「スキル獲得の脳科学的アプローチ」④ 具体的言語化の方法
はじめに
「スキル獲得の脳科学的アプローチ」シリーズの第4弾です。
このシリーズ、ここまでの3つの記事はこの記事の最後にリンクを貼っておきますので、ぜひお読みください。
今回はこのシリーズにおける具体的な方法論について書きます。
今回は具体例です
僕がトレーナーとしてトレーニング指導における「言語化」に最初に取り組み始めたのは大学を卒業した23歳くらい。
トレーナー・インストラクターとして3年目に仕事として「民間のスタジオ」と「体育専門学校」という2つのフィールドで「インストラクター養成」 「トレーナー教育」を始めたことがきっかけでした。
その両方の「教育」において「マニュアル」「教科書」がなく、全て自分で用意をするプロセスで、実際に自分が「動いて」「話して」行っていた「トレーニング指導」を文章化する重要性を感じたことが、今も実践している「言語化」のベースになっています。
その時に取り組み始め、今も継続し、僕の脳内であらゆる物事の「言語化」の基本のフォーマットになっているのが「エクササイズシート」
今回はこれをご紹介することを通して「言語化」の方法について説明します。
これがエクササイズシートです。
上にお見せしているのは「ヒンジ強化のためのケトルベルスイング」を例に「言語化」の部分だけを取り出して1枚のシートとして表現しました。
ちなみに本当の「エクササイズシート」ではさらに以下の情報が盛り込まれたデジタルデータベース化されています。
省略した要素
1.エクササイズ動画
上のシートでは画像で動作の「スタート」と「フィニッシュ」を表現しましたが、実際のシートではそれが動画で見られるようになっています。
2.解剖学的情報
関節の動き(mobile/stable)、使用筋群(mobile/stable)に関しては言語化というより単なる動作そのものなのであえて今回は省きました。
3.レーダーチャート
エクササイズの特徴、効果をレーダーチャートで分類し、視覚化・数値化した情報を入れています。 これも言語化そのものではないので省略しましたがエクササイズ分析には重要な要素です。
言語化において重要な要素
以下の要素は当初「エクササイズ分析・分類」のために抽出したものですが、これが今の僕の思考における分析と記憶の指針になっているのだと思いながら読んでください。
1.定義
2.効果・目的
3.動作=方法
4.注意点
5.コモンフォルト(発生確率の高いエラー)
6.矯正
全てのエクササイズを以上の6項目を基準に言語化します。
ポイントはこの1〜6が実際のエクササイズ指導の順序通りになっていること。
つまりこのまま「丸暗記」しこの通り教えられるように動作を伴った練習をすれば、直截的に「実際の指導」のクオリティを高めることになるようにできている点。
次回は
このシートの内容を解説し、これが「エクササイズ」以外の全ての事柄に応用できるという話について書きます。
お楽しみに!