでは自民党が変わったら、自分の変わらなければならなくなり、そのような話では政治的なところがうまくゆかないということになるのである。

ではこれで何が起きるのか。単純に「保守分裂」によって「革新勢力(要するに左翼)が政権をとるチャンスが増える」ということに過ぎない。この点に関して保守党の人々は「ブルーオーシャンを開拓する」などということを言っているが、残念ながらブルーオーシャンはブルーオーシャンでしかない。ましてやネットを中心にしているということは、「興味のない人は初めからアクセスしない」のであるから「固定化したファンの集合体」でしかないということになるのではないか。

まあ、ネット、SNSという道具ができたことによって、このようなことを考える人がいることは間違いがないが、常に「何かの批判」でしかない評論家は「根っこ」がしっかりとしていないので、中んかあうまく根付かないものなのである。

一方、このような勢力が出てくると言ことは自民党が支持がなくなるということになる。はっきり言ってしまえば、岸田内閣というよりは首相の政治が全くうまくゆかない。それは「自民党」ではなく岸田首相自体が「安倍首相の陰」に相対論で物事をしているのにすぎず、しっかりとした根っこのない政治をしている。そのうえ「宏池会」という派閥を持ってきている内容しかないのであり、その内容を見ていて失望した人も少なくないのではないか。

要するに、今の日本に「日本国」をしっかりと考えた政治家がいない「政治家不毛」の時代なのである。このような時代になってしまったこと自体が、誰かの陰謀なのではないか。